【7の倍数】腎と女性の変化の関係とは?

中医学では、女性の体調の変化は「腎(じん)」という臓器の働きと密接に関わっています。ここでは、その基本概念と具体的な年齢ごとの変化について、解説します。

中医学の「腎」とは?

  • 「腎」:中医学での「腎」は、単に腎臓や泌尿器系だけを指すのではなく、生命力やホルモン系、生殖機能、成長や老化などを包括する概念です。これには生殖能力の維持、ホルモンバランスの調整、成長発育、さらには加齢による変化の管理などが含まれます。

  • 加齢や更年期障害:腎が関与するため、腎のエネルギーが衰えると、更年期障害の症状が現れたり、老化が加速するとされています。補腎という方法で腎を強化し、これらの変化に対処することが重要です。

7の倍数で起こる変化

中医学では、女性の体は7の倍数の年齢で節目を迎え、変化します。これは中国医学の3大古典黄帝内経(こうていだいけい)に記述されており、以下にその詳細を説明します。

  1. 7歳:この時期は、子供の歯が抜けて永久歯が生え始め、髪も伸びてくる成長の時期です。腎のエネルギーが充実し始め、身体が成長していきます。

  2. 14歳:初潮(初めての月経)が起こり、生殖能力が備わります。この段階で「天癸(てんき)」というエネルギーが満ち、生殖機能が成熟するのです。「天癸」はホルモンのような役割を果たす物質と考えられています。

  3. 21歳:体が完全に成熟し、身長も伸び切ります。この時期は、体が最も活動的で、エネルギーが充実しています。

  4. 28歳:身体機能と性機能のピークを迎えます。この時期は、心身ともに最も健康でエネルギーに満ちています。

  5. 35歳:髪や肌に衰えが見え始めます。腎のエネルギーが次第に減少し、体力や美容面でも変化が出てきます。妊娠率も下がり、流産率が上がり始める時期です。

  6. 42歳:顔がやつれたり、白髪が増えたりと老化の兆しが目立つようになります。腎のエネルギーがさらに低下し、老化が進んでいきます。

  7. 49歳:閉経を迎える時期です。腎のエネルギーが大きく減少し、生殖能力が終わりを迎えます。この時期からは、体力が衰え、老化が進む時期になります。
    ※男性は8の倍数で黄帝内経(こうていだいけい)に書かれています。

古典の記載と現代の理解

  • 古典『本草綱目』:李時珍によるこの書物には、女性は「陰」に属し、血を主とする存在であると書かれています。女性の健康と美容にとって、「血」がとても重要とされています。月経は月の満ち欠けや潮の動きに関連していると考えられ、自然のリズムと深く関係しているのです。
    ※オカルトではなく、古典に記載されています。

  • 天癸(てんき):この概念は、腎精(じんせい)の充実を表し、生殖機能が成熟することを意味します。女性では14歳、男性では16歳で満ちるとされ、これが性成熟のタイミングです。

養生の重要性

  • 30代後半の変化:28歳をピークに体は衰え始め、30代後半からは特に妊娠率が下がり、流産率が増加するなど、生殖能力が落ちてくるのは自然なことです。このため、30代からの養生(体のケア)がとても重要になります。生活習慣を見直し、体に負担をかけないようにすることが推奨されます。

  • 腎を強化すること:加齢や更年期の症状を軽減するためには、腎を強化する「補腎」の方法を用います。食事や生活習慣で腎をサポートすることが大切です。
    ※フェミニストの方々、批判はあると思いますがその前に古典を読んでから批判ください。

中医学と西洋医学の併用

  • 中西結合(ちゅうせいけつごう):中国では、西洋医学と中医学が共存しており、患者が選択できる仕組みがあります。たとえば、診断は西洋医学で行い、治療は中医学の漢方薬で行うことも一般的です。中医学と西洋医学は、それぞれ別のライセンスが必要であり、医師も専門が分かれています。ダブルライセンスを持つ医師もいますが、非常に少数です。
    ※両方合わせると10年近い年数を医学に費やすことになりますので、非常に大変だと推測します。

月経に関する知識

  • 規則的な周期で子宮から出血することを指し、体の健康状態を示す重要な指標です。月経の質や周期を観察することで、女性の健康状態が把握できます。中医学では月経の状態を見て体質や健康状態を判断します。
    ※詳しくは次回以降で。

この知識は、女性が自分の体を理解し、変化に応じたケアをするためにとても重要です。

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