僕のイギリス旅 「ライ」~vol.3~
朝、少し早起きしてカメラ片手にライの町を散歩することに。
簡単に部屋で朝食を済ませて、部屋を出た。
マーメイド・インを出ると、外の澄んだ空気が心地いい。
ロンドンの朝は、車のクラクションや人の話し声で一気に日常の喧騒に引き込まれるが、ライの朝はのんびりとしていてゆっくりと一日が始める。
だからといって、特別に行きたい場所もないため、適当にプラプラすることに。
そう思ってふと足元を見るとカモメがいた。
海が近いせいだろう、海鳥と出会うとは。
人に慣れているせいか一向に飛び立とうとしない。
カモメもまた、一日をスローに始めるのだろう。
ライ城を起点とした城下町であるライには、もちろん城門がある。
レンガ作りの立派な門だ。
これも600年以上前に建てられたのだろうか。
ライの町は小高い丘の上にある。そして、その丘の最も高い位置にライ城があり、城下町を見下ろすように建っている。
イギリス湾を遠くに眺めるように位置するライの町は、フランスからの防衛的役割から港町として発展した歴史がある。
そのため、平坦な土地ではなく、遠くを渡せる小高い丘を取り巻くように町が形跡されているのだ。
そんな丘の斜面に建てられた民家の数々。
町を歩いていると、至る所でイギリスのユニオンジャックがはためいているのを見にする。カナダでも同じように国旗を吊るしている家をよく目にするが、これは愛国心が強いからなのだろうか。
日本では、国旗を飾っている家を見ることはないが、この違いは一体なんだろう。
歩いていると熱くなってきたので、アイスクリームを買うことに。
ライの町で唯一にアイスクリーム屋さんに立ち寄った。
僕の悪い癖だが、食べ物を撮り忘れることが多い。
我慢できずに撮るよりも先に食べてしまうのだ。
このままだと現地の食事を記録することができないため、気をつけたい。
アイス片手に川沿いを歩くことに。
引き潮によって水がほとんどないが、ボートがいくつか停泊していた。
海が近いからだろう、休みの日にはセーリングをして過ごしているのかな。
ワンちゃんと一緒に川沿いのベンチでくつろぐ人も。
せかせかと生きる人もいない、ゆるやかに時が流れる空間が落ち着く。
やはり、生粋の田舎者はロンドンのような都会は合わないなと思った。
最後に高い所から遠くを眺めたいと思い、丘を登って高台に向かうことに。登っていく途中、公園のような広場を見下ろす場所に来た。
斜面を登り、ライ城の裏手にやってきた。
これがライの町の果てからの景色。
遠くまで平坦で広大な土地が広がっている。
僕はここからの景色を眺めながら、Kodalineの「High Hopes」を聴いた。
メロディーがのどかなライの風景によく合う。
いつかまた戻ってきたいと思いながら、ただ目の前に広がる風景を見つめていた。