クイズ:土地の代金は支払うべき?
2021年1月11日のFacebook投稿。
道を一本、通そうと思う。
国道か都道か、公共のための道である。
そこでクイズです。
このとき、道路建設を予定している場所には何人かの地主がいる。次のA~Cのうち、道路を作るために代金を支払うべき土地はどれでしょう?
A 善良なる一個人の土地
B 贈収賄で有罪になった政治家の土地
C 大企業の土地
もちろん答えは明らかだ。
A、B、Cすべての土地に対して、用地買収の代金は支払われるべきである。
この原則は単純だが、公共の福祉のために割を食う者が出るときには、みんなでそれを負担しましょう、ということだ。つまりみんなから集めた税金をそれに充てるわけである。
ときに、飲食店への「時短協力金」は、大企業には出ていない。(不覚にも今回の緊急事態宣言ではさすがに大企業にも出るのだと、最近まで私も思っていた。)
公共の福祉のために割を食うのは、大企業か個人か(あるいは犯罪歴があるか)は関係がないはずである。これは、私権はできるかぎり制限すべきでないという、民主主義国家の根幹にかかわる考え方だ。
道路もコロナ禍も同じである。
国のためなら無理筋を通すのは中国式だ(いや、最近では中国でも想像より丁寧に行われているのではないかと推測)。
以下は補足だが、私たちまちづくりに携わる人間は、ときおり、チェーン店を疎ましく思うことがある。ただ、だからといって、コロナ禍で時短協力金を出さないことで駆逐してしまったら、それは火事場泥棒と呼ばれても仕方がない。
なんとなれば、たとえば、国分寺の地産地消プロジェクト「こくベジ」には、大企業チェーン店も参加してくれている。
チェーン店が地域の雇用を生んでいることは指摘するまでもない。
ということで、【公共の福祉のために割りを食う者には弁償が必要】という原則は、コロナ禍でも確認されなくてはならない。
一万歩譲って、国会での慎重な議論と議決が必要だ。
この状況下、時短要請に応じないチェーン店が出ても、責めることはできない。
一方で、時短要請に応じているケースでは、これは公共の福祉のために私企業が出費をして貢献しているということになる。倫理的な構造は、道路のために土地を無償で寄付する行為とまったく同じなのである。
こうしたチェーン店にかけるべき言葉は、「がんばれ」だけではない。感謝、である。
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