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【003】凶器は思い出

よるのかたすみ

水槽に浮かんだ、死にかけの顔が笑う

味のしない日々

濃厚なソースすら、僕には届かない

忘れてしまったんだ

それでも彼女の唇だけは、なぜか憶えている

さっさと散ってしまった桜に腹を立てたその日

僕は追い風に乗って走った

2021/4/18 ヒサノエイ

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