【子供のヒーロー】小建中湯(しょうけんちゅうとう)は脾胃に優しい薬!
小建中湯(しょうけんちゅうとう)は、特に虚弱体質の人や小児向けに用いられる漢方薬です。腹痛や胃腸の冷えを改善し、消化機能をサポートするのが特徴です。以下に構成生薬の詳細、科名を含めて説明します。
小建中湯の構成生薬と作用
芍薬(シャクヤク)
科名:ボタン科
作用:芍薬は鎮痛作用と鎮痙作用を持ち、筋肉の緊張を和らげて痛みを抑えます。特に、腹部のけいれんや緊張を緩和する効果があり、腹痛を伴う症状に使用されます。
甘草(カンゾウ)
科名:マメ科
作用:甘草は鎮痛作用と鎮痙作用を有し、芍薬と共に腹痛を和らげ、胃腸の不快感を軽減します。また、甘草は他の生薬との調和を図り、全体の効果を安定させる働きをします。
桂皮(ケイヒ)
科名:クスノキ科
作用:桂皮は補陽作用を持ち、体を温めて血行を促進します。冷えによる不調を改善し、胃腸の動きを活発にする効果があります。
生姜(ショウキョウ)
科名:ショウガ科
作用:生姜は補陽作用を持ち、体を温めて胃腸の機能を高めます。冷えによる消化器の不調を改善し、消化を促進する効果があります。
大棗(タイソウ)
科名:クロウメモドキ科
作用:大棗は補脾作用を持ち、胃腸を健やかにし、エネルギーを補います。消化機能を改善し、全体の体力を底上げする役割があります。
膠飴(コウイ)
科名:デンプン類(加工食品)
作用:膠飴は補脾作用を持ち、胃腸を温めて消化機能を助けます。エネルギーを補充し、虚弱な体質を改善するために使用されます。特に腹部を潤し、保護する効果があります。
※飴です。神功皇后が母乳のでなくなったときに、もち米をとかして母乳の代わりに使ったので日本の『膠飴(コウイ)』の発祥と言われています。適度な甘みは脾胃を助けるというのは中医基礎理論で解説します。
小建中湯の効果・用途
効果:小建中湯は、胃腸の冷えや痛みを緩和し、虚弱体質の人にエネルギーを補う処方です。特に、神経質な性格でお腹が弱く、緊張すると腹痛を起こす人に適しています。消化機能の強化と全身の活力アップをサポートします。
用途:この漢方薬は、お腹の冷えや腹痛がある場合に用いられます。特に、子どもやストレスの多い大人に対して、緊張が原因で起こる胃腸の不調を改善する効果があります。また、便秘の症状を和らげることもあります。
使用対象と特徴
小児への使用:特に神経質で食欲にムラがあり、緊張すると腹痛を訴える子どもに適しています。保育園や学校に行く際に緊張することが多い子どもに使用されることが多いです。
大人への使用:大人でも神経質で胃腸が弱い方に使用され、特に緊張からくる胃腸の不調に効果があります。冷え性や便秘気味の人にも有効です。
生薬構成とその特徴
小建中湯の生薬は、どれも穏やかな作用を持っており、安全に使えることが特徴です。理気作用(気を巡らせる作用)や精神安定作用を持つ生薬は含まれていませんが、胃腸を強化することで間接的に精神面にも良い影響を与えることがあります。
エピソード:登校拒否や緊張による腹痛を抱える子どもに使用することが多く、実際に効果を実感する例も報告されています。安心して服用できる処方なので、家族での使用も広く受け入れられています。
小建中湯は、胃腸の働きを穏やかに改善しながら、体全体を元気にする万能な漢方薬です。