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CSOpsを立ち上げてたったの10ヵ月、サービスローンチから2年半なのにNPSで高評価をいただいた話
こんにちは、朝でも夜でもヒルマ(@hiruma_poker)です。
この記事は【株式会社ログラス Businessチーム Advent Calendar 2022】の19日目の記事となります。本格的な冬の寒さが訪れ、年の瀬を感じる季節になりました。
この記事で、ログラスのCSOpsの立ち上げ、お客様からのプロダクトの評価などをお伝えし、読んでいただいた方に少しでも業務上の気付きであったり、キャリアを考えている方には「ログラスってよさそうな会社だな」と感じていただければ幸いです。
自己紹介
人となり
株式会社ログラスで3人目のカスタマーサクセス(以降CS)として入社し、主にCSOps・Adoptionの役割を担っています。前職は独立系のコンサルティング・ファームでIT・業務改革コンサルタントとして働いていました。
ポーカーが好きで、Asian Poker Tourというポーカー大会で優勝したことがあります。
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「ポーカープロなんですか?」とたまに訊かれることもありますが、新卒からずっとフルタイムで社会のために働かせていただいています。ポーカープロにはなろうと思えばいつでもなれますが、ログラスという未来に輝くスタートアップで働くことは今しかできないのでログラスで働いています。私のキャリアやログラス入社の経緯については、以下の記事をご覧ください。
同僚からの言葉
有難いことに、創業メンバーの1人から「裏ボス」といじってもらえるくらいにはやれているようです。
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また、なにもそそのかしてないのに、同じCSチームでオンボーディングを担当する岡部さんも「すべてをハイレベルでこなす」とnoteで書いてくださいました。
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自分が意図してジェネラリストになろうと思ったことはないですが、IT・業務改革コンサルタント(・ビジネスアナリスト)として様々なステークホルダーと働くうちに鍛えられたのかなと感じています。
さらに、ビジネスサイドの他チームのメンバーと強みを出し合うワークでは、構造化する力・言語化する力を強みとして主に挙げていただきました。
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こちらも前職から、広くシステムや業務プロセスあるいは課題・施策といった情報を設計し、それをステークホルダーに伝えてプロジェクトを推進する役割を担っていることが多かったので、それがを評価してもらっているのだなと感じました。
こうした人間が、ログラスというSaaSスタートアップでCSOpsを立ち上げるとどうなったか、ということをこのnoteではお伝えしたいと思います。
ログラスのカスタマーサクセスの役割分担
さて、ここからが本題です。ログラスにおけるカスタマーサクセスの機能分担をお伝えし、それぞれで行った最適化の取り組みのいくつかをご紹介し、直近取得したNPSの結果をシェアしたいと思います。
Onboarding
Loglassの導入を通じてお客様のライトサクセスを目指します。ライトサクセスに関する詳細はCS責任者の浅見さんの記事をご覧ください。記事公開時点で、私の稼働の10%ほどが充てられています。まもなく0%になる予定です。
Adoption
Loglassの運用サポートを通じて、ライトサクセスが維持される状態を目指します。また機能活用などを通じてLoglassが支援する業務を広げ、お客様のディープサクセスを目指します。すべての活動はアップセル・リニューアル(契約更新)とダウンセル・チャーン(解約)防止に繋がり、組織に収益をもたらします。私の稼働の35%が充てられています。
なお、お客様の声(VoC)の収集や、組織への還元はOnboarding、Adoptionいずれの役割でも共通して行います。
Customer Success Operations
OnboardingとAdoptionの活動を効率的に運用するためにあらゆる取り組みを行います。私の入社前は2名しかCSがいなかったため、必要性は認識しつつもお客様デリバリー優先で手付かずの状態でした。ここに私が入社しまして、後述する取り組みを行いながら、立ち上げていきました。
こちらに私の稼働の45%を充てています。残りの10%は1on1や朝会などの組織的な活動をしています。
それぞれの役割をより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
最適化で成果が出せるマインドセットと環境
最適化で成果を出すマインドセット(批判的思考・完了即改善・メンタルモデルを2つ持つ)
DX人材が不足していると叫ばれている昨今ですが、最適化はスキルセットの前にマインドセットが重要です。
まずはじめに、仕事をする時、あなたの心の中にギャルを憑依させてください。
「これキャパくね?」
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10位は『キャパい』。キャパオーバーで焦っている時や、逆に感極まり高揚感がある時に使用される言葉『キャパい』。「終電逃して携帯失くして過去一キャパい」「推しの尊さキャパい」など、プラスの意味でもマイナスの意味でも、一言で「やばい心情」を表す言葉としてTwitter・Instagram・TikTok・リアルコミュニケーションにおいて人気を集めた。
このように「この仕事、生産性低いなー。」と思わないことには、最適化ははじまりません。
「この仕事、生産性低いなー。」とまでは一定の人が思うでしょう。そこから先、次の仕事に移るか、改善するかが大きな違いです。
ある仕事を1回したら、そのアウトプットを元にすぐにテンプレートやツールを作成してしまいます。
「何回かやって慣れたら改善しよう。」ではないのです。不毛な思いをするのは、自分だけ、1回だけで十分です。
点の改善も、繋げていけば線になります。
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私はある仕事を進めながらも、その仕事をする人格と、その仕事を最適化する人格の2つが同時に存在します。
仕事をしながら、よりよい方法が頭に浮かんでいるので、それをすぐにアウトプットにしてしまうのです。
アクセンチュア社のサービスに"伴走型BPO"というものがあるそうですが、1人でこれを行い、CS組織に広めていると捉えていただければと思います。
アクセンチュアBPOは単なる「業務のアウトソーシング」ではなく、業務受託後にお客様企業に代わってDigital BPRも駆使した業務効率化を実現する「業務効率化のアウトソーシング」である点が大きな特徴となっています。
最適化に向いた環境
スタートアップの仕事のほとんどは、その組織で誰もやったことがないか、誰かがやっていたとしてもやり方が不定か属人的であったり、必要な情報が十分に残っていないことがほとんどです。
生産性の低い仕事の仕方を最適化することを止める人間・抵抗勢力はおらず、説明して合意を取らなければならない役職者もほとんどいません。
自らがオーナーシップを持って、好きなように仕事の仕方(≒業務プロセス)を作り変えられます。最適化が捗らない理由がありません。あるとしたら、リソースの問題になるでしょう。
それでは、私が入社から9か月ほどで取り組んできたものの一部をご紹介します。
最適化のために行った取り組み例5つ
取り組み例を①~⑤の5つご紹介します。①~③の取り組みは前章で書いた「ある仕事を1回したら、そのアウトプットを元にすぐにテンプレートやツールを作成をしてしまいます。」の実例です。④、⑤は中規模、継続的な取り組みとなります。これらは私が入社した2022年2月から10か月ほどで行った取り組みの一部になります。
①マスタ設計・変換ツール
Loglassに限らず、経営管理・予実管理システムのデータの最小単位は部署x科目x年月であり、この領域のほとんどのシステムは部署と科目をマスタデータとして持ちます。
Loglassも同様に、お客様の既存の経営管理帳票(ビュー)の再現、あるいは新様式帳票の作成のために、組織図/部署マスタと科目階層/科目マスタを持ちます。
お客様の経営管理帳票や財務会計システムのマスタデータをインプットに、Loglassへマスタ登録しますので、その設計・変換を容易にするツールを作成しました。
Loglassのシステム仕様に関わりますので、お見せできず残念です。
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②契約更新シミュレーター
Loglassでは、サービスリリース初期のお客様はご契約3期目、昨年ご契約いただいたお客様はご契約2期目といった時期に入ってきましたが、見積もりもそこまで重いタスクではありませんでした。
今後、事業がスケールし、複数のCSが見積もりを出す頻度が高くなれば、見積もりのレビューですら重たいタスクとなります。
年月とサービス明細名、明細ごとの単価、数量を行列で表現した、特段技術力を必要としないスプレッドシートではありますが、見積もりの作成、レビューのコストを下げることに成功しています。
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③運用・活用計画書テンプレート
ログラスでは、オンボーディングプロジェクトが完了するタイミングで、お客様とLoglass運用・活用計画書を作成することがあります。以下に運用・活用計画書のアジェンダを公開します。
1. 本資料の目的と位置づけ
2. Loglass導入完了・運用移行判定
3. Loglass運用・活用計画
4. Loglass運用・活用体制と会議体
5. Loglass運用・活用アセット
6. ログラスからのご依頼
それぞれの詳細は明かせませんが、特に重要なアジェンダはLoglass運用・活用計画です。Loglassは一定の期間を区切りながらご契約いただくプロダクトであり、契約更新月までの計画をオンボーディング完了時点でお客様と合意するようにしています。
四半期のローリング予算策定であったり、年次で行う来期予算策定は確実に発生する運用タスクとして認識し、それ以外に経営管理の高度化テーマや、未使用のLoglass既存機能の活用や、大型機能リリースにあわせた動きなどを見通します。
契約更新のコミュニケーションをはじめる月をオンボーディング完了時点でお客様と握っておくとAdoption担当も動きやすくなります。また、期中もこの運用・活用計画書を元に振り返り、期待値調整を行います。
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④オンボーディングプロセス設計・完了条件定義
現在はCSOps、Adoptionに比重を置いていますが、入社して間もない頃はOnboardingの役割を担っており、3社のLoglass導入をご支援しました。
入社当時のオンボーディング経験と、今現在メインでOnboardingを担当している岡部さんへのヒアリング結果をあわせて、miroでオンボーディングプロセスの可視化を行いました。
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より具体的には、オンボーディングプロセスを6つのフェーズに分け、フェーズごとの完了条件を定義しました。
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それをすべてクリアすると、ライトサクセスが達成できるように組み立てられています。
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⑤サポートサイトの立ち上げ・運用
数か月前まで、Loglassは限られた機能の操作手順を記したPDFマニュアルしか存在しておらず、エンドユーザーがWeb上から機能や操作について知る手段が限られていました。
LoglassではZendeskというカスタマーサポートプラットフォームサービスを利用しており、サポートサイトもZendeskの機能を用いて構築しています。
前職でITソフトウェアのお客様に対して、顧客接点とユーザー支援コンテンツ群を設計した経験がありました。その経験を生かしてLoglassの利用において必要不可欠(エッセンシャル)なスコープを定め、記事カテゴリ・記事カテゴリ同士の関係、記事カテゴリごとの構成、ライティングルールといったものを定義し、サポートサイト記事を書き上げました。
それらの設計は、もちろん全社員が閲覧できるNotionに残されています。これにより、私の脳内にしか設計・ルールが存在しないという状態ではなくなり、CSやエンジニア、業務委託の方が新たにサポートサイト記事を書く際に、参照して書くことができます。
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NPSがプラス評価される
2022年秋のNPS結果
こうした取り組みを通じて、2022年10~11月に収集したNPS(ネットプロモータースコア)調査ではプラスの結果を得ることができました。もちろんすべてがCSの貢献ではなく、プロダクトの貢献、課題を解決すべきお客様を見つけてきてくれたマーケティング、セールスの貢献によるところも大いにあります。
NPS結果:4.08(推奨者スコア-批判者スコア)
批判者:16.33%
中立者:63.27%
推奨者:20.41%
NPSの概要や、NPSの結果がプラスだとなぜポジティブなのかは、以下を参考にしてください。
NPSは推奨度の指標
1. 顧客に、「この商品・サービスを友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか?」という質問に0~10点で回答してもらう
2. 10~9点と回答した顧客を「推奨者」、8~7点を「中立者」、6~0点を「批判者」として3つのセグメントに分類する
3. 推奨者の割合から批判者の割合を引く
また、NPSのスコアは基本的にマイナス値になるということについても、あらかじめ説明しておいた方がいいかもしれません。
特に、日本では欧米に比べてNPSが低くなりやすいとされているため、導入初期はスコアの低さを見て厳しさを感じるかもしれません。
一方で、ベイン・アンド・カンパニーのオフィスパートナーであるロブ・マーチ氏によると、日本人は5点満点なら3点、10点満点なら5点を選びやすい傾向があるようです。つまり日本人は迷った際に中間値を取りやすいとされています。NPSだと0~6点の批判者に分類される人が増えやすい要因でもあります。
詳細や定性コメントを公開することは避けますが、CSとして非常に嬉しいお声もいただいていますし、期待のお言葉もいただいています。2020年7月にサービスローンチして2年半ながら、こうした結果を残せたことを誇りに思っています。
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CS業務の最適化は、お客様デリバリにかける時間の最大化・提供価値最大化のための手段であることは決して忘れてはいけません。
サービス職としての心構え
コンサル会社にいた時代に、副社長が全社総会でこの言葉を壇上で語ったことを今でも覚えています。
Best Delivery, Best Sales.
お客様の現場のデリバリでベストを尽くすことが、1番の営業活動である、という意味です。
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コンサルタントは自身の単価が売上であり、給与などの人件費が売上原価です。一方、カスタマーサクセスは売上原価の考え方はコンサルタントと同じであるものの、売上はプロダクトのMRRに包含されています。
Loglassというプロダクトが働いていることは言うまでもありませんが、カスタマーサクセスも「カスタマーサクセス」を提供(デリバリ)することで売上、収益獲得に繋がっています。
以下のアンケート調査でも示されており、サービスビジネスに携わり続ける者として、この考えは持ち続けていきたいと考えています。
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最後に
18ヵ月後を見据えたログラスのCS組織におけるキャリア機会
最適化について語ってきましたが、現時点でもログラスのCS業務に問題はたくさんありますし、今後、事業と組織を大きくスケールさせていくために取り組まなければならないことは多くあります。
18ヵ月後を見据えて、いくつかログラスのCS組織におけるキャリア機会を挙げます。
アカウントセールス/カスタマーセールス
CS組織が生み出す収益に責任を持ち、お客様の契約更新や期中のアップセルをリードします
パートナーマネジメント/パートナーイネーブルメント
お客様のライトサクセスを達成するという役割はOnboardingと変わりませんが、Loglassの導入パートナー(コンサル会社やSIer)のパフォーマンスをマネジメントし、パートナーのLoglass理解の促進、その仕組み化といった業務をリードします
カスタマーサポート
一定のサービスレベルに沿ったお問い合わせ対応に責任を持ちます。
お客様のLoglass運用を効率的なオペレーションで支えることでLoglassの事業・組織スケールに貢献します
またVoCを回収し、開発チームに還元することで、プロダクトの進化に貢献します
問い合わせ分析を行い、効率化を検討し、またCSOpsにコンテンツ作成のインプットを提供します
OnboardingやAdoption、CSOpsのみならずこうしたキャリア機会もございますので、キャリアの選択肢のひとつしてお考えいただけたら幸いです。
Loglassの価値、ログラスの存在価値
これを最後にお伝えさせてください。
仮に、従業員3万人の企業の経営会議が2営業日早くなり、全社員がより生産的な活動に取り組めるとしたら、その企業で働く大人の48万時間の生産性が上がります。
その企業は他の企業よりも競争力が高まり、企業価値も高まりそうではないでしょうか。
経営管理クラウド"Loglass"が事業拡大し、導入企業が増えれば増えるだけ、こうした影響を日本に、世界に与えることができます。
「バックオフィス業務でも、経営管理や経営企画の仕事はよく分からないな。転職先にするのは違うかな。」と考えている方、待ってください。
期待値に殉ずるポーカープレイヤーが選んだスタートアップ、そしてお客様から推奨されるプロダクトを持つログラスでのキャリアの機会をぜひご検討ください。
カジュアル面談依頼も私のTwitterにDMくだされば日程調整させていただきます。
募集しているポジションはこちらのリンクよりご確認ください。このnoteを読んでくださったあなたのご応募をお待ちしております!
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明日は長崎出身・釣り歴30年、エンタープライズセールス松倉さんの記事なります!お楽しみに!
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