泣くことの効用


 遊佐町吹浦の山荘では、母が大切にしていた額紫陽花が咲いています。

 昨日のテレビ番組で、泣くことの効用が話題になっていました。ストレスを解消するのに良いというのです。確かに、泣くことはなによりの精神安定剤のようです。

 数年前のことになりますが、ぼくも一時「鬱」と言われるような症状に陥り、薬を処方してもらったことがあります。幸い仕事を休むほどひどくはならず、2ヶ月ほどで心の健康を取り戻しました。そして、その、良くなるきっかけが、「泣く」ことであったのです。

 その瞬間は突然やってきて、山道を独り車を走らせていた時、涙が次から次へと溢れ出てきたのです。運転なんかとても出来なくて、ぼくは道路の傍らに車を停め(交通量の少ない山中の一般道で良かった!)、声を上げて泣きました。泣くだけ泣いて、独りで泣くだけでは足りずに自宅に電話を掛けそこでも泣いて、裸の自分、情けない自分、弱い自分をさらけ出して、そしてその日以降ぼくは、信じられないくらい心が晴れやかになって、憂鬱な日々から復帰することが出来たのでした。

 日々の生活では、なかなか弱みを人に見せることが出来なかったりしますよね。頑張らなきゃいけないことが、職場ではもちろん、家庭でも多かったりする。気づかないところで心は疲弊し、悲鳴を上げているのでしょう。時々は「泣く」ことで自分を解放してあげたいものですね。

 最近のぼくですか? そう、母が亡くなって、葬儀の日はもちろんこみ上げてくるものを抑えることが出来なかったし、だけどやっぱり人前では泣ききれず(まだ強がってる)、でも何日か経って、深夜自宅でしっかりと泣かせてもらいました。おかげで、疲労は積もり積もっているけれども、心はなんとか元気です。(2006.07.30)

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