日本人の謎の大量死「超過死亡」〜今すべての要因を洗い直す〜
こんにちは、医師・医療経済ジャーナリストの森田です。
今、日本人の間で「謎の大量死」が発生していることをご存知でしょうか?
グラフで見るとこうなります。
予測される死亡数より、
・2021年は約2.6万人
・2022年は約13.7万人
・2023年は約12.6万人
増加していますね。
これは、阪神・淡路大震災や東日本大震災の時より遥かに大きなものになってしまっています。
あまりにもとんでもないことが突然発生したおかげで、ネットでは
21年から始まった「コロナワクチン」のせいではないか?
と大騒ぎになっていますが…。
一方、これほどの大事件なのに大手メディアでは(スポンサーなどの問題で?)殆ど触れられず、残念なことに何故か新たな「ジャニーズ問題化」してしまっています…。
ということで今回はこの要因について、先入観なし・忖度なしで、考えられる要因・可能性のありそうな要因を一つ一つ潰していこうと思います。
考えるのは
以上5つです。
1,人口が高齢化しているから?
これは明らかに違います。
というのも、上記の死亡増加のグラフには高齢化の影響も含まれているんですね。
こちらの赤丸部分が、通常の高齢化に伴う死亡増加です。
日本の人口はコロナ以前から高齢化が進んでいて、当然高齢者の人数がどんどん増えています。
残念ながら高齢者の方々は死亡リスクの非常に高い方々ですので、高齢者数が増えれば必然的に死亡数も増加します。その増加ペースは毎年2万人くらいでした。
それが赤丸の部分の意味。
そして右上がりに書かれている青い線は、その予測される増加ペースを意味しています。
で、今回問題の日本人の大量死(予測値以上の死亡=超過死亡)はその青線を遥かに上回る、毎年12~13万人の死亡増加になっているわけです。
(再掲)
ということで、死亡数増加の要因として「高齢化」はまずない、と言っていいでしょう。
2,新型コロナの流行でコロナ死亡が増えたから?
これは、上記のグラフの中にも記載されているとおり、22年,23年の12−13万人の死亡増加のうち、3〜4万人程度が新型コロナ感染による死亡となっています。
なので、死亡増加の大きな要因である、と思ってしまいそうですがここで考えなければいけないのは、近年「肺炎死」が激減しているという事実です。
出典: MedicalFacts.info/https://medicalfacts.info/cod.rb?l=ja&years=2012~2013~2014~2015~2016~2017~2018~2019~2020~2021~2022&ages=all&sex=both&graph_type=yearly_reg_2020&top=none&columns=4&death_codes=all~02108~02112~02114~02119~09300~09301~09302~09303~09304~10200~10601~14100~14200~14201~14202~14203~14300~15000~18100~20100~20101~20102~20103~20104~20200&align_max=&per_capita=&adjusted=&i=false
以前は10−12万人の死亡があった「肺炎死」ですが、コロナ元年の2020年からは7万人台にまで減少しています。(2017年の減少は死因分類に「誤嚥性肺炎」が追加され、一部がそちらに移行したからです)
2020年から大きく減少した分は、おそらくPCR検査などで正確に「新型コロナ」と診断できるようになったために、これまでおおまかに「肺炎死」として扱われていたものが、統計上「コロナ死」とカウントされ、そちらに移行しただけと考えられます。
数値的にも大体一致します。
2020年から新たに現れたコロナ死が年間3〜4万人、2020年から肺炎死も約3万人減少(2016年から数えると約5万人の減少)していますので。
なお、そもそも22年,23年の12−13万人の死亡増加のうち、新型コロナ感染による死亡は3〜4万人程度で、つまりその大部分の約9万人はコロナ死以外の死亡なのです。しかも、そのコロナ死でさえ殆どが従来の「肺炎死」からの統計上の移行の可能性が高い。
となると、「コロナ死」が日本人の死亡増加の大きな要因として考えるにはかなり怪しいと考えざるを得ないでしょう。
3,コロナで医療逼迫して助かる命も救えなかったから?
これも有り得そうな要因ですが、おそらく違うでしょう。
というのも、今回の死亡増加のうちで一番多い死因は「老衰」(約5万人増加)なのです。
出典: MedicalFacts.info/https://medicalfacts.info/cod.rb?l=ja&years=2012~2013~2014~2015~2016~2017~2018~2019~2020~2021~2022&ages=all&sex=both&graph_type=yearly_reg_2020&top=none&columns=4&death_codes=all~02108~02112~02114~02119~09300~09301~09302~09303~09304~10200~10601~14100~14200~14201~14202~14203~14300~15000~18100~20100~20101~20102~20103~20104~20200&align_max=&per_capita=&adjusted=&i=false
「老衰」はそもそも老化の末の自然死で、「医療で助けられる命」ではありません。ですので、この老衰の部分に関しては「助かる命も救えなかった」から死亡が増えた、と考えるのは不自然です。
また、老衰以外でも「医療逼迫して助かる命も救えなかった」とは考えにくいです。
というのも、そもそもみなさんが思うほど医療が逼迫していないからです。
コロナ禍で志村けんさんがECMO(血液の中に酸素を送り込むすごい機械)で救命処置を受けたり、TVで救急救命室の必死な様子が映し出されたりしていたので、そのようなイメージが強く印象に残っているかもしれませんが、今は医療は逼迫していません。
こちらが、全国のECMO実施件数の推移。
2021年に全国で最大160台以上稼働していたECMOですが、実は日本人の死亡数が激増した2022年から23年はほぼ使われず、多くて20台、殆どの時期で10台以下しか稼働していません。(ECMO NETは5類に移行した23年の途中から稼働数の発表すらやめてしまいました。)
この稼働数で、「コロナ流行のせいで医療逼迫」と考えるのは無理があるでしょう。
もちろん、ECMOまで至らないような軽症例が激増して医療が逼迫、ということも考えられなくもないですが…
しかし、軽症の風邪が流行ったから医療逼迫して助けられる命を救えない、なんてことがもしあるのならそれはもう感染症の問題ではなく、医療システムの問題です。
コロナ以前、年間で数千万人罹患していたと言われるインフルエンザでも医療崩壊は起こっていなかったのですから、「軽症患者の殺到で医療崩壊」もまずありえません。
ということで、「コロナで医療逼迫して助かる命も救えなかったから?」も違うでしょう。
4,感染対策の影響で高齢者の体力が低下したから?
上述の通り、今回の死亡増加のうちで一番多い死因は「老衰」(約5万人増加)です。
ですので「高齢者の体力低下からの老衰増加」は、あり得そうです。
ただ、その老衰増加の原因が「感染対策」なのか?
それともここ最近で始まったなにか他の原因(ワクチン?コロナ感染?)なのか?
についてはデータが無いのでなんとも言えません。
どんな優秀な医師でも、老衰死の原因を突き止めることは出来ませんから、データも存在しないのです。
ただ、たしかにデータはないのですが、やはりここ数年の厳重な感染対策が高齢者の方々の体力を奪ってしまったのは想像に難くないところです。
高齢の方々が多く入院している病院や高齢者施設では今も「面会制限」「外出制限」などの厳しい感染対策が実施されているところが殆ど。この状況では、高齢者の皆さんの移動能力や意欲・体力全般が失われていってしまっても不思議ではないでしょう。
ということで、不確かながら「感染対策の影響で高齢者の体力が低下したから?」は、データがないのではっきりとしないものの、無視は出来なさそうです。
5,コロナワクチンの影響?
2021年から始まったコロナワクチン接種。
「自分のために、みんなのために」
「思いやりワクチン」
などとメディアで大々的に宣伝されたので、しかも「95%効く」という触れ込みだったので、多くの国民が接種したのは御存知の通り。
ただ、非常に残念なことですが、日本では
「打てば打つほど感染が広がる」
という結果でした。
特に3回目の追加接種からその傾向が顕著に表れ、グラフにするとこんな感じに。
青線が、ワクチン接種者数の波
赤の波が「コロナ感染者数(検査陽性者数)」の波。
最初の波以外、ワクチン接種と感染増加の波が完全に一致してしまっています。
あれ?打ったら感染増える?
95%効く(感染が減る)んじゃなかった?
実は95%と言っていたファイザーの治験データ。あれは、
「ワクチン接種後2週間はまだ抗体ができていないから、その時期に感染した人はデータから除外します」というものだったのです。(通称魔の2週間)
そしてなんと、多くの日本人がその接種後2週間で感染してしまっていた、ということが事実としてデータから読み取れます。
まさかこんな結果になるなんて誰も予想していなかったと思います。当のファイザー社も予想していなかったでしょう。
でも、これが現実です。
「いや〜、でもテレビでそんなこと言ってないし…。ホントかな?」
という疑い深い方のために、公式資料を見てみましょう。
こちらは厚生労働省の公式資料です。
青線が、ワクチン接種者数の波
赤線が「コロナ感染者数(検査陽性者数)」の波。
これを見ると、やはりワクチン接種と感染者数の波は連動しているように見えます。
しかもグレーの棒グラフが「超過死亡数」なのですが、なんとこちらもほぼほぼワクチン接種・感染者数の波と連動しています。
「打てば打つほど感染者が増え、超過死亡も増える」
という大変残念な結果が読み取れるのです…。
テレビしか見ない方々はこんなグラフは見たことないかもしれません。
「新たなジャニーズ問題化」していてテレビ局も放送できないので、それも当然だと思います。でも、これが国が公式に発表している事実で、その結果として、東日本大震災の3倍もの甚大な死亡増加が2年も続いてしまったのです。(今年もほぼ同じペース)。
(再掲)
ただ、このグラフでわかるのは単純な相関関係で、因果関係を証明するものではありません。
たしかに、
「いやそうじゃない、ワクチン接種と超過死亡は関連がない」
というデータもあります。
それがこちら、
ワクチンと超過死亡に関連がないと主張する方々は皆さんこのような「都道府県別」のグラフを提示して論を展開されることが多いようです。
ただ、このようなグラフには限界があります。
というのも、これらは
・都道府県の高齢化率の違いが考慮されていない
・人口の少ない県も巨大な県も同じ一つの点として処理されている可能性が高い
・人口の大きな県だけで見ると、ほぼ相関関係が見られない(そもそも提示したこのグラフには相関係数が書いてない)
・分析の対象時期や年代などを恣意的に切り取ることができる
などなど。
実際、20代の死亡、2021年4月〜2022年1月で分析すると、逆の結果になります。
つまり、これらの都道府県の散布図を使ったグラフで、厚労省の公式資料で見られている
「ワクチン接種の波」と「感染者数の波」と「超過死亡数の波」がほぼほぼ連動して推移している
という相関関係を否定するのは少し厳しいように感じます。
ということで、日本人の謎の大量死の原因として「コロナワクチンの影響?」は、100%の立証は出来ないもののかなり「かなり怪しい状況証拠」と言えそうです。
まとめ
以上、5つの可能性の是非をまとめると、こうなります。
1,人口が高齢化しているから? → ✕
2,新型コロナの流行でコロナ死亡が増えたから? → ✕
3,コロナで医療逼迫して助かる命も救えなかったから? → ✕
4,感染対策の影響で高齢者の体力が低下したから? → △
5,コロナワクチンの影響? → ◯よりの△
「✕とか◯とか△とか曖昧のこと言ってないではっきりしろ!」
という声が聞こえてきそうです。
でも、実は今回僕が言いたいのもまさにそれなのです。
この「日本人の謎の大量死」という前代未聞の大事件の原因として最もネットで騒がれている「ワクチン」の当否を究明をするには、単純に
・ワクチン接種した人の死亡率
・接種していない人の死亡率
を全国データで集計・分析すればいいだけの話です。
・国は国民の誰がいつワクチンを接種したかのデータ(VRS)を持っています。
・また、国民の誰がいつどこで死亡したのかのデータ(戸籍の死亡届)も持っています。
それらのデータを付き合わるだけで、この「ワクチン疑惑」の解答が得られるのです。
もちろん、お金も労力もかかることになります。
でも、これくらいのことは、コロナ対策にかけた300兆円?もの巨大予算のほんの一部、そのうちの使途不明金11兆円?のほんの一部を使えばできるでしょう。
「日本人の謎の大量死」という前代未聞の大事件を前に、これをやらない理由は一つも見当たりません。
それくらいのことは誰にでもわかることのはずなのに、なぜそれをやらないのでしょうか?
「新たなジャニーズ問題化」
などと言って終わらせて良い問題でないことは明白です。
真相がどこにあるのか、せめて調査だけでもするべきです。
もちろん、これはメディアだけの」問題ではなく、ワクチン接種事業を強力に推進してきた「医療業界」や「政府・厚労省」の問題でもあります。
医師も政府もメディアも、本当に
「国民の命を守る」
その覚悟があるのなら、この「日本人の謎の大量死」に全力で取り組むべき…
そのことに疑問の余地はないのですから。
夕張に育ててもらった医師・医療経済ジャーナリスト。元夕張市立診療所院長として財政破綻・病院閉鎖の前後の夕張を研究。医局所属経験無し。医療は貧富の差なく誰にでも公平に提供されるべき「社会的共通資本」である!が信念なので基本的に情報は無償提供します。(サポートは大歓迎!^^)