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チャランポラン

ペルシャ語で街をほっつき歩くことを 
チャランポランと言うらしい 
その町では
常に二日酔いの男が
頭を雑念で満たして
売れない小説を書いたりしていた
彼の住むアパートは
水漏れし部屋に虫が出現し
困惑している
街にはいくつかの謎がある
市長が本当に人間かどうか
地下道に兄が住んでいるのではないか
あと三年で宇宙人との賃貸契約が切れるなど
荒唐無稽なものばかりだが、
男はその謎を解こうと果敢に挑み
森の中に
ある扉を見つける
そこには古代文字で
2028年まで開くなと書かれているが
大学の古代文字研究家と
いっしょに 古い城壁の 南側の向かって右から3番目下から5番目の石を外して
鍵を見つけ
祝杯をあげ 女を買い
次の日の朝 
タブーを破る
そこに現れたのは
マルチワールドが可視化できる装置であり
過去も未来も特定の時と場所の
様子がわかる可視化メガネだった
男はそれをかけて一晩過ごし
次の日
死体で見つかる
その後そのメガネをめぐっていくつかの殺人事件があり
男と同姓同名同じ顔の探偵が
犯人を探し始める
ベートーベンの三つのラズモフスキー弦楽四重奏
がかかる
対位法の物語が進行していく世界で
人々は 混乱し 狂気におちいり
ゲームのように殺人を犯し続ける
最後の1人になった
探偵が見たのは
山の奥から
立ち昇ってくる
巨大な円盤だった
それは、一時たりとも同じ形を留めない
不確定性のフォントファントム
チャランポラン
だったのだ

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