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9-3 ビール名所めぐり #3 ビール坂(神奈川県横浜市保土ヶ谷区)

前回のビアザケ通りに続いて「ビール」が地名についている場所を、動画と写真でご紹介します。今回はかなり体力的にキツい場所でした。名前は「ビール坂」というド直球な坂ですが、名前とまったく関係ない急坂でしたね~

地図をご覧いただくと、ビール坂は神奈川県横浜市保土ヶ谷区神戸町(ごうどちょう)から始まる住宅街にあります。周辺には観光名所らしい場所はもちろん、ビールに関する施設、ビール工場はおろかビアパプすらありません。何も関係するものが無いのに「ビール坂」だけポツーンと存在している感じです。ビール坂の動画(約6分半)は、下の埋め込み動画やリンク先からどうぞ!

ビールが地名についた旅 #2 ビール坂 - Youtube

とても急なビール坂は、いかがでしたでしょうか?

初めてここを通ると、相当な急坂なのでビックリすると思います。できれば迂回して通りたい道なのですが、この周辺はすべて同じくらいの急坂なので、緩い坂を通るには西に位置する保土ヶ谷公園経由でグルッと回るルートとなり2~3kmはロスします。ビール坂を通ればわずか550m。住民の方々は泣く泣く毎日、ビール坂を使っていることでしょうね。

さて、ここがなぜビール坂と呼ばれているか、写真も使ってご紹介します。


ビール坂の由来、周辺の歴史や写真

ビール坂の名前の由来になったきっかけは、明治時代に建設された東京麦酒の横浜工場です。エール系の桜田ビールを作っていたメーカーですね。動画のスタート地点にある横浜ビジネスパークの広大な敷地は、かつてのビール工場から始まり、その後は日本最大のビール用製瓶工場でした。私も子供の時に、父親に運ばされていた瓶ビールは、ここで作られていたのかも?しれないです。

1897(M30)年 東京麦酒 横浜工場を建設(新橋から移転)
1907(M40)年 東京麦酒が大日本麦酒に買収/製瓶工場に転換
1916(T5)年 隣接した土地に日本硝子工業が工場建設して創業
1920(T9)年 日本硝子工業が大日本麦酒に併合/日本最大の製瓶工場となる
1936(S11)年 大日本麦酒から日本硝子(現 日本山村硝子)が独立して同社の横浜工場となる
1985(S60)年 横浜工場閉鎖
1990(H2)年 横浜ビジネスパーク 第1期工事完成
※( )内の元号は M:明治 T:大正 S:昭和 H:平成 を示す

関連企業サイトにあった社史に関するリンクも貼っておきます。

ビール工場やその製瓶工場があって周辺の目印だったので、その裏手にあった急坂の愛称として「ビール坂」が自然と定着したのでしょう。西暦不明だったので上には書かなかったですが、懐かしのリボンシトロンもこの工場で作られていたそうです。

JR横浜駅から相鉄線に乗り換えて天王町駅 YBP口から徒歩5分です
奥のデカい建物が横浜ビジネスパークです
横浜ビジネスパークからビール坂(白いクルマが数台並んでいる道)方面の景色
このモニュメントを目印にビール坂へ向かいます

古い資料から見るビール坂周辺

相鉄線 天王町駅は大規模改修工事のまだ最中でして、その工事中の壁に周辺の歴史や今後に変わっていく姿を示す数々の資料が展示されていました。この中に、大日本麦酒やビール坂がバッチリ描かれていました!

相鉄 天王町駅 星天いまむかし写真展
古い資料から、ビール坂中心に拡大しました
Google Map で見ると古い資料との位置関係が完璧に一致!

古い資料の構図に合わせて、Google Map の航空写真を角度を変えてみたところ、位置関係が完璧に一致したので感動しました! この資料はとても精密に描かれていたんですね~

この資料によると、ビール坂はこの当時、道の両脇すべてに桜が並ぶ素敵な急坂だったようです。少し左にある「富士見丘住宅」辺りは10年ほど前までは桜並木が残っていたので、きっとそうだったのでしょう。その時の桜が舞い散る様子とか夜桜だとか、見てみたかったなー

ビール坂の途中や頂上付近の写真

ビール坂自体の風景は動画を観ていただくとして、動画にはない視点からの写真を数点、ご紹介します。

ビール坂途中にある住宅 家に入るための階段が本当にすごい!
ビール坂の道標

この道標に書かれていたテキストを下記に写します。

神戸町には、明治・大正時代から昭和にかけて、この
辺りに湧き出る清水を利用してビールを製造する会社や、
後に日本最大となる製瓶工場がありました。
それが坂の名前の由来といわれています。

神奈川県横浜市保土ヶ谷区月見台にある「ビールざか」道標
頂上の月見台交差点からビール坂を見た写真 急な下り坂で道路が見えない。。。
月見台交差点から東に少し進むと横浜ランドマークタワーが見えます!

ビール坂の頂上にある月見台交差点は「学園通り」という通りにあり、周囲の坂道が集まる頂点みたいな場所です。ちょっと東に行くと横浜ランドマークタワーが見えたりして、とても景色の良い高台ですが、ここに着くまでに登らないといけないのが本当に大変です。

月見台交差点からビール坂を下る際は、写真の通り、下り坂が見えないまま道の無いところに向かってクルマを走らせる感じになるので、慣れないと恐怖を感じます。全体的に道幅も狭いし、事故が起こりやすい道路だと思いますが、地元住人はビュンビュンとクルマや二輪を走らせますね。

この「ビール坂」の紹介は以上となります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

実は、この場所は私の地元です(笑)。歴史の部分にもありましたが私の幼少期の頃は、日本硝子だけでなく大きな工場がいくつもありました。今は完全に住宅街になりましたが、この周辺にある大きなマンションは何らかの工場跡地に建っていると思います。今回は地元のことをビール好きの視点から学び直す良い機会でした。

学生時代はビール坂近くの学校に通ってましたし、学園通りは国道16号が渋滞するため、今もクルマだと抜け道的に通る場所ですが、ビール坂にはまったく用が無いので、これまで一度も通ったことがありません。こんな機会が無ければ今後も通らなかったでしょう。それと予想以上に坂がキツかったのと道幅が狭くて怖いので、もう二度と通らないでしょうw まだマシな周辺の坂を通るだろうと思います。雪が降った時とか想像するだけで恐ろしいビール坂でした😅

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