読書中毒が激選する〝最高に面白い作品〟
ㅤ本の置き場に困って1500冊程売って、
ㅤ『これから置く本は激選しよう』と決意し、
ㅤ暫くしてまた置き場に困る人は、読書中毒を名乗っていいと思う。
ㅤというわけで読書中毒な自分です。
ㅤ読んでれば面白さは感じるけど、
ㅤ『どれが一番面白いか』等と踏み入った事は、これだけ読んでてもあまり考えない。
ㅤいや、考えて数値化しても、自分自身それに腑に落ちてなかったりする。
ㅤそして作品の評価が後々変動する事も多い。
ㅤ──けど、数年前から漸くそれが安定してきた。
ㅤ+aのような感性変化はあっても、割と根底から覆るような事はもう起きないと思う。
ㅤなので今なら自信を持ってハッキリと言える。
ㅤこれが『一番面白い作品だ』と。
ㅤ面白いって何だ?
ㅤ創作が生まれる前から問われ続けているが、
ㅤ明瞭な答えを得れる場合は殆どない。
ㅤだが自分は明確に思う事が二つある。
ㅤ一つはジャンル毎の面白さ。
ㅤamazonで★~★★★★★の評価が下されるが、
ㅤ作品には個々の良さがあり、何かの勝負等と違い単純に数値化出来る要素はない。
ㅤなので『一番面白い作品は?』には迷うが、
ㅤ『このジャンルで一番面白い作品は?』には割と答えられる。
ㅤ方向性が揃っていれば、自信を持って〝これだ!〟と言える。
(厳密に言えば同ジャンル作品でも個々で違うのだが·····)
ㅤで、だからその『面白い』って何だよと。
ㅤそれをもっと広い指標として言われるのは、
ㅤ『ワクワク度』や『難解さ』や『記憶に残るか』
ㅤどれもある程度頷けるが、個人的に一番しっくるきた指標は『影響度』だ。
ㅤ他にも指標はあるが、一番強いのはこれ。
ㅤあと『総合度』。
ㅤこの部分は良かったけど、そこ以外微妙とか内容薄いとか。
ㅤ長編が有利な指標。
ㅤとはいえ面白さを持続させるのはとても難しい。
ㅤ『影響度』を具体的に言うと、
ㅤ今までになかった新たな感覚,方向性が生まれ、
ㅤそれが強く残ることだ。
ㅤ·····具体的に言っても少し分かり難い。
ㅤ感想を言いながらの方が分かり易いので、
ㅤ⬇以上を踏まえ、以下面白い作品の感想⬇
十角館の殺人
ㅤ孤島の十角の館で殺人が起きる話。
ㅤクローズド・サークルミステリ。
ㅤ今作を読んだ時『なるほど!』と思った。
ㅤ自分は推理苦手な事もあり、
ㅤミステリの面白さを今一つ感じ取れてなかった。
ㅤ(みーまーは好きだった)
ㅤそれまではミステリに思ってたのは『複雑な方が面白い?』というものだった。
ㅤ後はトンデモ設定。でも殆ど概念上の存在であり具体的な作品名は特にない。
ㅤミステリでは自分が知らないような知識で殺人が行われる事もあるが、
ㅤ今作は謎解きというよりヒラメキ的。
ㅤクイズ番組で偶にヒラメキ問題が出題されるが、
ㅤそれも今一しっくりきてなかったが、
ㅤ『ヒラメキ思考』ってこういうことなんだと思った。
ㅤトリックや経緯が明かされた後、納得はいっても微妙な気分になる事が多い。
ㅤだが今作の読後感は清々しいものだった。
ㅤ納得出来る形で盲点を突かれると、『やられた!』という気分になる。
ㅤ『ヒラメキ思考』って創作では根幹なくらい重要で、
ㅤそれが自分の中で一番しっくりくる形だった今作には多大な影響を受けた。
ㅤ真似ようと思って出来るものじゃないけど。
ㅤただミステリの『一冊一事件』みたいな風潮は微妙。
ㅤ多重構造なら別だが、少し展開が焦れったく感じる。(多重構造もの好き)
ㅤその点『2分間ミステリ』という超短編集は良かったが、
ㅤあれは納得いかないのが多い。
ㅤ『2分間ミステリ』はヒットしたが、他に同じような本を出す人はいない。
ㅤ流石に超短編だけで一冊作るのは厳し過ぎるか。
ㅤあとジャンルは異なるが『ジュラシックパーク』も思考法的に感銘を受けたという点では、少し近いものがある。
女神「異世界転生何になりたいですか?」
俺「勇者の肋骨で」
ㅤ異世界転生コメディ。
ㅤなろう初。
⠀ギャグ作品の指標は分かり易い。
ㅤ『一番笑わせた作品の勝ち』だ。
ㅤ自分はこれが一番だった。
ㅤギャグは勢いが大事。
ㅤ今作の勢いは凄まじい。
ㅤこれも真似出来るものではない。
ㅤ次点で『絶体絶命でんじゃらすじーさん』
ㅤ世の中を安全に生き抜く方法を教える一人の老人の物語。
ㅤ笑えるかは読む時期が強く関係する。
ㅤあと『ボボボーボ・ボーボボ』
ㅤキャラの良さではこれだし、ギャグ×バトルというのもツボ。
ㅤそれまでもギャグ有りバトル漫画はちょこちょこあったが、バトルありギャグ漫画はこれしかない。
クラスメート、上村ユウカはこう言った。
ㅤセカイ系作品。
ㅤ主人公の破天荒さといい、ハルヒの後追い臭が凄い。
ㅤけどあっちは未完でこっちは完結してるし、
ㅤこっちは漫画テイストの良さが強く出ている。
ㅤ単純な展開としてもハルヒよりぶっ飛んでてワクワクする。
ㅤ全体的にハルヒより良い。
ㅤ元々漫画は形式上『最初から面白い』ことが求められるが、
ㅤ2010年代辺りから特に『一話目から滅茶苦茶勢いのある漫画』が増えてきてるように感じる。
ㅤ⬇⬇それはどういうものかと言うと⬇⬇
『進撃の巨人』
『トモダチゲーム』
『暗殺教室』
『デスノート』
『テラフォーマーズ』
『未来日記』
ㅤデスゲーム、サバイバル、パニック作品等がドカッと増えた印象。
ㅤあと『トリコ』もそうだと思う。
ㅤバトル漫画のヒットは読み難く、鬼滅の刃や呪術廻戦一話を読んで売れるかどうか分かる気がしない。
ㅤけどトリコだけは確信を持って売れると言える。
ㅤ『今後の展開次第』でなく『これが描けるなら今後も大丈夫だろう』と思わせる事が出来る程、全体的なディテールが細かく、キャラも出来てて完成度が高い。
ㅤこれも『なるほど』って思った。
ㅤ上記の作品群も『これはヒットするだろ』というのが分かり易い。
ㅤそんな中一話目の勢いが最も激しく、
ㅤかつそれを持続させ続け、『この先どうなるんだ?』と思わせ続けた作品が『クラスメート、上村ユウカはこう言った。』である。
ㅤ次点で『ヒト喰い』『ゼクレアトル』そして来月からアニメ化される『多数欠』
ㅤこの三作、どれも裏サンデー発である。
ㅤ初期の裏サンデーは『激選された神作』みたいな感じで、ここまで良い作品ばっかとこがあるのかと感動した。
ㅤ最初期の裏サン。
ㅤweb漫画界から良い人を引っこ抜いて作った。
ㅤこの引っこ抜きは最高に近い。
ㅤ現在も人気の『モブサイコ』と『ケンガンアシュラ』もある。
ㅤかけ恋はランキングで休載作品にも負け、最下位以外取ったことがないゴミクソっぷり。
ㅤ単行本は発売すらされない。
ㅤ投票ランキングでもこの二作が強かったが、
ㅤ良い展開になれば他の漫画がいきなりトップに立つ事もあり、全体的に読まれてる感があった。
ㅤ当時は連載作が少なく、全話無料だったのも大きい。
ㅤ個人的には『世界鬼』『ヒト喰い』『ゼクレアトル』が特に良かった。
ㅤ当時『web雑誌』というものは無いに等しく、
ㅤその状態でスタートを切ったにも関わらず作品のクオリティのお陰かかなり好調だった。
ㅤ『web雑誌』で言えば裏サンデーがトップだった。
ㅤ他には競合と言えるレベルに達してないが、web誌ガンガンONLINEがあった。
ㅤこの2つはとても対称的だった。
ㅤガンガンONLINE
・連載作多数
・週一で連載作を更新。
ㅤ一作毎に月に2回更新日がある。
・単行本売れない
ㅤ裏サンデー
・少数精鋭
・月~金は毎日更新。全作週刊連載
・単行本売れる
ㅤ尚これ以降の裏サンは連載本数を増やし続け、しかもクオリティはどれも低い。
ㅤ全話無料公開していたが、一話と最新話のみ有料に切り替え。
ㅤ編集部の話によれば『単行本売上が一時的に微増して、アクセス数が伸びなくなった』とのこと。
ㅤ単行本が売れなかったわけでもないのに変な事してアクセス数を落とすし、好調な事に欲をかいたのか微妙な連載を打ちまくるし、連載トーナメントは何が何だか分からなくなるし、
ㅤ最初期以外は失敗しかしてない。
ㅤ
ㅤ本誌より面白い派生誌という点では、別マガは健在。
ㅤけど雑誌はどう頑張っても売れない。
ㅤ進撃の巨人くらいメガヒット出しても駄目ならどうしようもない。
ㅤ面白いけど廃刊してないのが不思議なくらい売れてない。
ㅤ
ㅤ··········大分脱線した話を戻すと『上村ユウカ』は兎に角凄い。
ㅤ一話目でガッチリ掴みにいけ。『何だコレ!?』と思わせろ。
ㅤそれ以降も勢いを落さず、かつ破錠せずトンデモ物語を自然に展開し続けろ。
ㅤとはいえパニックもののようにインパクトが飽和するような事態は避けろ。バリエーションは豊富に用意しろ。
ㅤ──それが出来れば苦労しねえ!!
ㅤという感じの事を、然し中には出来てしまう例もあり、それが今作である。
ㅤ漫画的な『一話一話魅せる構成』を最大限体現したような完成度。
ㅤけど種明かしはやはり微妙だった。
ㅤ
その他物語というか、部分的に影響を受けた作品
・遊戯王
ㅤ幼少期からこのデザインに感化されまくってる。
ㅤ物語としても奇抜さを好みがちなのは今作の影響が強い気がする。
・くじ引き特賞:無双ハーレム券
ㅤネット小説の書き方のお手本。
ㅤ下手な漫画より明瞭な一話辺りの区切り。文章の簡素さ。展開の早さ。小説でも長編を書けるって感覚。
ㅤつまり·····ラノベはそれまでも言われてたが、今作は特に『漫画的手法を小説でやった』感が強い。
ㅤけど似た作品があまりに多過ぎるので部分的にも『ここが一番!』と言えない。
・未書籍化のなろう作品3つ
ㅤ漫画もそうだけど、web作品ならではの良さが詰まってる。
ㅤていうかインパクトが圧倒的に違う。
・短編作品多数
ㅤ面白い長編より、面白い短編の方が簡単に作れる。
ㅤなので長編構想の土台的な意味で、短編が書ける人は面白いし安定感が抜群。
ㅤショートショートの神と名高い星新一は、
ㅤ一冊の作品でもまるで短編のように『よくできた物語』を書く。
ㅤ登場人物の話を複合させ、上手く絡み合わせている。
ㅤ短編でのやり方をそのまま拡張させたように。
ㅤ短ければ短い程、より分かり易く『面白さ』は濃縮されたものになる。
ㅤなので短編は短かくとも、影響度は高い。
ㅤ因みに漫画家のデビュー読切は99%ゴミ。
ㅤ漫画賞は実質作画賞。
ㅤ影響度という点でそれぞれの『一番』は以上だ。
以下ジャンル,方向性別で一番面白いと思う作品
・サッカー/イナズマイレブン
・ゴルフ/千里の道も
・賭博/カイジ
・麻雀/咲。7巻までならアカギ
・サバイバル/ヒト喰い
・サイコホラー風/NOeSIS
・絵の巧みさ/バスタード
・四コマ/ニャロメロン
・バトル/web小説の作品
・学園/ネギま
ㅤ読む作品を激選してると言っても、
ㅤ分母が大き過ぎるから全く読み終わらないし増える一方。
ㅤ幅が広過ぎて読み切ったと思えない。
ㅤ あと全話無料公開されてるとつい読んでしまう。
ㅤ最近割とピッコマ漬け。
ㅤ更にノベルゲーとエロゲーやってみたいとも思う。
ㅤ後者は特に今まであんまやってなかったから。
ㅤノベルゲームは何故かやたら面白いし。
ㅤ尺が自由なとこと、サイコホラーが多いのが関係してそう。
ㅤ
ㅤ~終わりに~
ㅤつまんない作品や微妙な作品読んでると、つい忘れそうになるけど、
ㅤ上記タイトルのような作品読むと『創作って滅茶苦茶面白いんだ』という感覚を思い出させてくれる。
ㅤそしてそれは自分の中で今も強く残ってるんだと、
ㅤこの記事を書いてる時も改めてそう思った。