【米は体に良い悪い?】米は粳米という生薬 中医養生学
粳米(うるち米)は、私たちが普段食べている一般的なお米です。このお米が中医学ではどのように捉えられ、どんな効果を持つのかについて、以下のポイントに分けて分かりやすく説明します。
1. 粳米の性味と効能
性味: 甘味(甘い性質)・平性(寒すぎず熱すぎず、体に負担が少ない性質)
甘味: 気力を補い、身体を養います。
平性: 冷え性の人にも、火照りやすい人にも使える、体質を選ばない特性があります。
主な効果:
五臓を補い、全身を強化する。
気力を増し、筋肉を強くする。
胃腸に優しく、消化を助ける。
※米を神様に捧げるのはウカノミタマノ神様への五穀豊穣の感謝という面もありますが、実際に力をもらえるからというのが神道的な解説でもあります。
2. 中医学での使用例
中医学では粳米を「食薬(食べ物であり薬でもある)」と考え、特定の目的に応じて工夫して使います。
傷寒(寒さが原因の風邪)に使う
粳米の甘味で「正気(身体のエネルギー)」を補い、体力の回復を助けます。
粥(かゆ)としての活用
粳米は消化しやすいため、病後の体力回復や胃腸が弱ったときに最適です。
3. 症状別の粥の作り方
中医学では、粳米粥に特定の食材を加えることで、さまざまな効能を引き出す工夫をします。
4. 粥と雑炊の違い
中医学で重視される「粥」と、私たちが一般的に食べる「雑炊」や「おじや」は異なるものです。
雑炊・おじや: 炊いたご飯に水を加え、短時間で煮込むもの。米粒の形が残る。
粥: 生米をたっぷりの水で2時間ほどじっくり煮込み、米粒が崩れるまで炊いたもの。
特性: 消化が良く、胃腸に優しい。中医学では「薬膳」の一部として扱われます。
5. 粳米の優れた点
消化吸収が良い
胃腸が弱っているときや病後の体力回復に最適。
誰でも食べられる
平性なので、冷え性や火照りやすい体質を問わず幅広く適応。
組み合わせの自由度
生薬や他の食材と組み合わせることで、多彩な健康効果を引き出せます。
6. 粳米を日常に取り入れるポイント
適量を意識する: 1回の食事で粥1杯分程度が目安。
工夫する: 疲れたときや季節に応じて、蓮の葉や薄荷などを加えてアレンジ。
病気の時に頼る: 風邪や胃腸の不調時には、粳米粥が薬膳として効果を発揮します。
まとめ
粳米(うるち米)は、普段の主食でありながら中医学では薬効を持つ特別な食材とされています。性味が甘・平であり、体質を選ばず使えるため、養生(健康維持)にも治療(病気改善)にも役立ちます。特に「粥」として活用することで、胃腸への負担を減らしながら、さまざまな健康効果を引き出すことが可能です。
あなたがこの知識を実生活に生かして、健康を保つ一助としていただければ幸いです!