コミティア150で買った本など
コミティア150で買った本をまとめてみました。
■ TWIN COLORS・AUTUMN / WINTER / 金谷有希子 / サークル「さくらんぼのゆめ」
「プリティーシリーズ」などの企業系デザインを手掛けるゲーム制作会社シンソフィアに所属されているデザイナー金谷有希子さんの御本。
企業に所属しているデザイナーと言う事で最近許可を取ってアカウントも開設し個人活動を始めたそうで、既に何度かイベントに出られてるみたいで既刊も一緒に購入しました。
シンソフィアの商業デザインのイメージがあったのでトレペ嚙ましてる装丁やレトロ印刷の2色刷りで「あっデザイナーさんの本だ」って感じでとても良かったです。
■ about a dog Tofu / danny
イラストレーターのdannyさんのご家族と飼い犬との生活を綴ったイラストと漫画とエッセイで構成された御本。
文庫サイズですが恐らく自分で製本された本じゃないかな?
■ 4コマの本ポケット版・イナモト / オクターブ高子 / サークル「われまど」
オクターブ高子さんがSNSなどでアップしていた漫画のまとめ本です。
「4コマの本」の方は既刊ですがかなり初期の頃のものかもしれないですね。「イナモト」の方は最近アップされている1ページ漫画のまとめコピー本ですがこの二つの間ぐらいに描かれた作品もすごく良い作品が多いのでまとめ本にしてほしいです!
いつもネタの発想が素晴らしく、モラルの高いほのぼのしたものを描くかと思えばかなり露悪的に社会通念を踏み越えたものも描くのでその間を反復横跳びする感じが好きなんですよね。
■ 架空食玩蒐集之書 / 茶器。 / サークル「Teaset`s」
架空の食玩デザインを集めたデザイン本です。
茶器。さんはけものフレンズの頃にフォローしたんですが、食玩やホビーのギミックに対しての拘りとアイデアとそれを実際に形にする行動力が凄く、デザイン遊びをする玩具のカバー範囲も今様のカプセルトイ的な食玩だけでなく、タカラトミー系のファミリー玩具ものまで幅広く、結構自分の好みと似通ったところがあるのでずっと好きな作家さんです。
よくSNSでバズってるので知ってる方も多いかとも思いますが。
■ 間隙紀行 / さとかつ / サークル「ウツボカズラ病」
この作家さんは今回初めて知ったのですが、XのTLでサンプルを見かけて続きが気になりすぎる!と買いに行った御本。
研究者の「キリコ」とミミズハゼの「ユウスイくん」が地底探検する漫画。
河川や干潟などに生息する生物に対する深い見識と好奇心と、地底の住まう異形の上位存在との邂逅というコズミックホラー風味のSFストーリーがワクワクさせます。
短編の「干潟備忘録」も干潟に住む水棲生物の陸生か水棲かよくわからない感じが醸し出す得体の知れなさが怪談チックなSF小話の題材としてマッチしていて秀逸。適度に描き込まれた湿度を感じるタッチも良。
全部面白かった。推し!
■ 架空のホビアニマガジン / TKG(ごぼう) / サークル「たまごダンス」
架空のホビーアニメが収録された架空のアニメ雑誌という体の御本。
そのアニメが実際に存在しそうと思えるほどイラストがうまい事はもちろんの事、アニメ雑誌らしい組版と編集も良くできているし、そもそも架空のアニメをデザインから企画内容から放送してる体で場面写まで8本分も用意する事自体かなり大変な作業で総合的なアニメ文化に対する熱量を感じる良本。
自分もホビアニ業界の周辺で仕事している人間なのでXのTLで見かけて面白そうな本だなと思ってチェックしてみたら、ちょくちょく拝見してたやたらうまいコロコロ系のファンアートを描かれてる方だったので納得。
楽しい本でした。
■ 平和なラブコメ / もけお / サークル「STUDIO KINOBO」
純粋に私が大好きなもけおさんの漫画の新刊と言う事もあるのですが、怪異+ラブコメ的なコンセプトも面白かったのでTLで見たサンプルの続きが気になって買いに行きました。
ラブコメ特有の恋で周りが見えなくなるというシチュエーションを生かして霊の存在を無視し続けるというラブコメで、不穏さと妙な可笑しさの同居する楽しい作品でした。
もけおさんはイラスト集もデザインや装丁がかわいいく自分も本を作る時に参考にさせてもらったりしてます。
■ 荒刃-ARAYAIBA- / PUMP / サークル「夜猫館カフェ」
有名な台湾のデザイナーさんで自分もまだPXIVを使ってた頃から好きな作家さん。メカデザインをする際など色々影響を受けているのですが、ただ本などはこれまで買ったことが無かったので丁度コミティア150に出られるとの事で買いに行きました。
装丁が凝っていて、本文にも細かいエナメル加工などがあるので多分本というよりは冊子やパンフレットに近い印刷なんじゃないかと思うんですよね。
印刷所は台湾の会社で「皇輝彩藝印刷」という所ですね。
初めて知りました。
皇輝彩藝印刷 > https://hocom.tw/h/index?key=259882172307
イラストやデザインは言うまでもなく素晴らしいですが、こういうデザイン性の高い細かい加工指定の装丁の本も一度は作ってみたいですね。
面白いです。
■ 海とかノート / あやな
この御本は事前チェックしたものではなく現地で見て回ってる中で見つけた本ですね。
ビーチコーミングや海の生き物についての体験や雑学のイラストメモ集のような感じの本です。
吉祥寺のzineフェスという言うイベントで出されたものを既刊としてコミティアにも出されたみたいですね。
このzineフェスというのは自分も初めて知ったイベントなのですが2023年に吉祥寺のPARCO屋上から始まった青空市みたいな感じの冊子フェスなんですね。
かわいい絵柄でメモ風イラスト冊子としては伝えたい事とその表現が丁度良いバランスでまとまった読みやすい本だなという印象で、自分も解説本作ったことがあるんですがどうしても描きたいことを全部書いてしまって読みづらくなりがちなので、このバランス参考になるなぁと思って買わせてもらいました。
■ 本能 作字×ArtWorkZINE #4 / NORI / サークル「Fri」
リソグラフ印刷で面白そうな装丁だったのでチェックして買いに行きました。
多分自分で製本されてると思うんですがカッティングや銀のペーパーなどで質感の違いを出してたり、リソグラフ特有の版ずれや淡い色調も本能というテーマに合っていて面白くロゴのデザイナーさんと言う事で文字と本文とのバランスや配置なども細かく考えられた面白い本でした。
既刊を見ると他にも面白そうな装丁の本を色々出されているので手に取って見てみたい。
■ shimmering water / mizushima
この御本も見て歩いてて装丁が面白そうな本と思って一目ぼれして手に取って開いてみたら案の定良くて買った本です。
表紙の装丁からしてかっこいいし、レトロ印刷さんで写真を印刷したトレーシングペーパーを重ねて波の重なりを表現しててお洒落!こういうの一度やってみたいんですよねぇ。
と思ったらご本人のnote発見しました。
装丁についての解説が書いてあるのでどうぞそっちの方見てください(笑
う~ん他の既刊も繊細な作品でいいな~センス!
■ KAMEBON / zzzzg / サークル「スタジオキノボ」
今回一番面白かった御本。
作者の方が飼われてる亀の記録ノートをコラージュ風にして製本した本で、本の枠からはみ出しまくる手作り感あふれる装丁が最高。
完全手作りなうえに装丁も個体差のある本なので多分持ち込み分10冊もなかったと思うんですがそれでも会場で設営した後もまだ製本してました。
自分はこういう謎の本と出合うためにコミティアに行ってるようなところがあるので久々こういう創作パワーが本の枠に収まりきらずあふれ出してるような本があって嬉しかったです。
最近コミティアでも変わった装丁の本が減ってるような気がしていたので。
◆ おわり
このほかにも購入したものや買えなかったけど紹介したかったものもあるんですが、長くなりすぎたのでちと割愛。
結構久しぶりにコミティア行ったので楽しかったですが、コロナ前はわりと頻繁に行っててそのころ買って良かった本もまだかなり手元に残してるので、おりを見て紹介出来たらなぁと思ってます。
買った後知り合いに見せたりもするんですが、定期的に処分しちゃったりもするので良い本はなにか記録に残しておいたほうが良いような気はしてたんですよね。
今回紹介した本の中で面白そうだと思った本があれば是非コミティア遊びに行ってみて下さい。
年に4回もやってますので。
それでは。
村上ヒサシ