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9-1 ビール名所めぐり #1 ビヤホールライオン 銀座七丁目店

ビールにまつわる知識があると知っていると、より一段とビールが美味しく感じるものです。また日本ビール検定(びあけん)には、ビールにまつわる名所が設問によく出ますので、これからいくつか、ビールの名所についてご紹介したいと思います。

最初のビール名所は、ビヤホールライオン 銀座七丁目店です。ご存じの方も多いと思いますが、こちらは現存する日本最古のビアホールです。1934(昭和9)年に開業したので 2022(令和4)年で 88周年を迎えた年に、登録有形文化財として登録されました(参考:公式サイトのニュースリリースPDF)。

第二次世界大戦の空襲をくぐりぬけ、創建当初の姿を多く残す貴重な文化財として、いつまでも残っていてもらいたいです。


店内の様子を詳しく知るなら、ドラマ「名建築で昼食を」の第3話

営業時間中に実際に訪れてもらうのが一番良いですが、その機会が無くても銀座7丁目店の店内をすごく詳しく知る方法があります。2020年に放送されていたドラマ「名建築で昼食を」の第3話で、この銀座7丁目店の1階ビヤホールと6階の大宴会場が、美しい映像と詳しい解説付きで隅々まで紹介されています。

Amazon Prime ビデオに加入されている方であれば、このテキストリンク(ドラマ「名建築で昼食を」)から観ることができますので、ぜひご覧ください。

ビヤホールライオン 銀座7丁目店の歴史など

銀座7丁目店の歴史をまとめてみると、
1918(大正7)年 7月5日、銀座ビヤホール開店。2階建て。
1923(大正12)年 関東大震災で焼失。木造2階建てで再建。
1934(昭和9)年 現在のビル完成。4月8日開業。
1945(昭和20)年 接収され9月11日、進駐軍ビヤホールで営業再開。
1952(昭和27)年 接収解除。1月1日から一般人も入場可能になった。
1963(昭和38)年 2階を「ラッキー・セブンコーナー」として開店。
1972(昭和47)年 2階を閉鎖。
1978(昭和53)年 建物全体の改装。主に厨房設備を近代化。
2002(平成14)年 耐震補強工事を実施。
2022(令和4)年 国の登録有形文化財(建造物)に登録。
となります。

1934(昭和9)年に建てられた現在のビル設計者は菅原栄蔵氏で、施工は竹中工務店です。当時の大日本麦酒株式会社の本社として新築され、1階でビヤホールが開店されました。1978(昭和53)年にサッポロビール本社が隣に社屋を移転した際、内装の雰囲気に配慮しつつ建物全体の改装が行われたそうです。

ビヤホールライオン 銀座7丁目店の写真(2022年5月)

ビヤホールライオン 銀座7丁目店 正面(歩行者天国中)
ビヤホールライオン 銀座7丁目店 裏側 看板でフロア構成が分かる

1階ビヤホールの内装のテーマは「豊穣と収穫」で、正面の大壁画は右側が古代で左側が現代を表し、左側の背景には当時の恵比寿ビール工場が描かれていると言われています。柱は麦を、照明は葡萄、壁には様々な花のガラスモザイク画が描かれていて「豊穣と収穫」を全体で表したような内装となっています。

1階ビヤホール風景 奥にあるのが大壁画 その下に厨房があります

創建当時の天井は白色だったそうで、店内にその当時の写真が飾られています。白い照明はビールの泡を。色付きの照明は葡萄をイメージしているそうです。

緑の柱は麦の茎 今は黒くなりましたが創建当初は白くて麦の穂をイメージ
たくさんある花のモザイク画とオレンジの壁は大地をイメージしています
窓のしつらえはレトロモダンでカッコいい
ちょっと出っ張っているのはエアコンの噴き出し口で上向きに風が出ています
このホールが表している「麦畑」の中で飲むビールは格別です!

これらの写真は、1階ビアホールに入ってすぐの左角の辺りから撮影しました。最後の写真の右側にショーケースがあり、いろんなお土産が置いてありました。美味しいビールと酔った頭に連れられて、ついつい衝動買いしたくなります。昔から商売上手ですね。

ビール好きには、絶対に訪れて欲しいビヤホール

このビヤホールで飲むビールは、まさに「格別」でした。

冷えたビールが美味しいのはもちろんなんですが、黒くて高い天井の荘厳さを感じさせるビヤホールの中にいて、他のお客の声やビールや料理を運ぶ店員さん達でざわざわと賑わっている雰囲気で、外に広がる「華やかな銀座」とは壁を隔てたような、壁からにじみ出てくる昭和感にタイムスリップしたような、そんないろんな想いに浸りながらジョッキでビールを飲める、まさに日本にここしかない特別な店舗なんだと思います。

ビール好きなら、ぜひ一度は訪れてみてください。ライオン銀座7丁目店ならビールだけじゃない、いろんな味わいを楽しみながら美味しいビールがいただけます。

【追記】ついでにライオン銀座5丁目店もご紹介

2022年5月現在のビヤホールライオン銀座5丁目店 入口(地下1階)

銀座7丁目店から徒歩3~4分くらいのところにある銀座5丁目店ですが、1911(明治44)年から営業を開始して、銀座ライオンの名前の由来となった由緒ある店舗です。

1911(明治44)年 築地精養軒が「カフェー・ライオン」を開店
1939(昭和14)年 隣地を併合して2階建てに改築し新装開店
1945(昭和20)年 東京大空襲により焼失
1946(昭和21)年 バラック(仮設)建てで営業を再開
1949(昭和24)年 店名「銀座ライオン」が誕生
1952(昭和27)年 新装開店
1970(昭和45)年 サッポロ銀座ビルの建て替えに伴い店舗を地下に移す
2016(平成28)年 ビル建替えにより新装開店
2019(平成31)年 「ライオン 銀座5丁目店」リニューアルオープン

銀座のど真ん中で、東京メトロ銀座駅に直結で営業しているだけあって、ビル建替えの移り変わりが多いですね。こちらも大人気の店舗なので、ぜひ訪れてみてください。

ビヤホールライオン 銀座7丁目店への行き方/交通手段

  • 東京メトロ銀座線 銀座駅(A3, A4出口)から徒歩3~4分

  • JR 有楽町駅から徒歩10分

  • JR 新橋駅から徒歩10分

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