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人間を救うのは、人間だ。

「人間を救うのは、人間だ」

これは、私が好きなキャッチフレーズのひとつです。どこかで見た、赤十字のポスターのキャッチフレーズだと記憶しています。
人間を救うのは、マーベルヒーローやバットマンやスーパーマンではなく、同じ人間しかいない。現実には「超人」と呼べるヒーローは存在しない。


人間にも、いろいろな種類があります。

自分の事しか考えていない人。

他人のことしか考えていない人。

いじめをする人。

いじめられる人。

人を騙そうとする人。

人に騙される人。

未来に希望を抱く人。

未来に絶望を抱く人。

生にしがみつく人。

死を望む人。

数えたらきりがありません。時々、宇宙広しといえどこれだけ複雑な感情や思想を抱く「人間」という種族は地球にしか存在しないのではないかと錯覚するときがあります。しかし、だからこそ不安定で弱い人間という存在は興味深く、愛おしくも感じます。そうでなければ、この世に素晴らしい「作品」が産まれることはなかったのですから。

戦争や争いという概念が一切ない平和な世界であれば、三国志も、戦国時代も、戦争映画も、ヤクザ映画も、スターウォーズも、ガンダムも、この世に生まれることはなかった。だからといって、戦争を肯定しているわけではありません。


しかし、黒は黒で切り捨てるのではなく、そこから何が産まれるのか、そして何が産まれて今の生活を豊かにしたか、事実は事実として受け止めなければいけません。

「清濁併せ吞む」

この世界は、これに尽きるのではないかと思います。素晴らしい人間もいれば愚かな人間もいる。人を蹴落とすのも同じ人なら、蹴落とされた人を救うのも同じ人。

戦争を始めるのが人間なら、戦争を終わらせるのも人間。
偉そうに語っているものの、しかし、戦争の「本当」の凄惨さを知らずに対岸の火事と眺めている私自身は、やはり「愚かな人間」のひとりだと痛感するときがあります。


思想も正義もバラバラな人間。そんな人間が本当に真の意味で団結するのは、おそらく人間以外の「地球外生命体」が地球を侵略したときではないかなあと妄想しています。

もしくは、未曽有の大災害が訪れたときでしょうか。もちろん、そんなことは起きないに越したことはないのですが、万が一、そうなってしまったときはこの言葉を心に刻みたいと願って止みません。

「人間を救うのはヒーローじゃない。人間を救うのは、人間だ」


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