ピラミッドとジグソーの地歴的見極め
最終的には自分で作るしかないと思いますが。
ピラミッドとジグソーの比喩で、
二回ほど記事を書いてみました。
本記事はそのまとめ、実用的なお話を。
◆『キャリアピラミッドよりキャリアジグソー』
◆『人事ピラミッドと人事ジグソー』
私は、そういうタイトルで、記事を書きました
(よろしければ、リンクからぜひ!)↓
《序論》
①ピラミッド と ②ジグソー という比喩と
その対照で考える、という方法は
なかなかに「使える」思考のツールです。
これを前提とした場合、
「個人」の「キャリア」レベルで言えば、
柔軟に要素を組み合わせられるような
②キャリアジグソー のほうがいい。
「組織」の「人事」レベルで言えば、
一長一短あるので
①人事ピラミッド ②人事ジグソー
それぞれの組織の特徴をとらえたほうがいい。
そういう趣旨の記事を書きました。
《本論》
では、と考えていきます。
もう少し大きな枠で考えてみた時、
歴史的には、①②どちらのイメージで
社会全体は動いてきたのでしょうか?
日本だけ見ますと、
A:②ジグソー:個々人がフラット・柔軟
B:①ピラミッド:組織がかっちり・固定
C:②ジグソー:個々人がフラット・柔軟
おおまかには、こういう経緯でしょうか。
今は、BからCへの移行期、混合期。
Aは太古の昔のイメージで。
狩猟・採集のような原始時代、縄文時代。
個々人が「生きるために」自然と向き合い
自由に活動していた。
ここでいう自由とは、弱肉強食でもあり、
身体を損なえば、容赦なく死んでいました。
Bは弥生時代あたりからバブル経済まで。
稲作が始まって、「むら」や「くに」ができ、
ピラミッド型の支配体制が作られていく。
「国家総動員」の戦中時代は、その極みです。
戦後は憲法で人権なども公に認められますが
「カイシャ」がとってかわって
ピラミッド型の経済体制を作っていきます。
ただ、家族ぐるみ、地域ぐるみ、国ぐるみの
護送船団方式という一面もありますので、
「みんなで一致団結、がんばろう!」的な
社会的弱者に優しいような一面もありました。
Cはバブル崩壊・ネットSNS発達以後。
現代では「個々人」単位で
「情報」を比較的自由に扱うことができ、
ピラミッド型の社会・組織から
ジグソー型のフラット・柔軟な活動が
しやすくなっています。
その一方、言葉は悪いですが「情弱」の人は
どんどん時代から、置いていかれる。
「情弱肉情強食」の時代です。
家族も核家族化・おひとりさまが増え、
地域のつながりもピラミッドからジグソーへ。
ただし、これまでのピラミッド型の社会・組織も
厳然としてありますので、
その混合的な社会、とも言えます。
世界的には?
それこそ、千差万別ですよね。
Bスタイルの「人事ピラミッド」的な国家体制を
堅持している国もあれば、
すごくフラット、すごくバラバラな
「みんながんばれ」的な
仕組みを優先している国もある。
では、この歴史を踏まえて、
現代の「地理」で見てみますと。
日本の中だけ見ても、
まさに千差万別、ですよね。
B的なピラミッド型の経済・社会を
がっちりと堅持している市町村もあれば
C的なジグソー型の経済・社会に
完全に移行している市町村もある。
単純にイメージだけで言えば、
地方=ピラミッド型農村、護送船団
都会=ジグソー型都市、弱肉強食
と言いたいところですけど、
いっけん都会に見えて
とても「閉鎖的」「封建的」な
がっちがちの「ムラ社会の都市」もあれば、
いっけん田舎に見えて
とても「開放的」「フラット」な
ばっらばらな「フリーダムな農村」もある。
一概には、言えないのです。
なお、これは、場所的な話だけではなく、
「業界地理」にも言えることです。
いっけん華やかな感じに見えて
とても「閉鎖的」「封建的」な
がっちがちの「ムラ社会」、
談合癒着共存共栄当たり前の業界もあれば、
いっけん地味な感じに見えて
とても「開放的」「フラット」な
ばっらばらな「フリーダム」、
弱肉強食実力社会当たり前の業界もある。
会社レベルまで見れば、
それこそ無数に、カラーがあるわけです。
《結論》
現代は、情報が「だだ洩れ」で、
色んな枠が溶け出している時代ですから、
ひとつひとつ「マッチング」していかないと
「個人」である自分に合わずに、
「ミスマッチング」になる時代です。
離職率、高くなってきている。
ジグソー的に言えば、凸凹を見極める。
個人的にも、組織的にも、歴史・地理的にも。
また個人と言ってもライフステージは
刻々と変化していきますから
それぞれの状況に合わせて。
以前のようなピラミッド型が大半、
いったん積み重ねられれば、
抜け出すのは容易ではない、
終身雇用、終身ヒエラルキーという
組織や地域ばかりではありません。
ピラミッドとジグソーが混在している時代。
だからこそ、
ジグソーっぽい志向・思考の人が
ピラミッド型の組織・地域にいると、
「おらこんなムラ、嫌だ!」と
とてもストレスフルになりますし、
ピラミッドっぽい志向・思考の人が
ジグソーっぽい組織・地域にいると、
「ワンフォアオール、オールフォアワン!」
と叫びたくなると思われます。
繰り返しになりますが、
凸凹を確認し、都度、見極める。
個人的にも、組織的にも、歴史・地理的にも。
それが大事。
なぜなら、それが合わないと、
本当に、苦痛だから…。
まあ、自分の凸凹を押し隠して、
平面直角四面体だと思い込み、
ピラミッドの中で思考停止して
がっちりと収まる、という手もありますが。
階段は、登ってしまえば、快適ですし。
…さて、読者の皆様にお聞きします。
あなた個人の凸凹は?
あなたの組織の凸凹は?
あなたがいまいる地域・社会の凸凹は?
あなた個人はピラミッド・ジグソーどっち向き?
あなたの組織はピラミッド・ジグソーどちら?
あなたがいまいる地域・社会は?
これからどのように変わっていきますか?
それとも、変えずにそのままでいきますか?
誰かのピラミッド/ジグソーに
自分をあてはめていきますか?
それとも自分で自分のピラミッド/ジグソーを
つくっていきますか?