【中医学学習者へ亜東書店】ガチな人向けの本屋

私はある中医学の先生に教えてもらい亜東書店という本屋に行きました。
この本屋は、中国、台湾、香港、韓国からの輸入書籍を専門的に取り扱う書店で、特に中医学や漢方、鍼灸、東アジアの学術書や専門書を中心に揃えています。その品揃えは、一般書店では手に入らない非常に特化された内容となっており、学術的・文化的な資料を求める人々にとって貴重な存在です。

歴史と背景

  • 創業: 1971年、神田で設立され、長らく学術都市としての神田の文化に根ざしていました。

  • 移転: 2018年、現在の東京・上野に移転しました。この場所は文化施設や教育機関が多く、学術的な環境に適しています。

  • 地域との関わり: 上野近辺の「文化の杜」と呼ばれるエリアは、博物館や美術館が集まる知的活動の中心地であり、この場所選びも専門的な書店としてのアイデンティティを反映しています。

特徴的な営業スタイル

  • 営業時間: 平日の13時から17時までと短く、土日祝日は休業です。このスタイルは一般顧客ではなく、主に専門家や研究者をターゲットとしていることを示しています。

    • 研究者や学者、大学院生などが業務の一環として訪れることを想定した運営形態であり、趣味的な来店よりも「本を目的とした真剣な購入」を促していると考えられます。

    • また、営業時間外は店舗業務だけでなく、輸入書籍の仕入れや注文対応といった裏方の業務に時間を割いている可能性があります。

書店の特化性

  1. 取扱書籍の種類

    • 中医学関連: 漢方薬の理論書、鍼灸の技術書、臨床例集など。

    • 東アジア文化: 歴史や哲学、宗教(特に道教や儒教関連)、民俗学。

    • 韓国や台湾、中国本土の学術出版物: 日本国内では手に入りにくい専門書。

  2. 対象顧客

    • 医師や薬剤師、鍼灸師などの医療従事者。

    • 中医学を学ぶ大学生や大学院生、または専門学校生。

    • 中国文化や東アジア研究を行う学者や研究者。

なぜ一般的な利用が難しいのか

亜東書店の運営スタイルや品揃えは、以下の理由から一般的な書店とは異なります。

  1. 学術性の重視: 扱う書籍が高度で専門的な内容であり、読者層が限られています。大学教養以上の知識を持った人が対象であるため、一般的な利用者にとっては敷居が高いと感じられるかもしれません。

  2. 希少性のある輸入書籍: 書籍の仕入れ先が海外であり、一般市場に流通しない本を多く扱っています。これは趣味で訪れる客層というより、研究や実務に必要な人が目的を持って来店することを想定した品揃えです。

  3. 営業時間の短さ: 一般のビジネスマンや学生が訪問しにくい時間設定ですが、これはターゲットを絞り、効率的に運営するためと考えられます。

亜東書店の意義

  • 日本国内で手に入りにくい中医学やアジア文化の専門書を提供し、学術研究や専門職の実務を支える拠点となっています。

  • また、ただ本を販売するだけでなく、アジアの知的文化を日本に伝える役割も果たしており、マニアックな需要に応えることで知識の裾野を広げる一助となっています。

経営の方向性

  • 近年では名古屋支店を閉鎖し、東京本社に業務を統合するなど、経営の効率化が図られています。この動きは、厳しい経営環境の中で、少人数ながら専門性を保ちながら運営する選択をしたとも考えられます。

結論

亜東書店は、一般書店がカバーしきれない中医学や東アジア文化の書籍を専門に取り扱う希少な存在です。その営業時間や運営方針は、明確に専門家や学者をターゲットとしたものと考えられ、知的好奇心や学術研究を支える重要な役割を果たしています。

いいなと思ったら応援しよう!