【肝を守る!】改善する生薬達!肝の前提知識⑤

肝を改善するための生薬は、それぞれ異なる植物科に由来し、特定の薬理作用を持っています。これらは、肝の機能を回復し、気の流れを整える目的で使用されます。以下では、疏肝系と理気系の生薬を科名なども含めて詳しく解説します。
※登録販売者試験での生薬の勉強というのは本来理論を理解しながらやるもので、丸暗記では苦痛の為全く覚えられません。


1. 疏肝系(そかんけい)

疏肝系の生薬は、肝の働きを高め、気血の巡りをスムーズにし、ストレスなどの影響を和らげます。肝の「疏泄(そせつ)」機能を助ける役割があります。

  1. 柴胡(さいこ)

    • 科名: セリ科

    • 薬効: 肝の気を調整し、ストレスを軽減する効果があります。特に熱を下げ、炎症を鎮める作用を持つため、肝の機能をサポートします。

    • 特徴: 柴胡はセリ科の多年草で、古くから肝炎やストレス関連の不調に用いられてきました。

  2. 菊花(きくか)

    • 科名: キク科

    • 薬効: 目の疲れや炎症を和らげ、肝の熱を冷ます効果があります。視力改善や目の健康をサポートします。

    • 特徴: 菊花は、キク科の植物の花を乾燥させたもの。清熱効果があり、目の充血や頭痛の緩和に使用されます。
      ※花粉症の目のかゆみに用いられたりします。

  3. 枸杞(くこし)

    • 科名: ナス科

    • 薬効: 肝と腎を養い、目の健康を改善します。滋養強壮、血を補う働きがあり、老化防止にも役立ちます。

    • 特徴: 枸杞の実はナス科のクコの果実。抗酸化作用が強く、美容や健康維持に広く使われています。

  4. 田七人参(でんしちにんじん)

    • 科名: ウコギ科

    • 薬効: 血行を促進し、瘀血(おけつ)を改善します。止血作用もあり、血流を良くすることで肝の健康をサポートします。

    • 特徴: ウコギ科の植物で、特に中国で漢方として重宝されています。身体を温め、血液循環を良くする効果があります。


2. 理気系(りきけい)

理気系の生薬は、滞った気の流れを巡らせることで、肝にかかるストレスや圧力を緩和します。香りが強いものが多く、これが気を巡らせるのに役立ちます。

  1. 青皮(せいひ)

    • 科名: ミカン科

    • 薬効: 若いみかんの皮を乾燥させた生薬で、気を巡らせて肝の滞りを解消します。特に、ストレスによる気の滞りを和らげます。

    • 特徴: 熟していないみかんの皮を使用し、強力な理気作用があります。消化不良や胸の張り感にも効果的です。

  2. 木香(もっこう)

    • 科名: キク科

    • 薬効: 消化を促進し、気の滞りを解消します。特に、胃腸の不調や腹部膨満感を改善するのに用いられます。

    • 特徴: キク科の植物で、独特な香りがあり、胃腸の気滞を解消する目的で使用されます。

  3. 香附子(こうぶし)

    • 科名: カヤツリグサ科

    • 薬効: 肝の気滞を和らげ、特に月経不順や女性の気分の乱れを改善します。理気作用が強く、ストレスを緩和する効果があります。

    • 特徴: カヤツリグサの根茎を使用し、女性特有の症状改善に効果が高いとされています。

  4. 延胡索(えんごさく)

    • 科名: ケシ科

    • 薬効: 鎮痛作用があり、気と血の滞りを解消する効果があります。痛みを和らげる生薬として使われます。

    • 特徴: ケシ科の植物で、血行促進と鎮痛効果があり、特に生理痛や胃の痛みに用いられます。

  5. 厚朴(こうぼく)

    • 科名: モクレン科

    • 薬効: 胃腸の気滞を解消し、消化を促進します。腹部の張り感や不快感を和らげます。

    • 特徴: 厚朴は、モクレン科の植物の樹皮を使用します。鎮静効果もあり、精神的な緊張を緩和するのに役立ちます。


まとめ

肝を改善するためには、疏肝系と理気系の生薬がよく使われます。疏肝系は肝そのものを強化し、肝の機能を高める働きをします。理気系は気の巡りをスムーズにし、ストレスや緊張を和らげます。これらの生薬をうまく組み合わせることで、肝の不調を改善し、全身の健康バランスを整えることができます。

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