【気と津液】気血津液弁証 中医基礎理論
今回は気と津液の関係について、解説と説明します。
気と津液の生成源と胃腸の重要性
気と津液はどちらも脾胃(ひい)、つまり消化器官から生成される「水穀精微」(飲食物のエッセンス)を基にして生まれます。消化吸収したエネルギーが気や津液の源となるため、胃腸の健康が気・血・津液の生成と巡りにとても重要です。
中医学では、脾胃が健康であれば気と津液が正常に生成され、全身に行き渡り、栄養を運ぶことができると考えられています。したがって、ほとんどの漢方薬は脾胃の機能を整えるものが基本的に多く含まれます。
気と津液の相互関係
気は津液を生成・排泄する(気化作用)
気化作用とは、気が働いて物質を変化させる機能で、津液の生成と排泄に関わります。気が十分であれば体内の水分を適切に代謝し、体内に必要な津液を生み出しつつ、不要な水分を排泄できます。
津液が不足すると気化が不足するため、汗や尿、便の分泌が減少したり、代謝が低下したりすることがあります。
気は津液を全身に輸布する(推動作用)
推動作用とは、気が物質やエネルギーを押し動かして全身に行き渡らせる力のことです。気が津液を全身に行き渡らせ、必要な場所に届ける役割を果たします。特に、肌表や内臓、関節などに適量の津液が供給されることで、体の潤いが保たれます。
津液は水分なので自力で動くことはできません。津液が適切に循環し、乾燥や代謝異常が起こらないようにするためには、気の推動作用が欠かせません。
気は津液を体内に保持する(固摂作用)
固摂作用とは、気が体液や血液などを漏れ出さないように体内にしっかりと保つ働きです。気が不足すると、体液が漏れやすくなり、多汗や頻尿、下痢などの症状が出ることがあります。
津液は体内に必要な水分であり、必要以上に失われると身体に負担がかかるため、気がしっかりと津液を保持していることが健康維持に不可欠です。
津液は気を乗せる母体
津液は気の「母体」とされ、気が体内で円滑に働けるよう、津液が支えています。気と津液は相互に補い合っており、気が十分であれば津液を生み出し、津液があれば気が巡りやすくなります。気と津液が両方そろっていることが、健康で活力のある状態を保つために大切です。
※気の作用について知らないと前に進みません。
結論
気と津液の関係は、互いに依存し補完し合う関係であり、どちらかが不足すると、もう片方にも影響が出ます。気の作用が十分であれば津液が生成・排泄され、また津液も気の母体として、気の働きを支えています。