不穏な民謡クルセイダーズ 〜『日本民謡珍道中』
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民謡クルセイダーズ / 日本民謡珍道中
民謡クルセイダーズの二作目『日本民謡珍道中』(2023)。一作目からちょっと時間が経ちましたが、そのあいだライヴ・バンドとして世界で経験をみがきいっそう強靭になっての新作リリースという印象です。
出だしはかなりダークで不穏。「佐渡おけさ」を筆頭にダビーでサイケなアレンジが数曲続くのはやや意外でしたが、ジリジリと粘っこいグルーヴを醸成していっているような感じです。
女声ヴォーカルが歌う4「南部俵積み唄」あたりからはストレートなノリになって、従来的な直球勝負のラテン民謡になります。しかしそうなってからも不穏なムードは残っていてときおりおりまぜられ、どうもそれがこの新作を貫くトーンのようになっているのかも。
サルサと混合している7「貝殻節」からは安心して聴けますね。ラストの9「ソーラン節」はホーン・セクション+合いの手が明るく映える快活でグルーヴィな一曲で、どっちかというとぼくはこういうのがいいなあ。
(written 2024.1.29)