スペンサー・ジョンソン『チーズはどこに消えた』シリーズで読書会する方法

読書会ファシリテーターを始めて11年… 読書会に定着するまでの企業研修の3年を併せて約14年間、毎月欠かさず平均5-6回を開催して来ました。使用した本は30冊以上… ドラッカー、アドラーでの両巨匠でそれぞれ5-6冊、続いてスペンサー・ジョンソンが4冊、その他いろんな名著を月に1章ずつ読んで来ました。

今回はスペンサー・ジョンソンの『チーズはどこに消えた?』『迷路の外には何がある?』『頂きはどこにある?』の3冊を使った時のことをご紹介します。

スペンサー・ジョンソン氏は、医学博士・心理学者であり、短編の小説を活用し、人間のマネジメント能力を紐解いた著作家の1人です。2017年に78歳でこの世を去りましたが、今でも名著が世界で売れ続けています。ドラッカーへの尊敬を表し、マネジメント研究者の中でもその功績は認められています。

スペンサー・ジョンソンの著作は、100ページ前後の本が多く、確固たる章割がないんで、読書会でどう扱うかいろいろ考えました。結果、4回の読書会に分け、3冊を12ヶ月、1年で読み進めることにしました。4回ですので「起承転結」のような構成かと思われるでしょうが、「序破急」「守破離」のような構成だった気がします。

具体的には、「まえがき」など本文前で1回、本文を前後半で1回ずつ、本文後の「まとめ」などで1回。読む量は毎回異なりますが、本の構成と内容・展開上、意外と4回でまとまりました。1回で全てを読む会もあるでしょうが、分けた方が理解がどっと深まり、今でも多くの方が覚えているくらいです。

あとは登場人物に寄せる読み方をしてもらうのも面白いですね。ロールプレイングな読み方は幅が出ますので、意外な気づきにもなりやすいんです。『チーズ…』の場合は、特徴が出ますので、自分だったらって読み方はもちろん、反対側の登場人物の思いが少しでもわかることで読み深まるのが醍醐味だったりします。

『チーズ…』の後は『迷路…』に続き、お話も続いていますので、非常に進めやすいんです。また、その後どうなったのかを想像した参加者が多く、つながりと話の展開に読みやすく、学びやすかったと講評をいただきました。『頂き…』はお話が変わりますが、視点と視野の変化にマネジメント観が増し、読書会で話しやすかったという声が多く、スペンサー・ジョンソンのシリーズ完結にふさわしい本でした。

それぞれの動き・心理変化・ものの見方が投影され、マネジメントの醍醐味を味わうことができるシリーズとなりました。3冊をまとめることが大事ですね。

ぜひお試しください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?