百年の孤独、読破の旅#1
ホセ・アルカディオ・ブエンディアとジプシーのメルキアデスの出会い編(p. 9-34)
登場人物
ホセアルカディオブエンディア
ウルスラ
ホセアルカディオ
ホセアウレリャノ(アウレリャノ大佐)
メルキアデス
要約
とても原始的で豊かな出来立てホヤホヤの村、マコンドにメルキアデスと名乗る男を含むジプシー一家が未知の文明の利器を売りに来る。
ホセ・アルカディオ・ブエンディアはその体験したことない道具や知識に翻弄され、仕事も家族関係も疎かにして実験と研究に励む。部屋に籠もっているかと思えば突然独り言をブツブツしゃべりながら家族に研究成果を伝えてはその狂気にあきれられている。
その後、彼は世界のさらなる不思議を追い求め、文明世界との関係を結ぶため北の冒険へ、村の男たちを引き連れ向かう。メルキアデスから授かった磁石でひたすらに北へ向かうが彼らが辿り着いた場所は海だった。ホセ・アルカディオ・ブエンディアは彼らの住む土地は海に囲まれた島に過ぎないことに気づき、目標の文明世界との接触は断たれ、泣く泣くマコンドへ戻る。ホセ・アルカディオ・ブエンディアは妻のウルスラへマコンドから離れ、文明世界へ引っ越すことを提案する。がしかし、あまりにも勝手すぎる行動の全てに怒りを覚えた妻は子供たちや現実とちゃんと向き合うように叱る。
心を改めたホセ・アルカディオ・ブエンディアは子供たちに自分が学んだ事などを教え面倒を見るようになる。ある日また、ジプシーたちがまた街へやってくる。以前とは違い、とても賑やかで街も混雑していた。その中でホセ・アルカディオ・ブエンディアは親友のメルキアデスを探すが死んだことを明かされる。その悲報で放心状態のホセ・アルカディオ・ブエンディアだったが子供たちに引っ張られジプシーが持ち込んだ氷に触れて、また友の死も忘れるほどの感銘を受ける。
コメント
一番はじめから一区切りとなっている計25ページの話は実にうまくまとめあげられていますね。
親友関係になるジプシーのメルキアデスの出会いから彼の死のお告げ。メルキアデスの不思議な持ってきた文明の利器に対してホセ・アルカディオ・ブエンディアは翻弄され、その具合を嬉しく思ったメルキアデスは彼に対して強い好意を持つようになる。最初は単なる商人と顧客の立場だったがいつしか親友になる素敵な話だが最後にはメルキアデスが旅の途中で死んだ事が告げられた。
だがこれだけではない。一番最初の謎の文を解消してくれる最後も特筆しなければならない。
初めにしては何も情報が入ってこない情報だったが33ページの最後に氷はジプシーが持ってきたもので、アウレリャノ・ブエンディア大佐とはホセ・アウレリャノのことだとわかった。まだ幼く子供らしくおとなしい性格の彼がどのように大佐になるのかは今後期待すべきポイントですね。
飽き性の僕にとって、とても有難い構成の文章である。先にある程度のストーリーを予測させて(あまりにも大胆な方法で)すっと回収してくれる構成はぬるっとだがスッキリした気持ちにさせてくれる。
あとはとにかくコミカルなボケが永遠と続くのが読んでいてとても心地よい。爆笑までもいかないが心に石が転がっていくようなおかしな気持ちにごく自然な形でさせてくれる。
やはりこういった感覚に陥るためには本書を読まなければならないということでしょう。
あまりにも多すぎるボケにブログや解説などでは全てピックアップ出来ないと思うし出来たとしてもそれは本を丸々読むのと同等のことになってしまうだろう。
登場人物についての特徴
百年の孤独では、名前で人の性格を表す事があるので簡単に新しい登場人物に対しては性格を書くことにする。
ホセ・アルカディオ・ブエンディア
活発な性格で、思ったらすぐ行動に起こし、豊かな想像力と集中力を持っている。だが自分を過信しすぎるため誰も止められなくなる。
ウルスラ
真面目で勤勉な母親。夫が仕事をせずほぼ不在の状況下でも四六時中働き、家や家族を守り続けた
ホセ・アルカディオ
陽気で活発な性格だが臆病。想像力にかけると書いてあるが頭もそれほど良くない立ち位置。
ホセ・アウレリャノ
おとなしい性格だが、知的好奇心旺盛。謎の予言的発言をしウルスラをおどろかせた。
メルキアデス
ジプシー一家の1人でホセ・アルカディオ・ブエンディアの親友。知的で口が達者。いんちきほうにみえるが不思議で壮大な物語を話すが商品などに対して嘘はつかない。