【け●あな確定再び!】中気下陥(ちゅうきげかん)は防がないとかなり厄介!脾の前提知識⑤
中気下陥(ちゅうきげかん)は、気の不足(特に脾の気不足)によって臓腑があるべき位置にとどまらず、下垂する状態です。この状態は体にさまざまな不調を引き起こしますので、詳しく解説していきます。
中気下陥とは何か?
中気下陥は、特に「脾」という消化器系のエネルギー(気)が不足した結果、臓器を支える力が衰え、内臓が本来の位置から下がってしまう状態です。脾の気には、内臓を引き上げる「升提(しょうてい)作用」と、臓器や栄養分を体内に固定しておく「固摂(こせつ)作用」があります。これらの力が弱まることで、中気下陥が生じます。
升提作用: 内臓や栄養を上へ持ち上げる力
固摂作用: 血液や臓器などを本来の位置に固定し、保持する力
※詳しくは中医基礎理論の気の作用にて解説します。
中気下陥は、「脾気虚(ひききょ)」と呼ばれるエネルギー不足の一つの表れです。脾気虚が進行すると、内臓を支える力が失われ、臓器が下がってしまうのです。
具体的な症状
中気下陥の症状は多岐にわたり、特に内臓の下垂や体のだるさとして現れます。
内臓下垂:
胃下垂: 胃が本来の位置から下がり、食後の胃もたれや満腹感を感じやすくなります。
腎下垂: 腎臓が下がり、腰の重さや違和感を感じることがあります。
子宮下垂(子宮脱): 出産経験のある女性に多く見られ、骨盤底筋の緩みと共に子宮が下がることがあります。
脱肛(だっこう): 肛門の直腸部分が外に出てしまう状態です。
※登録販売者試験でも痔の事を勉強しましたね。でも中医学的視点での解説はありませんでした。
体のだるさと疲労感:
内臓の下垂によりエネルギーがさらに消耗され、慢性的なだるさが生じます。特に手足が重く感じられ、全身が疲れやすくなります。
慢性的な下痢:
脾のエネルギー不足が消化吸収機能を低下させ、食物を十分に消化できないために、慢性的な下痢が起こります。水分を吸収する力も弱まるため、便が水っぽくなることがあります。
ふらつきやめまい:
気が不足することで、脳や神経系に十分なエネルギーが行き届かず、ふらつきやめまいを感じることがあります。気が足りないことで立ちくらみや、座っていてもバランスを失いやすくなることがあります。
食べても太れない:
胃下垂によって食べ物をしっかり消化・吸収できないため、栄養が体に行き届かず、太ることができません。食事をしてもすぐに下痢をしてしまうことが影響しています。
中気下陥の原因
中気下陥の主な原因は「脾気虚」です。脾気虚は、脾のエネルギーが不足する状態で、消化吸収能力の低下、体全体のエネルギー不足を引き起こします。脾は体の中心であり、気血を生み出す役割を担っているため、脾が弱ると全身のエネルギーが不足し、さまざまな症状が現れます。
原因の具体例:
生まれつきの体質: 胃下垂などの症状が生まれつきある場合は、もともと脾の気が弱いことが原因と考えられます。
慢性的なストレスや過労: 長期間にわたる精神的・肉体的な疲労が脾を弱らせます。
不規則な食事: 冷たいものの摂りすぎや暴飲暴食が、脾の機能を低下させます。
改善する漢方薬
中気下陥の改善には、脾の気を補い、内臓を持ち上げる作用のある漢方薬が使用されます。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう):
脾の気を補強し、内臓を支える力を高める代表的な漢方薬です。
生薬成分: 補中益気湯には「柴胡(さいこ)と升麻(しょうま)」という升提作用を持つ生薬が含まれており、内臓を引き上げるのを助けます。疲労感やふらつき、慢性的な下痢の改善にも効果的です。
※脱肛が本当に治まるので神方剤です。けつあな確定しない薬です。
半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう):
脾気虚によるふらつきやめまいを緩和します脾を補いながら、気の流れを整える作用があります。
他の漢方薬:
個々の体質に合わせて、他の補気系の漢方薬を使用することもあります。脾気虚をしっかり改善し、内臓を支える力を回復させます。
日常生活での対策
規則正しい食事: 脾をいたわるために、温かい食事を心がけ、冷たいものや生ものを避けると良いです。
ストレス管理: 精神的なストレスが脾を弱らせるため、リラックスする時間を作り、ストレスを適切に発散させましょう。
軽い運動: 内臓を支える筋力をつけるために、軽い運動を取り入れると良いです。ただし、無理な運動は逆効果です。
まとめ
中気下陥は、脾のエネルギー不足によって内臓が下垂し、さまざまな不調を引き起こす状態です。補中益気湯などの漢方薬を用いて脾の機能を高め、内臓を支える力を回復させることが重要です。また、日常生活でも脾を守る工夫をすることで、症状を改善しやすくなります。
以上が中気下陥に関する詳しい説明です。必要であれば、さらに詳しく解説いたしますので、お気軽にお尋ねください。