「140字・20秒の恋歌:㉜古代の風、銀の指輪」
古代文明に夢中の彼は毎年、発掘に出かける。
彼の小指には、遺跡で発掘されたいぶし銀の指輪がある。レプリカだ。
「来年はトルコ」
ああ、また。太古の風が彼を連れ去っていく。すると彼は
「一緒に行こう。トルコの友人に嫁を見せる約束をしたんだ」
今、銀の指輪はあたしの薬指にある。
古代文明に夢中の彼は毎年、発掘に出かける。
彼の小指には、遺跡で発掘されたいぶし銀の指輪がある。レプリカだ。
「来年はトルコ」
ああ、また。太古の風が彼を連れ去っていく。すると彼は
「一緒に行こう。トルコの友人に嫁を見せる約束をしたんだ」
今、銀の指輪はあたしの薬指にある。