時は過ぎゆくとも変わらないもの 〜 「Days Gone By」 ハードロックの名曲探訪Vol.1
愛すべきハードロックの名曲たち。
そんな曲たちを紹介していこうと思います。
曲のこと、イメージすること、その当時の出来事を添えながら。
今回はアメリカンハードロックのスローターというバンドの一曲から。
高校の夏休み、特に一年生のときのそれは、とても気楽なもの。
三年という時間は無限の長さを持っているかのようだったし、大学や社会への道筋もまだかなり遠く蜃気楼の彼方にあった。
とはいえ、田舎町には若者のエネルギーを全て受け止める娯楽は無かった。部活がない日、有り余る時間とエネルギーを抱え、我々は自転車を駆り、田舎町を横断した。
ある時は17キロ離れた海へ行き、ある日は山道をひたすら走り、川原で暇を潰した。
合わせればかなりの距離を移動していたが、田舎町とそれを囲む自然は、我々を軽く抱擁する雄大さがあった。
そんな自転車の旅の友は音楽。当時発売されたばかりのスローターのアルバムをウォークマンにセットした。イヤホンからはDays Gone Byが流れている。
そんな歌詞を聴き流しながら、まだ遠く、しかし確実に迫り来る未来の足音の気配を感じながら、我々は日々をそんなふうに過ごしていた。
あれから30年以上が経った、今。イヤホンからはDays Gone Byが流れている。
聴いている場所、時は違う。聴いている自分自身も成長し、大人になった。
でもこの曲を通して、あの時期の風景が見える。あの場所の匂いがする。
そして、あの時の自分の幼い心をも感じる。
このメロディにはたくさんのものが詰まっている。時が過ぎゆくとも、変わらないものは確かにあるのだ。
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