【問診】高齢者の過去の月経は聞いたほうが良いか?
女性の問診の際に疑問に思ったことがあります。高麗女性ですが、閉経していますが過去の月経を聞くことに意味があるのか?という問題です。
閉経後であっても過去の月経に関する情報を聞くことには中医学的に大きな意味があります。以下の理由から、過去の月経について尋ねることは重要です。
1. 過去の月経から五臓の状態を推測
中医学では、月経は主に**肝(血を蓄える)、脾(血を生成する)、腎(精を蓄える)**の働きに関連しています。
過去の月経の特徴(周期、量、痛みなど)を知ることで、これらの臓腑のバランス状態や傾向を把握できます。例えば:
月経量が少なかった場合:血虚や腎虚の可能性
月経時に痛みがあった場合:瘀血や寒邪の影響
不規則な月経周期:肝気鬱結や腎虚の関与
2. 更年期の影響を理解
更年期の症状(ほてり、発汗、不眠など)は、閉経前の月経状態に大きく関係します。
例えば:
閉経前から不規則な月経が続いていた場合、更年期障害が重くなることがあります。
過去の月経トラブルが閉経後の症状(骨粗しょう症、関節痛、血圧の変動)に影響を及ぼすこともあります。
3. 長期的な体質の把握
中医学では体質が治療方針に直結します。過去の月経を知ることで、その人の体質や体調の変化を長期的に見ることができます。例えば:
長期間の月経過多:気虚や血熱の傾向があった可能性
過去に月経不順が続いていた場合:腎や肝の問題が閉経後も影響している可能性
4. 他の症状との関連性
過去の月経痛や周期異常が現在の関節痛や冷え、瘀血の症状と関連していることがあります。
月経に関連した不調が精神的な状態(イライラ、不安)に影響を与えている場合、閉経後もその影響が残る可能性があります。
どのように質問するか
過去の月経に関する質問を深堀りしすぎると、患者が負担に感じることがあります。そのため、次のような簡潔な質問が効果的です:
「閉経前、月経の量は多かったですか?少なかったですか?」
「月経周期は規則的でしたか?」
「月経時に痛みや不快感はありましたか?」
「閉経前に何か大きな変化や不調を感じたことはありますか?」