【漫画は現実主義?】少年漫画に学ぶ中医学

ドラゴンボールの気、ハンターハンターの念、ナルトのチャクラ、鬼滅の刃の呼吸、呪術廻戦の術式これらは中医学や五術の世界と繋がっていると感じました。具体的には気をためて放つのがかめはめ波。念を操って人を癒したり治療したりするのが中医学。チャクラや術式で呪文を唱えるのは仙術の範囲。呼吸も中医学の範囲で考えることができると感じます。

これらの作品に登場するエネルギーや技術体系は、東洋思想や中医学、さらには道教や五術といった伝統的な概念と深く関連していると考えられます。それぞれの作品に登場する要素が、中医学や五術の概念にどのように対応するかを見てみましょう。

1. ドラゴンボールの「気」

  • ドラゴンボールにおける「気」は、主人公たちが内側にある生命エネルギーを高め、それを技に変えて発動するものであり、まさに気功や気の操作の概念と一致しています。

  • 中医学では、「気」は人間の生命活動の根幹であり、健康や体調、体の内外のバランスに関わる重要な要素です。また、気を意識して集め、強力なパワーとして放つ技術は、気功や武術の「発勁(はっけい)」に通じます。発勁では、内側のエネルギーを外部に放出することで相手に影響を与えますが、かめはめ波はこの原理を誇張したものと考えられます。

  • さらに、ドラゴンボールでは気の感知や気のコントロールも行われますが、これは中医学や気功においても重要です。気功や武術の訓練で、気を「感じる」「コントロールする」ことができるようになると、心身のバランスが整い、さらなる力を引き出せるとされています。

2. ハンターハンターの「念」

  • ハンターハンターの「念能力」は、「オーラ」と呼ばれるエネルギーを体外に放出したり、特定の形に変化させたりして利用しますが、これは中医学における「気」の操作と非常に似ています。

  • 中医学や気功においても、「気」を意図的に体外に放出し、癒しや治療に用いることがあります。ハンターハンターの念能力は、攻撃や防御、治療などに応用されていますが、これも気功や中医学の技術と似ています。例えば、治療目的で行われる「気功治療」では、患者の体内の気のバランスを整えたり、エネルギーを補充することで回復を促します。

  • また、念の技術には「発」と呼ばれる個別の技があり、能力者がそれぞれ異なる使い方をしますが、これは五術の「山(仙術)」における個人の霊的な力を磨いて独自の技術を生み出すことに近い考え方です。さらに、「精度」「集中」「想い」などの要素が念の強さに影響を与えるという点も、武術や気功の世界に通じています。

3. ナルトの「チャクラ」

  • ナルトに登場する「チャクラ」は、ヒンドゥー教や仏教でのエネルギーセンター「チャクラ」の概念と混同されやすいですが、ナルトではむしろ気功や仙術に近い「エネルギーを操作する力」として描かれています。

  • 中医学や道教では、「丹田(たんでん)」と呼ばれるエネルギーの集まるポイントを意識することが重視されますが、ナルトのチャクラも同様に、体内のエネルギーを適切にコントロールすることで「術」を発動します。チャクラをコントロールできることが術の基礎であり、術の効果を高めたり、精度を上げたりすることにつながっています。

  • また、ナルトに登場する「仙術」も興味深いです。仙術では、自然界からエネルギーを吸収し、自分のチャクラと融合させて技を強化しますが、これは道教の修行における「天地の気」を取り込む考えに近いです。中医学や道教では、自然との調和や、天地の気を活用することで、霊的な力を高めることができるとされます。

4. 鬼滅の刃の「呼吸」

  • 鬼滅の刃の「呼吸法」は、中医学や武術における「気の巡りを整えるための呼吸法」に非常に近いものです。武術や気功では、正しい呼吸法を用いて、体内の気の流れを整え、エネルギーを高めることが非常に重要とされています。

  • 鬼滅の刃では、各キャラクターが呼吸法を駆使して「全集中の呼吸」を行い、肉体的・精神的な力を極限まで引き出しますが、これは気功や武術の「調息(ちょうそく)」と呼ばれる技術と共通しています。調息とは、呼吸を意識的に調整し、気の巡りを高めることで、身体能力を高めたり精神を安定させる技術です。

  • さらに、呼吸によって身体能力を向上させたり、痛みを感じにくくする効果も、古代の武術における呼吸法の効能と一致しています。武術家や気功師は、特定の呼吸法を用いることで集中力を高め、内的エネルギーを増幅させることができるとされています。

5. 呪術廻戦の「術式」

  • 呪術廻戦の「術式」は、呪文やエネルギーの操作を通じて力を引き出す技術であり、これは道教や仙術における「呪法」や「符咒(ふじゅ)」の概念に非常に近いです。

  • 道教や仙術では、特定の呪文や儀式、符咒を通して霊的なエネルギーを操作し、特定の効果を引き起こします。これは呪術廻戦の術式と同様に、エネルギーをコントロールし、特定の目的を達成する手段です。例えば、術式を用いて「結界」を張る技術などは、道教や風水において特定の場を浄化したり守るために行われる儀式に通じるものがあります。

  • また、呪術廻戦では「呪力」を意識して操作することで力を引き出しますが、これは五術の「卜」や「山」で行われる儀式的な要素や、エネルギーを操作する修行に共通点があります。道教や仙術では、特定の霊力や符を使って人々を癒したり、守護したりすることがあり、術式もこの考え方に基づいていると考えられます。

結論

これらの作品は、中医学、道教、五術、さらには気功や武術といった東洋の伝統的なエネルギー観や修行法に多くのインスピレーションを得ています。各作品が描くエネルギーや技術体系は、「気」や「術」を通じて心身のバランスを整えたり、エネルギーを集中させて放出したりすることで、現実離れしつつも、どこか説得力のあるものとして視聴者や読者にリアリティを感じさせます。

こうした東洋の伝統思想がベースとなることで、これらのフィクションがただのファンタジーではなく、人々が共感し、惹きつけられる物語として成立していると考えられます。

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