映像から伝わる感動がある 〜 グレン・クローズ「As If We Never Said Goodbye」 ミュージカル「Sunset Blvd」より
ミュージカルを見る場合、生ライブが最適なのはいうまでもありません。
ただ、映像でも、圧倒的な感動が押し寄せるものもあります。
例えば、歌舞伎ならば12世團十郎襲名披露公演の勧進帳。昭和の名優が集結したこの公演、最も目を引いたのは富樫役の17世中村勘三郎。この方、生前は舞台に出た瞬間に客席を魔法にかけるなんていわれていて。図書館にあった古いビデオを見ていて、富樫が登場する場面。その瞬間、画面から何かが伝わってくるのを感じました。迫力、臨場感、いや、彼の魂のようなものが画面から流れているのだと思いました。最後まで、ただただ圧倒的な感動の中にいました。
これ以来、自分にとっての最高の歌舞伎役者は17世勘三郎なんです。
ミュージカルで同様の体験をしたのが、今回の動画の作品。アンドリュー・ロイド・ウェバーのサンセット・ブールヴァード。
たしか何かの記念公演で、BSで観たそれは、感動は映像からも伝わってくることを再認識させてくれました。
グレン・クローズという女優は、表情も豊かで舞台映えする方ですが、映像では流石にそれよりは落ちるかな?なんて思いながら観ていました。
すると。
画面に映し出された彼女には何かが違うと感じました。何かが憑依しているかのような。すでにそこにいるのは、グレン・クローズであって、グレン・クローズではない。
そこから先はあまりにも引き込まれて、感動の中にいたので、あまり覚えておらず、気がついたら曲が終わっていました。
すごいものをみた。圧倒されていました。
録画していたので、何度も何度も見返しました。その度に感動が押し寄せてきます。今でもそれは変わりません。
こんなふうに画面や映像からも圧倒的に人を感動させることができることを体験していくと、芸術の奥深さを感じるのですよね。
みなさんも、そんな体験はございますか?