真の課題は何か?
こんな話がありました。
営業セクションを管轄する部署に、手練れの営業経験者が配属された。そこでは売上が上がらずに困っている、「営業の人間がスキル不足」だという課題が持ち上がっていました。
配属された彼が、経験に基づいて最初にやったこと。自ら営業先リストに基づいて現場を回ってみたんですね。すべてを現場のせいにする状況に違和感を覚えたわけです。
すると彼は、リストにあった企業が軒並み廃業していたこと知りました。つまり、訪問先がそもそも減っていた、という事実がわかったのです。これで数字を上げろなんて、無理な話です。
「いったい、仕事をしていないのはどこの誰?」。リストの精査からやり直した彼により、営業数字が急回復していったのは言うまでもありません。
これが課題です、と与えられた場合、ほんとうにそうなのか、いったんは疑ってみる。疑うまでしなくても、そこにいたった背景を確認してみる。これを私も、密かに意識するようにしています。
時には相手方から「この私を信じないのか!」と怒りを買うこともあります。でも課題は実は、仮説かもしれない。表面的な現象のスケッチかもしれない。
すべてはアセスメントから。現場取材をさせてくれ、と私がプロジェクトの始まりにお伝えするのは、こうした事実を知っているからです。もちろん、課題を体感する意図もあります。
なるほど、これか・・・!と、思いを共有する、言い換えればお客さまに憑依する意味でも、現場周りは重要ですね。
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