〈詩〉夜想曲20番を聴きながら
若かりしころの恋愛たち
思い返すたび
心のひだの深いところ
絶対零度の冷たさが
瘡蓋を剥ぐ
好きだよ
愛しているよ
ひらひらとした言葉を吐きながら
好きだったのはその人の顔
愛していたのはその人の身体
決して
その人自身ではなかった
なぜそんな軽い恋愛をした?
なぜ全身全霊でその人の全てを
愛せなかった?
ごめん、みんな
ほんとにごめんね
ほんとに情けないちっぽけな僕でした
この痛みを
償いだと思いながら
あともう少し生きてみます
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