六次産業化、掛け合わせの自由
第一次産業×第二次産業×第三次産業=六次!
最近「六次産業化」という言葉を
聞く機会が増えてきていますよね。
これは1×2×3から作られた造語。
すなわち
これらを掛け合わせたものです。
…まずは「いちごのジャム」などを
想像してみればわかりやすいと思います。
これの何が良いかと言うと
「いちごそのもの」を売るよりも
「付加価値」を付けることができること。
消費者が自分でジャムを作らなくてもいい。
提供者側がその手間や事前にかけている分、
お高く売れるわけです。
もちろん、デメリットもあります。
ただモノを作って売るだけではないので
「時間と手間がかかる」
「初期投資、専門知識や技術、衛生管理」
この「負荷」も考えなければならない…。
本記事では六次産業化を入り口に、
柔軟な発想について、考えていきます。
「いちごのジャム」の例を挙げましたので、
いちご関連で連想していきましょう。
いちごそのものを売るだけでない?
…「いちご狩り」は?
そう思い浮かびますよね。
これは「採る」「その場で食べる」
という「体験」そのものを売る手法。
「体験を売る」サービス、
付加価値をつけて、売っている。
梨狩り、ぶどう狩り、りんご狩り…。
「〇〇狩り」と呼ばれるものは、多数。
これは「掛け合わせ」の発想ですよね。
(注:魔女狩りやオヤジ狩りは犯罪ですが…)
他にも「農家カフェ」「農家レストラン」
も思い浮かびます。
例えば「自作のいちごを使ったケーキ」を提供。
これは、栽培・加工・販売(飲食店)、
すべてが掛け合わされている。
こんなうたい文句を、観光地やリゾート地で
よく見かけるのではないでしょうか?
…ただし、ですね。
最近では、第一次産業=農林水産業が
関わっているからといって
必ずしも「食」に結び付けないもの、
「食」を起点としないものも、ある。
例えば「あたらしいツーリズム」。
「ニューツーリズム」と呼ばれる
観光庁が推進している政策です。
これは「食」がメインではなく、サブ。
「旅行」「体験」のほうが起点となります。
行って、食べて、温泉、泊まって、帰る、
ではない。
10年以上前、2009年(平成21年)に、
観光庁は『ニューツーリズム旅行商品
創出・流通促進ポイント集』なるものを
作成し、公開しています。
(2009年と言えば
東日本大震災やコロナ禍よりも前。
Twitterが流行り出し、政権交代をした年。
かなり昔に感じますが…)
その一部を、引用してみましょう。
(ここから引用)
(引用終わり)
役所の文書なので堅い言い回し。
くだけた感じで超訳してみますと、
「体験や交流ができる旅行、いいっスよね~。
地域密着なら、地域の活性化にも役立つし…。
何かテーマを決めた旅行なんかも、また良き。
食べて泊まって帰る、終わり、じゃなくて、
みんなで、柔軟に考えてみましょうよ!」
と言ったところでしょうか。
こう書いていって、
私が真っ先に思い浮かぶのは、
高崎 澄香さん 長嶺 将也さん
株式会社せんのみなと さんの
「キャリアツーリズム」です。
『古民家へと旅(ツーリズム)をして、
キャリアについて考える』
宿泊や飲食というサービスも
付随してはきますが、メインではなく、
「キャリアについて考えること」
これこそがメイン。
かつ、お二人は、2022年10月29日より
◎『キャリア相談日本一周の旅』
を敢行されるそうです
(詳細はリンクからぜひ)。
自分たちのフィールドに旅に来てもらう、
のみならず、
自分たちから旅に出る、という発想!
これもまた「ニューツーリズム」的な
柔軟な発想ではないでしょうか?
…ここまで私は、いくつか事例を挙げ、
さまざまな「六次産業化」について
書いてみました。
最後に、まとめていきましょう。
掛け合わせ。これは千差万別。
実は、無数に考え出せるもの。
六次産業化、と言うとどうしても
「いちごジャム」のような
一次産業を起点とした加工食品販売を
「第一想起」しやすいものですが
もっと柔軟に、斬新に考えても
いいのではないか?
例えば旅行やキャリア支援、つまり
「サービス業」の観点が起点でもいい。
一次×二次×三次、ですから、
三次×二次×一次、でもいい。
掛け算は、順番を変えても、同じです。
二次から考えても、いい。
他のものを掛け合わせたって、いい。
例えば「いちご狩り」と言っても、
自分たちのテリトリーに呼び込むだけが
唯一無二の方法ではありませんよね?
例えば「いちご畑をトラックに積み込み、
いちご農家のほうから出向いて、
自宅でいちご狩りサービス」とか。
VR、メタバース、などの視点で
「仮想空間上でいちご狩り」とか。
…すでに「キッチンカー」「出前」
また「移動式図書館」「訪問理美容」
「保険商品の訪問説明販売」など、
提供される側が提供する側(お店)に行く、
ではなく
提供する側が提供される側のほうに行く、
という方策は、
色々と世の中で実践されているところです。
仮想空間上のサービスも
すでに、次々と生み出されていますよね。
オンラインとオフラインの組み合わせも…。
せんのみなとさんの
『キャリア相談日本一周の旅』も、
柔軟に考え実行に移す、という
斬新で新しいアクションです。
(そのうち「地球一周の旅」すら
敢行されそうな企画力と行動力!)
どこが起点でも、いい。
何をどう掛け合わせても、いいんです。
さあ、読者の皆様は、いかがでしょう?
何をどのように掛け合わせますか?
…旧来の商品やサービスの発想に、
囚われてはいませんか?
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