能登半島地震から防災を見直す
課題のペット同行避難
令和6年能登半島地震でもペットの同行避難は課題となりました。
ペットがいる人にとっては「ペットは家族の一員」という感覚でしょう。
避難所でも自身のそばに一緒にいることを望まれると思います。
しかし、避難されている方の中には犬や猫にアレルギーをお持ちの方もおられるでしょうし、鳴き声や臭いなどが気になるという人も。
飼い主自身が周りへ迷惑になることを心配して、気が休まらないということも実際にあったそうです。
避難所準備委員会でも課題の一つ
伊藤も小平市内の小学校で地域の方々と避難所管理運営マニュアルの作成に携わってきました。
その作成過程でもペットの扱いは議論になりました。
ひとまず、運動場の少し離れた場所をペットのゾーンとすることにしていますが、荒天の場合や、鳴き声による近隣への影響など、実際に避難所を管理運営する時にはやはり解決が難しい課題に直面することになると思います。
市内都立高校をペット同行者専用避難所に
令和6年3月定例会では、「能登半島地震から学び、小平市の防災力の見直しを」というテーマで一般質問を行いました。
その中で、ペットを同伴する方専用の避難所を提言しました。
市内で指定されている避難所の多くは小・中学校です。
小平市内には都立高校が三校ありますが、市としてはそれら全てのグラウンドを「いっとき避難場所」に指定しているだけです。
東京都と協議し、これらをペットを同伴する方専用の避難所として開設できるよう準備してはどうかという提案です。
小平市の犬の登録頭数は8,227頭(令和4年度)。
犬だけでも飼育されているご家庭はかなりの数に上ります。
市長の答弁では「想定を超える避難者が出ることも考えられるので、あらかじめペット同行者専用の避難所の指定には課題がある」というものでした。
市民の生命、身体、生活を守るのは市の役目
その他、ペットの一時預かりについて動物病院やペットショップとの連携も提言しましたが、残念ながら市長の答弁は「東京都に相談する」というものでした。
確かに施策によっては広域で考えることが相応しいものを多くあります。
被災時においても広域連携が求められる事案も少なくありません。
しかし、避難者の受け入れについては、まずは市が責任をもって、あらゆる想定を巡らせながら、準備を進める必要があると考えます。
小林洋子市長は「防災」を自らの政策の三本柱の一つと訴えて、市長選挙を戦ったはず。
自らの言葉に責任を持つべきです。