バート・バカラック追悼(2) in ラウンジ・ジャズ
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v.a. / Blue Bacharach: A Cooler Shaker
バカラックが亡くなったとき、ぼくのTwitterタイムラインもそれ一色で、ブルー・ノート・レコーズ公式も追悼の投稿を寄せていました。そこで紹介されていたのが自社カタログからの一作『Blue Bacharach: A Cooler Shaker』(1997)。
ブルー・ノートのジャズ・ミュージシャンたちがバカラック・ナンバーをインストルメンタル演奏(一部歌入り)したもので、一曲づつ演者はさまざま。こんなアルバムあったんですね。既発ものからチョイスしたコンピレイションでしょうか。
クソマジメなジャズ・リスナーからは100%嘲笑軽蔑しかされなさそうなアルバムですが、ぼくはあんがいこういうの好きですね、お手軽ムード・ミュージックみたいなのが。気楽に流せるし、部屋でなにかしているときの心地よいBGMとして最適。
インスト演奏だから、そのぶんバカラック・メロディの美しいラインがきわだってよくわかるか?っていうと、実はそんなこともなく。やっぱりヴォーカリストが歌ってこそきれいに映える曲を書いたコンポーザーだったということでしょうね。
それにブルー・ノートに録音するようなジャズ・ミュージシャンって演奏にひと癖あるひとばかりで、有名バカラック・ナンバーをやるにしたってイントネイションにみんなそれぞれ異なる独自カラーを持っているでしょう、だからどうしたって原曲とは様子の異なる解釈になります。
フレーズ・メイクその他のはしばしにあらわれる一種のくさみというか芳香というか、それがジャズという音楽の楽しさであり(聴き手によっては)とっつきにくさともなります。本作みたいな軽いラウンジ・ミュージックふうのものをやっても、それは同じなんですよね。
(written 2023.2.15)