和書ベスト10
おお、『森有正先生のこと』(栃折久美子)が紀伊国屋「BookWeb」和書デイリーベスト10の7位に(11月24日、月曜日。昨日は何位だったか?)。加藤周一さんの『小さな花』も10位に。やはり新聞の力は大きいものですね。
森ウオッチャーとしては迂闊なことながら、栃折さんの新刊はずっと知らずにいて、昨日たまたま自宅に戻り、朝日新聞読書欄に目を通してようやく知ることができたのです。さっそくAmazon.co.jpにアクセスしましたよ──「在庫無し」。さればと紀伊国屋BookWebに取って返し、在庫を確認できて一安心。水曜日は公休で時間が(たぶん)あるし、早く届かないかなぁ。
栃折さんの著書『モロッコ革の本』での奇妙な記述から、森有正と彼女との間には、「著者と担当ブックデザイナー」以上の関係と交流がある、と感じていました。そんな彼女が、はるかな年月を経て、彼女にとっての森有正を、ぼくたちに書き残してくれたのですね。あるいは自分自身のために、であったのかもしれないけれど。
またつい先日は、ある方から小塩節さんの『朝の光のさすときに』(日本基督教団出版局)という本をご紹介いただきました。そして幸運なことに、インターネットで『朝の光の…』を発見、入手しました。1977年の出版だったんですね。
森有正が逝って四半世紀を過ぎ、久米あつみさんは「森有正の名はいつしか忘れられ、かつてあれほどの影響を受けたかに思われる年代の者たちも沈黙するようになった」(「ことばと思索─森 有正再読─)と書かれていたけれど、しかし実際のところ彼は、いつまでも深く、また決して古びることもなく、人々の心の中に生き続けていたようです。
──と、今ごろになってBookWebからメールが! 品切れ、ですと? う、う……。(2003.11.26)