【肝と腎の陰虚に!】杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)は六味丸ベースで目を補う!

杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)は、六味地黄丸を基礎として構成された漢方薬です。もともとの六味地黄丸は、腎の機能を補強し、体の陰(潤い)を養うために使用されますが、杞菊地黄丸はそれに加えて、目の健康を特にサポートするための生薬が追加されています。ここでは、この漢方薬についてさらに詳しく解説します。


杞菊地黄丸の構成生薬とその作用

杞菊地黄丸は六味地黄丸に枸杞子(くこし)と菊花(きくか)を加えたものです。

六味地黄丸の構成生薬

  1. 地黄(じおう)

    • 科名: ゴマノハグサ科

    • 作用: 補腎・滋陰作用

    • 効果: 体内の陰液を補い、腎のエネルギーを高めて、体に潤いを与えます。

  2. 山茱萸(さんしゅゆ)

    • 科名: ミズキ科

    • 作用: 補肝・益精作用

    • 効果: 肝と腎を元気にし、腎精(生命力の源)を補い、身体の機能を維持します。

  3. 山薬(さんやく)

    • 科名: ヤマノイモ科

    • 作用: 補腎・補脾作用

    • 効果: 腎と脾を強化し、消化機能を改善しながら、体を元気にします。

  4. 牡丹皮(ぼたんぴ)

    • 科名: ボタン科

    • 作用: 清熱涼血作用

    • 効果: 血の余分な熱を冷やし、体内の炎症を抑えます。

  5. 沢瀉(たくしゃ)

    • 科名: オモダカ科

    • 作用: 利水作用

    • 効果: 余分な水分を排出し、むくみを改善します。

  6. 茯苓(ぶくりょう)

    • 科名: サルノコシカケ科

    • 作用: 健脾利水作用

    • 効果: 脾を健康に保ち、体内の水分バランスを整えます。


杞菊地黄丸に加えられた生薬

  1. 枸杞子(くこし)

    • 科名: ナス科

    • 作用: 滋補肝腎作用、明目作用

    • 効果: 枸杞子は、肝と腎を潤し、目の健康を保つ作用があります。目の疲れや視力低下に効果的で、特に乾燥した目や視力の弱さに有効です。

  2. 菊花(きくか)

    • 科名: キク科

    • 作用: 清肝熱作用、明目作用

    • 効果: 菊花は、肝にこもった熱を冷やし、目の充血や炎症を和らげる働きがあります。特に視界のかすみや目の疲れを改善する効果が高いです。


杞菊地黄丸の特徴と適応症状

  1. 肝と腎を補う: 杞菊地黄丸は、肝と腎の両方を補うことで、体の陰(潤い)を養い、体調を整えます。特に、目の健康に重点を置いた処方であり、目の症状を改善するために用いられます。
    ※肝腎陰虚(かんじんいんきょ)の薬です。

  2. 目の疲れ・視力低下: 現代人は長時間パソコンやスマホを使用することが多く、目が疲れやすくなっています。この漢方薬は、目の疲労や充血、視力の衰えに対して効果的です。また、目が乾燥したりかすんだりする症状を改善します。

  3. 全身の陰虚症状: 陰虚とは、体の潤いが不足している状態を指します。典型的な症状としては、ほてり、寝汗、乾燥、口渇などがあります。杞菊地黄丸は、これらの症状を改善し、体を潤すことで健康を保ちます。

  4. 現代人に適している: 長時間のデジタル機器の使用や不規則な生活習慣によって、肝と腎が消耗しやすい現代日本人には特に適しているとされています。


使用方法と効果の実感

  • 即効性: 杞菊地黄丸は比較的早く効果が現れることが特徴です。視界がクリアになったり、目の疲れが軽減されるのを実感できる場合があります。

  • 忍者が食べていた丸薬のイメージ: 杞菊地黄丸は、黒い丸薬の形状をしており、服用しやすく作られています。続けて服用することで、次第に体調が整い、目の健康や全身の陰虚症状が改善されます。
    ※忍者の勉強をすると漢方薬の知識が出てきて面白いです。

  • 顆粒タイプとの違い: 杞菊地黄丸には丸薬タイプと顆粒タイプがあります。顆粒タイプは飲みやすいですが、効き目は丸薬タイプの方が強いとされています。味が苦手な方には顆粒タイプをおすすめします。


その他の注意点と補足

  1. 腎虚ベースの症状に対応: 杞菊地黄丸は、腎虚(腎の機能低下)がベースにある症状を改善するため、全身の潤いが不足している場合に特に効果があります。

  2. 認知症への併用: 攻撃的な認知症の症状を和らげるために、抑肝散と併用されることがあります。これは、腎と肝の両方に働きかけ、精神状態の安定を図る目的がありますが、認知症そのものを治療するわけではありません。

杞菊地黄丸は、肝と腎を養い、目の健康を守り、体全体のバランスを整えるための漢方薬です。陰虚の症状に悩む方や、目の疲れが気になる方にとって、とても役立つ処方といえます。

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