なぜメガデスがメロディアスなアルバムを残したのか ~「Youthanasia」メガデス
スラッシュメタルという音楽ジャンルがある。今もこの呼称は存在しているのだろうが、音楽ジャンルが拡散してしまっている現代においては、このジャンルすら枝葉のようなものかもしれない。
このジャンルの盟主にメガデスというバンドがいる。
全盛期は90年代初頭であろう。
今回の作品は、最もメロディアスなメガデスが堪能できる。生粋のスラッシュメタルバンドだったメガデスに、いや、スラッシュメタルという言葉自体と相反するのがメロディアスという言葉だ。
もちろん、流麗なギターソロはあったし、それがこのジャンルの魅力の一部でもあるのだが、ここでいうメロディアスとは楽曲のことだ。
スラッシュメタルバンドとメロディアスを考えてみると、スレイヤーは徹底的に速く、メタリカは英国の息吹を捨て重くなっていき、アンスラックスはファンクになっていった。
では、なぜメガデスのみがメロディアスなアルバムを残したのか。
それは、一目瞭然、マーティ―・フリードマンというギタリストの存在があったが故だ。
彼は、日本を愛している。文化も音楽も。演歌も知っている。そんな彼があの時期のメガデスに持ち込んだ要素。それは、哀愁という言葉に集約される。
マーティ在籍時、メガデスは確固たる個性を持っていた。ただ、彼が去ってしまった後、このバンドから何かが失われてしまった。
とはいえ、このアルバムは、起死回生の一発にはならなかったし、歴史を変えることもなかった。でも、この作品のメロディは、いつ聞いても心に響くのだ。
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