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新卒PdMからしか得られない栄養素

マイベストの坂田(@HirotoshiSakata)です。プロダクト部でプロダクトマネージャーをしています。

今年のアドベントカレンダーのテーマは「マイベスト社員が選んだ、会社のおもしろいところ」です。
このnoteでは『新卒PdMからしか得られない栄養素』と題して、新卒PdMというキャリアについて書きつつ、新卒PdMが多く活躍しており、引き続き採用もしているマイベストという環境についてもお話しします。

誰に向けて書いているか?

新卒でPdMのキャリアを考えている学生や、新卒でPdMになって頑張っている方がメインです。

新卒PdMは

  • 色々やることがあるのに、何の経験もなく、全部が手探り

  • 開発・デザイン・Bizdev経験のある中途のPdMは強みがあってうらやましい

  • 本を読むとプロダクトマネジメントのやり方がは書いてあるが、すまん、それどころではない

など大変なことが多いと思います。
自分も新卒でソーシャルゲームを運営する会社の企画職としてキャリアをスタートしており、他職種の業務経験がないままにPdMになったので、苦労しました。
避けられる苦労は避けるのも手ですが、その苦労の先に得られるものを知っていると、少しは頑張れると思うので、私の考える『新卒PdMからしか得られない栄養素』が何かを書いていきます。

結論

私の考える新卒PdMからしか得られない栄養素は
『手段にとらわれずに成果を出す経験』です。
抽象的な表現ですが、具体的にどういうことか解説します

前提:PdMのスキルについての考え方の紹介

その前に一般的にPdMのスキルがどのように捉えられているかについても、ここで触れます。
PdMのスキルやキャリアを考える中で、「プロダクトマネジメントトライアングル」を見たことがある方は多いと思います。


この三角形です

以下に引用を載せますが、この記事中でのPdMの役割は、プロダクトにおいて必要な箇所・不足している箇所を特定し、必要であれば自分で埋め、もしくは役割を埋める方法を探すことで、プロダクトづくりを機能させることと解釈できると思います。

プロダクトマネージャーはプロダクトネットワークの全ての領域を健全に機能させることに責任を持っている

ここで言う責任は、ここまで話してきた空白領域と融合領域という2つの包括的なカテゴリーにマッピングされる。プロダクトマネジメントはプロダクトネットワークの要素間の重要な空白領域を認識し、埋めなければならない。すなわち領域A、B、Cのマネジメントだ。もし必須のリンクが見つからなければ、プロダクトマネージャーはそのリンクの役割を演じる、もしくは役割を埋める方法を探さなければならない。このために、プロダクトマネージャーはWebアナリティクスから顧客担当やプロジェクトマネジメントまで、プロダクトを取り巻く役割を曲がりなりにも適切に機能するくらいまでは務めることができなければならない。

【翻訳】プロダクトマネジメントトライアングル

今回取り上げる『手段にとらわれずに成果を出す経験』は、このプロダクトにおいて必要な箇所・不足している箇所を埋めることにつながるひとつのアプローチです。
そのなかでも、不足箇所を自分で埋めることに固執せず、自分以外が埋める方法も含めて選択肢を広げることは重要です。必要な箇所を埋める手札を多く持つことの良さを経験として知り、今後につながる生きた経験を積めることが、新卒PdMからしか得られない栄養素だと思っています。

これは、すでに特定の領域のスキルがあり異職種から転換したPdMの方々ともアドバンテージなく勝負できるポイントです。むしろスキルがない分、この形式の成功体験をたくさん積みやすいという点で、新卒PdMのほうが有利だと思っています。

ここからは、なぜこの経験が新卒PdMからしか得られないのかについて2つの理由を詳しく書いていきます。

新卒PdMからしか得られない理由

その1 『泥臭く行動するしかない』

泥臭く、なにかを達成した経験は貴重です。
"プロダクトにおいて必要な箇所・不足している箇所を特定し、必要であれば自分で埋め、もしくは役割を埋める方法を探す"というのは、必ずしもかっこよく成果を出すことではありません。必要であれば手段を問わずどうにかして埋めるというシンプルで泥臭い一面があります。

新卒でPdMをやるときは、自分のスキルを発揮して出せるバリューは多くありません。発揮できるほどのスキルもないことの方が多いでしょう。そんな状況では、誰でもできるけどやりたがらないタスクを全力でやったり、スマートな方法がないけど時間をかければできることをガッツでやったりすることで、チームに貢献できることもあります。
一方でスマートなやり方に慣れてくると、泥臭い進め方のほうが早くても、時間のかかるスマートなやり方でやろうとしたり、ときには泥臭いやり方が選択肢に入らなくなったりすることもあります。
泥臭く行動して成果を出した経験は、中途で経験を積んでPdMになるルートでは、実は得にくいのではないかと思います。
モノゴトが前に進むという目的以外にこだわらず、スマートじゃなくてもやり切った経験は、新卒PdMこそ手にしやすい、いつか役に立つ栄養素だと思います。

泥臭く動いた経験は手札を増やす


その2 『巻き込むしかない』

必要な箇所を埋めるために手札を多く持つのがいいと書きましたが手札を増やす方法は、自分を強化するだけではありません。

自分を強化して手札を増やすのはいいことですし、スキルがたくさんある状態に越したことはないです。自分で不足している箇所を埋めたほうが他の人からの見栄えも、自分の成長としてもいいと思います。ただ、一番重要な"モノゴトが前に進んだか"の観点からは、不足が埋まっていれば誰が埋めたかはどうでもいいことだったりします。

「チームに必要か」 × 「自分でできるか」のマトリクスだと、
「チームに必要」を「自分でできる」のが最強にみえます

頭にうかびがちなマトリクス

しかし実際は、チームに必要なものが埋まった事実が重要なだけで、自分でできるかはあまり重要なファクターではないのです。むしろ自分でできる以外の軸でどのような埋め方ができるかの手札を持っているほうが重要なケースも多々あります。

ホームパーティを例にイメージしてみましょう。
PdMのあなたはホームパーティの主催者です。来てくれるゲストに『おいしい料理を提供したい』とします。このとき自分で料理ができるとカッコいいですが、必ずしもそれは必要なスキルではありません。
プロ並みの腕前のある方なら存分にスキルを発揮してもらうのがよいですが、おにぎりはつくれます(`・ω・´)レベルであれば、
・シェフを呼べる
・おいしいお取り寄せを知っている
・名店のテイクアウトを買っておける
など、自分で料理する以外の選択肢がたくさんあるほうが、ホームパーティーの料理でゲストを満足させることができそうです。

大事なのは上下ではなく、右に対しての手札の数

大事なのは結果に対して切れる手札の多さです。
そして手札を増やすには、結果に固執して(左右)、スキルには固執しない(上下)ことが近道だと思っています。

また、得意がないということは視点に偏りがないということです。下記にもあるように、プロダクトマネージャーに求められることは強みを特定分野で発揮することではありません
モノゴトを前に進めるために必要だが空白な領域をみつけ、それをあらゆる手立てで埋めることです。その意味では得意分野はときに足枷になります。
偏りなく手札を持てる・切れるというのは大きな強みだと思います。

このプロダクトマネジメントの役割についての曖昧さは、プロダクトマネジメントの本質に近い。一つの会社の中でも、プロダクトマネジャーの役割は根本的に、そして急激に変わりうる。プロダクトマネージャーは景色が根本的に変化する中で活動する。技術は変化し、チームの力学も変化し、社会も変化し、新たなビジネスの機会が予期せずやってくる。そういった変化が、プロダクトと自らの役割にどいういう意味を持つかを理解することは、プロダクトマネージャーの特別なスキルセットだ。その意味において、プロダクトマネージャーは自らのジョブディスクリプションを定期的に書き換えなければならない。

【翻訳】プロダクトマネジメントトライアングル

まとめ

『手段にとらわれずに成果を出す経験』は、泥臭く行動し、人をガンガン巻き込まないと成果が出しにくい「新卒PdM」というキャリアならではの貴重な経験なのではないかということを、『新卒PdMからしか得られない栄養素』と題して書いてきました。
自分のキャリアに照らした、生存バイアスごりごりの内容ではありますが、こういうキャリアの捉え方もあるのかと優しい目で読んでいただけていたら嬉しいです。

最後に

そんな新卒PdMが多く在籍していて、採用もしているマイベストについても紹介します。
マイベストには現在、21新卒のPdMが2名、22新卒のPdMが3名、23新卒のPdMが1名いて、日々mybestをよりよくするために奔走しています。
分析や施策検討、リリースまでの開発マネジメントや関連部署との調整、ユーザーインタビューの実施など、自分が新卒としていたらとてもじゃないけど手が回っていないくらいの領域を、個々人が責任をもってフルスピードで回しています。
ユーザーファーストを掲げて、ユーザーのために泥臭く、チーム内外を巻き込んでモノゴトを進めることが求められる環境はとてもエキサイティングだと思います。

PdMの話がメインでしたが、マイベストでは各職種について積極採用中です!
興味を持っていただけた方は、ぜひご応募ください!
記事の内容や、会社について気になる方は応募までいかなくても、坂田(@HirotoshiSakata)宛にお気軽に DMください。


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