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『おはなし ごほん』刊行のお話

わたしの新しい本がもうすぐ発売されます。
タイトルはおはなし  ごほん
大川久乃作 本田亮絵 あかね書房刊行

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今日は「よろず良し」とされるめでたき天赦日。
感謝をこめて、制作秘話? 裏話?をご紹介しようと思います。


感慨深い刊行前夜(直前)
単行本の刊行は、『tuck chick born』以来。
大川久乃「作」は、初めてです。
(「こどものとも」はたくさんの人に読んでもらっていますが、
 流通が特殊なのと、3作品いずれも大川久乃・文です)
やっぱりこれは、とっても感慨深いもの。
全国の書店に並び、注文取り寄せも全国どこからでも、
ネット販売もamazon紀伊国屋webなどなど、
色々なところでご予約、入手していただけます。
本当に、ありがたいです。ひとつ、また夢が叶います。


おはなしの「胎動」はムズムズ? ゴホンゴホン?
「おはなしごほん」の原稿を書いたのはいつのことだろう。
もうはっきり思い出せませんが、
書いて、眠らせている作品が、むずむずと動き出すときがあります。
そのとき、それをどう動かすかがきっととっても大切なんだろうな。

この絵本『おはなし ごほん』は、
かぜをひいて学校を休んでいる男の子が、
しばらくぶりの絵本を久しぶりに手に取って開いて読む。
そんな時間を描いた作品なのですが、
むずむずじゃなくて、ごほんごほんと咳をするんですね。
「ぼく」も、絵本も。

樹のように。根っこ枝葉が広がる。ぜ~んぶ、ご縁
わたしが開催を続けている「えほんの樹」という集まりがあります。
そこにイラストレーターのBoojilさんが参加してくれたとき。
その、胎動を感じた「おはなしごほん」のはなしをしました。
胎動にはだいたい新しい物語のテーマが加わっているものですが
それは、本編では描かれない、描かれても主題ではない
サブストーリー的なものだったりして、今回それは
”第二子の誕生”というものでした。

わたし自身、その当時、下の子(娘)がまだ生まれたばかりで、
上の子(息子)が年長さんとかだったのかしら。
突然ひとりっ子じゃなくなった長男のさみしさ。
いや、彼の感情は置いておいたとしても、わたし自身に
「抜け落ちていた」感覚が、正直あるのです。
その間に急に大人びていった息子の成長にビックリして、
慌てて彼の一瞬一瞬を目に焼き付けるようなところが
最近になってこそ、あるもの。
それらが、きっと、まだ起きぬけ、寝ぼけながらも芽生え始めて、
それとも、二人の子どもたちが何かを動かしてくれたのかな?

とにかく、このおはなしの主人公の男の子は、
きっと久しぶりにお母さんをひとりじめするんだ!という背景と、
その上に物語があるというのが見えて、
それを「えほんの樹」の場で伝えたのです。
そうしたら、ちょうどboojilさん、
おなかにお二人目の赤ちゃんを宿していらしたばかりで。
だからこそきっとよけいに共鳴して、受け取ってくれて、
そしてあかね書房の編集者さんとのご縁を繋いでくださった。
彼女が涙を浮かべて話を聞いてくれたこと、
純粋でパワフルな後押しがどれだけこの作品の自信となったことか。
感謝しかありません。子どもたちにも。この町のつながりにも。
(※boojilさんの絵本『おかっぱちゃん』あかね書房)

信じるということ
今回担当して下さった編集者さんとのあいだで、
この原稿のほんとうの姿にむかって、書いて書いてゆく
(わたしはそういうものだと思っている)プロセス。
これまで以上に、自分を信じるということを強く意識していました。
でも、最後の最後になって、
わたしがまだまだ自分を信じ切れていないことに気づくことがありました。
こんなに揺らいでいいものかと怖くなったあとで、
どれだけの人がわたしを信じてくれているのかを、悟りました。

わたしは、本当に、それが嬉しくて、ありがたくて、
自分を信じるって、わたしにとっては、
感謝につながるんだなぁと思いました。とってもちからが湧きました。


奥付秘話
そういうわけで、最後までばたばたと直しがあったりした
土用+パワフルな天体運行の日々。
奥付頁の著者プロフィールに
自分の卒業した学校名を掲載しよう!という日がありました。
(近刊のものではスペースの関係もあって載せてないのです)

女子聖学院短大国文科 
日本児童教育専門学校児童文学専攻科 卒業

いずれも、わたしの専攻していた学科は現在は無いので
それでも明記していいのかな、でも載せたいなと、
相談できる方にお伺いしたところ、ぜひ載せてくださいと。
在校生の励みになるからと。

特に専門学校時代は、卒業生の出版作品、
図書室にこもって、羨望のまなざしで、ふるえるようにして、
手にしていた自分をはっきりと思い出せるので、
今回、掲載することにして、改めてこれも感慨深いものがあります。

出生地を載せることも、それはやっぱり生まれてきたことへの感謝。
これまでの歩みすべてへ感謝するのが
わたしの今回の、奥付に秘めた想いです。


秋が深まり、寒暖差も出てきましたね。
どうぞ皆さんお風邪などお召しになりませんように。
ごほんごほん。
ぜひ『おはなし ごほん』読んでくださいね!

次回は、もう少し内容に触れて
「にじ」にまつわるエピソードも書こうかな~。
わたしが20年来、ずーっと大切にしているテーマです。

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大川久乃
わたしの創作活動をサポートしてくださる方がありましたらぜひよろしくおねがいいたします。励みとし、精進します。