批評空間におけるノベルゲーム採点基準
ノベルゲームをプレイしてその評価を点数で表すこと。
それはその作品が自身の中でどの位置に在るのかを明確にする最も簡単な方法である。
ただ物語を読み、ただ良かっただの面白かっただの言い、ただ数をこなし”消費”するだけの毎日。
人は忘れていくイキモノだ。
物語から得られたナニか(例えば感動)は、時間の経過とともにだんだん薄れ、消えて無くなってしまう。
せっかく時間をかけてプレイするのだから、ただお金と時間を”消費”し一時的な感情の変化を得るためだけではなく、これからも心と記憶に残り続けるような”糧”にしたいと私はいつも思っている。
そのためには、作品を振り返ってみること、そしてどこが良かった、悪かった、好きだった、嫌いだったかなどをできる限り細かく言語化しておくことが大事だ。
とはいえ、誰でもはっきりと”こういうところ”が”どうだった”と言語化できるわけではない。
私もすごく苦手だ。
そこで私は、作品を振り返ったときに文字だけではなく数字でも必ず表すようにしている。
そしてそれを公表する場が、エロゲー批評空間。
このサイトではノベルゲームを嗜む多くの人が、作品ごとの評価を投稿しており、ノベルゲーム(エロゲー)に関する最も巨大なデータベースとなっている。(vndbというのもあるが、日本人だとあまり参考にできない)
採点基準(評価方法)は人それぞれだが、ある程度人の評価を参考に(自身と比較)しながらつけている場合が多いのではないだろうか。
評価・採点をすることに否定的な考えの人もいるだろうが、評価・採点するぞという意識を持ってノベルゲームをプレイすると、作品への理解度(そして解像度)がより高まるし、記憶にもよく残り一石二鳥なのでとにかくオススメだ。
それでは本題、私の採点基準(評価方法)を紹介する。
ノベルゲームの3大要素はシナリオ・絵・音楽である。どれかが欠けたら成り立たない。シナリオだけが良い作品は小説やラノベでやれば良いし、音楽に力を入れないなら漫画でもいいじゃないか(辛辣)
ノベルゲームである必要性、そしてノベルゲームとしての完成度の高さはこの3大要素に起因していると考えている。
そこで私はこれらをそれぞれ単体で評価し、その総合点を元に点数(評価点)を決めている。
こんな感じ↓
(例の一部です。タップorクリックで拡大して見てね)
もう少し詳しく説明します。
①シナリオ、絵、音楽をそれぞれ5段階評価する
私の場合、ノベルゲームの全要素をこれら3つの中に無理やりあてはめて評価
例)シナリオ→全体で見たときの評価。
感情の揺さぶりの数・大きさや読後感など。整合性に欠けていたり、明らかに無駄と思えるシーンがあると大きく減点
絵→立ち絵や背景、CGや演出など、その美しさや綺麗さ、自然さ
音楽→BGM(効果音含め)や楽曲の良さ。
作品との相性や、適切なタイミングかどうか
*3点を”普通”としているが、あくまでもこの中で相対的にである。
”普通”=普通に”良い”(悪くない。良い印象の方が強いともいう)
例えばシナリオだと、盛り上がるシーンや泣けるシーン、つまり感情を揺さぶるシーンが3つ以上あったら3点にしている。
(そこからマイナス要素があれば減点、そういったシーンの数の多さや感情の揺さぶりの大きさで加点)
↑というような基準・決まりを作っている。
*5段階評価にしているのはその方が決めやすいしわかりやすいから。例えば10段階もあるとすっごく考えないといけない(まぁ一応0.5点刻みにしているので実質10段階だし)。
②シナリオは4倍の傾斜配点で20点満点、絵と音楽はそれぞれ5点満点とし、その合計を総合点とする
シナリオを最も重視しているので配点は高め。
作品ごとに差をつけるために厳しめにつけています。
ただ、悩むくらいに大きい差がない場合はだいたい同じ点。なので意外と絵や音楽の評価(好みが比較的大きい要素かな)で総合点が変わりやすい。
③総合点を元に評価点を決める
(どれかの作品を基準とする。私は総合点20.5、25で評価点を80、90としています。)
プレイした作品の中でも特に好みだったり、得られたものが多くあった場合に総合点を~1.5点の範囲で加点したり、惜しい部分があれば減点したりしている。
これはあくまでも細かい部分の調整です。
総合点だけじゃ私の感覚的にどうしても納得いかない評価点になってしまうときなどに(笑)。
やりすぎたら意味がないので制限をかけています。
*一定以上の面白さの作品のみを評価対象とし、シナリオが2点以下の場合は評価点を全て70点未満としている(そういう作品は好みかどうかや悪い部分の少なさで評価点を決めてます)。
・・・って感じで採点するようになりました。
最近になってこのやり方に改めた。
これだとかなり評価しやすいなぁと。
単純すぎないし複雑すぎない。
あ、一応言っておくと、シナリオゲーが主な対象なのでキャラゲーは基本的に低評価になってます。
キャラゲーの評価は個人の好みによる差があまりにも大きいので。
このキャラが可愛かった、好きだった、で終わりです。基本的に。
キャラゲーをシナリオゲーと同じ基準で評価することはできない。
どうでしたか?
これをベースに、オリジナルの採点基準(評価方法)を考えてみてはどうだろうか。
※現在は別の基準で評価しています(笑)
追記
批評空間のデータをもとにいろいろと考えてみたこちらの記事も興味があればぜひ読んでみてください。