【エネルギーチャージ】補気生薬の基礎基本を解説!

補気の植物生薬について、それぞれの特徴と作用を詳しく説明します。

1. 黄耆(おうぎ)

  • 特徴: マメ科の多年草で、根を使用します。滋養強壮効果があり、古くから使われてきた生薬です。

  • 作用: 強い補気作用があり、免疫力を高めることで、気の不足による疲労や虚弱体質を改善します。また、発汗を抑える効果もあり、虚弱体質で汗をかきやすい人に適しています。

  • 使用例: 「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」や「黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)」といった漢方薬に含まれます。

2. 人参(にんじん)

  • 特徴: ウコギ科の多年草、朝鮮人参の根を乾燥させたもの。一般的な野菜のキャロットとは異なります。

  • 作用: 中央のエネルギーを補う「補中益気(ほちゅうえっき)」作用があり、元気を取り戻し、消化吸収を助けます。疲れやすい、食欲不振、倦怠感が続く場合に有効です。

  • 使用例: 「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」や「人参湯(にんじんとう)」に含まれます。

3. 大棗(たいそう)

  • 特徴: クロウメモドキ科のナツメの実を乾燥させたもの。甘い味が特徴です。

  • 作用: 補気と補血の効果を併せ持ち、体のエネルギーと血の両方を補います。脾と胃の機能を強化し、消化機能を高めるのにも効果的です。

  • 使用例: 多くの漢方薬に配合されており、全体のバランスを整える役割を持っています。

4. 白朮(びゃくじゅつ)

  • 特徴: キク科のオケラという植物の根茎を乾燥させたもの。香りが特徴的です。

  • 作用: 胃腸の働きを強化し、水分代謝を促進します。特に脾虚(ひきょ)に効果があり、消化不良やむくみなどを改善します。

  • 使用例: 「四君子湯(しくんしとう)」や「六君子湯(りっくんしとう)」に含まれます。

5. 山薬(さんやく)

  • 特徴: ヤマノイモ科のヤマイモの根茎を乾燥させたもの。

  • 作用: 補気・補陰作用があり、消化器系と腎の機能を同時にサポートします。気を補うだけでなく、精力も高める効果があります。

  • 使用例: 「六味地黄丸(ろくみじおうがん)」や「八味地黄丸(はちみじおうがん)」などに含まれます。

6. 甘草(かんぞう)

  • 特徴: マメ科の多年草で、根を使用します。甘味が強いことから「甘草」という名が付いています。

  • 作用: 補気の効果があり、他の生薬の効果を調整する「調和薬」としても使われます。さらに、炎症を抑える作用も持ち、のどの痛みや消化器の炎症にも効果があります。

  • 使用例: 「甘草湯(かんぞうとう)」や「桔梗湯(ききょうとう)」などはじめ多くの漢方薬に含まれます。

これらの補気の植物生薬は、気の不足によるさまざまな症状の改善を目指し、個別または組み合わせて処方されます。それぞれの生薬の効果や特性を知ることで、適切な漢方薬の選択が可能になります。

いいなと思ったら応援しよう!