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蛍光

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オリジナル創作物、またはオリジナルを混ぜたもの。誰もいない闇の中であっても、この言葉達だけは淡く光れと
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2015年6月の記事一覧

標をなくした男

其の人は泣いていた。
誰にも気付かれぬようひっそりと、おそらくは自分でも気付かぬ裡に。
その涙を止めたいと願った。瞬く度にはたはたと落ちる涙を、その煌めきを、別の耀きに変えたいと。
私は、其の人の笑顔に救われていた。彼女の愁いない咲くような笑顔に、ただただ救われていた。
何故、彼女に憂いが無いと思っていたのか。その胸にあるのは耀きだけだと思っていたのか。
その胸に巣食う悲嘆が、彼女の胸を詰まらせて

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自分勝手な女

「貴女の涙の理由を、私に話してくださいませんか。」
と彼の人は言った。私の痛みがそのまま己の痛みであるかのように、切なく眉を寄せて言った。
不思議な話だ。私は泣いてなどいなかった。だが此の人は私が泣いているのが解るのだと言う。私の苦しみを、解りたいと言う。
優しい人だと思った。
その言葉が私にとってどんなに嬉しかったか。
しかしだからこそ私は、話すわけにはいかなかった。
優しい彼の人を、私の道に巻

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