【疑問】しもやけの原因と足や耳に発生する理由と赤い耳の中医診断学的違いは?
皆さんはしもやけになったことがありますか?私はあります。望⽿の所で、赤い耳というのがでてきましたが、これとしもやけというのは何が違うのでしょうか?また、足のしもやけについても同じ理屈で生じるかについて中医診断学を交えて解説いたします。
1. しもやけと寒さの影響
しもやけ(凍瘡)は、特に寒冷な環境での血行不良が原因で発生します。しもやけが赤くなるのは一見「熱が溜まっている」ように感じますが、実際には以下のような「寒さからくる一時的な反応」と考えられます。
しもやけのメカニズム
寒冷な環境にさらされると、体は熱を逃がさないように末端の血管を収縮させます。これにより血流が弱まり、酸素や栄養が行き届かなくなり、しもやけの発症につながります。
冷えと血行不良:寒さにさらされると、耳や指先、足のつま先などの末端で血行が悪くなります。その後温かい場所に戻ったり、手足が温まって血流が再び流れ出すと、血管が急に拡張され、血液が停滞しやすくなります。これが炎症を引き起こし、赤みやかゆみ、腫れを引き起こします。
虚熱の発生:血液が局所で停滞すると、見かけ上「熱」のように感じることがありますが、これは中医学的には「虚熱」と呼ばれる状態です。根本原因は冷えや血行不良ですが、一時的に炎症のような症状が現れます。
2. 赤い耳と肝胆湿熱・肝火上炎
赤い耳で中医学的に「肝胆湿熱(かんたんしつねつ)」や「肝火上炎(かんかじょうえん)」と診断される場合、寒さや冷えが原因ではなく、体内の「熱」が過剰であると考えます。
肝胆湿熱・肝火上炎の原因:長期的なストレスや情緒の乱れ、脂肪やアルコールの過剰摂取によって体内の「肝火」が高まり、熱が耳や顔に反映されることがあります。湿熱がこもると、イライラ、怒りっぽさ、頭痛などの症状も出やすくなり、耳が赤くなるのも特徴です。
寒さは関係しない:肝胆湿熱・肝火上炎の「赤い耳」は寒さが引き金ではなく、体内の「熱のこもり」やエネルギーの停滞が原因で起こります。そのため、寒冷な環境によるしもやけとは異なるプロセスです。
3. 足のしもやけも同様の理屈か?
足のしもやけも、基本的には耳や手のしもやけと同じ理屈で発生します。末端である足先は血行が届きにくく、冷えやすいため、寒さの影響を受けやすい部位です。
寒さと血行不良:寒さが続くと足先の血管が収縮し、血液が届きにくくなります。足が温まると血流が戻りますが、その際に血が溜まりやすく、局所で炎症や腫れが起こります。
体質と血行の影響:冷え性体質や血虚(血の不足)がある方は特にしもやけができやすいです。足のしもやけも、冷えや寒さによる血行不良が根本原因であるため、温めることや血流改善が重要です。
4. 中医学的な対応
しもやけと赤い耳は原因が異なるため、治療や対策も異なります。
しもやけの場合
しもやけは「冷え」や「血行不良」が原因であるため、以下の方法が有効です。
温める:温かい湯に手足を浸したり、足湯などで温めることで血流を改善します。
血行促進の漢方:当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)など、末端を温めて血行を良くする漢方が適しています。
赤い耳(肝胆湿熱・肝火上炎)の場合
肝胆の熱を鎮める必要があり、冷やすような対応や熱を発散させる漢方を使います。
肝の熱を冷ます:竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)など、肝胆の熱や湿を除く処方を使い、体内の熱を解消します。
冷やすことはせず体内の熱を取り去る:体の内側の熱を落ち着かせるため、冷たい環境に直接さらすのではなく、湿熱を除く対応をします。
まとめ
しもやけ:寒冷による血行不良が原因で、冷えが根本です。温めたり血行を促進する対応が重要です。
赤い耳(肝胆湿熱・肝火上炎):体内の熱が原因で、肝胆のエネルギー過剰が背景にあります。湿熱を取り除き、肝胆を落ち着かせる対応が必要です。
足のしもやけも基本的には耳や手と同じ冷えや血行不良が原因で発生します。どちらの場合も、原因に応じた適切な治療と対策が求められます。