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#12 異世界転生…じゃなくて異業種転職! ②キャリアアンカーとピボット

異業種転職について考えるシリーズ2回目!
キャリアチェンジ(ピボット)は、どのように考えて実現していくのか!?

今回は、製薬会社社員から臨床獣医へ、そしてキャリアコンサルタントへと、なかなかダイナミックなピボットをしてきた私の経験をベースに、「キャリアアンカー」という視点を入れて紐解いてみます。


いきなりですが、キャリアアンカーとは

個人がキャリア形成において最も重視する価値観や欲求、能力などのことをキャリアアンカーと言います。

キャリアアンカーは、「自分は何をして生きていくのか」という、いわば自分自身の道しるべ。
そりゃあしっかり自分に向かい合って言語化しておくと、キャリア形成に役立つというもの。
言語化するにはどうしたら?
そんな時は、「得意なことは何か?」「何をやりたいのか?」「それは何をやっている自分に価値を感じるからか?」といった3つの問いを立てるとよいでしょう。…

…というのが、キャリアアンカーの提唱者、エドガー・シャインの論理。

さて、これを自分に当てはめてみると何が見えてくるか。

自分のキャリアアンカーについて考える

キャリアアンカーは移り変わった

私のキャリアアンカーと仕事の変遷は、大雑把にはこんな感じです。

自分が何をテーマに仕事していくか考えるようになったのは、中学時代だったと思います。当時は「予防医学に携わりたい」と考えていました。それは幼少期に犬を病気で亡くし、「その病気のワクチンを作りたい!」と思ったからです。それが獣医になるきっかけでした。

大学在学中に、そのワクチンは既に世の中に存在すると知って、私は目標を見失います。一応最初の情熱を貫いて獣医になり、製薬会社に入るのですが、特にずば抜けた開発能力も持ちえず、いきなりつまづいてしまいました。

会社も「こいつは役立たずだ」と思ったのか、すぐに部署異動。営業サポートに回り、畜産(養鶏・養豚)の現場を駆け回ることになります。

実は私の一家は親・兄弟・親戚が栄養士、調理師、パン屋といった完璧な「食いしん坊家系」で、なかなか「食」とご縁のある一家でした(笑)。
そんな背景もあって、「食糧」は私の中でしっくりくるキーワードとなり、「予防医学を通じて、食糧生産に関わっていこう!」と自分の方針を固めます。

しかしよく考えてみると、「『予防医学を通じて』食糧生産に関わる」というのは、いかにも遠回りというか、チグハグ感があります。

食糧生産に関わりたいなら、もっと直接的に関わればいいじゃないか。…

とはいえ、製薬会社は給料がよかったし、その収入を前提に生活設計を組んでいたので、そのまま勤め続けていました。

その後、外資系製薬会社への転職、事業部長への昇進、失敗、営業マンとしてイチからやり直すというところまで行ったとき、人並みにくやしさ、恥ずかしさ、無力感を覚え、そのチグハグ感が爆発します。

「…よし、牧場で『獣医』をやろう」
とスイッチが入り、私のキャリアアンカーはようやく「獣医師として食糧生産に携わる」となりました。

キャリアアンカーは多層構造だった

ところで、ここまで自己分析してもなお、これらのキャリアアンカーは、やっぱり表面上のもののような気がします。
予防医学に携わりたかったのなら、食糧生産現場にすこしでも携わりたかったのなら、畜産向けの製薬業界でそのまま頑張ることができたはず。

それができなかったのは、大元には「獣医師として活躍したい」という願望があり、これが根柢のキャリアアンカーだったのでは?と思います。

そう考えると、最初は根柢の上に乗っている表面上のキャリアアンカーがちぐはぐでキャリア形成がうまくいかなかったけれど、あるべき方向に進化していったということなのでしょうね。

自分のキャリアアンカーと仕事の変遷

根柢のキャリアアンカーの抽象度を上げてみると…

ここまで考えてみると、獣医として活躍したい、というところ以前にもっと原始的な欲求があるような気がしました。

そこで、根柢のキャリアアンカーから獣医という枠を取っ払って、好きで関心のある事に注目してみます。
私の「好き」は色々ありますが、仕事絡みでは主にこの3点でしょうか。

  • やっぱり治療(へこんでいる状態からの回復を促す)という行為が好き

  • 治療法が分からないことについて調べたり研究したりすることが好き

  • アート表現、特にもつれた状況を絵で整理することが好き

…3番目が不可解かもしれませんが、物事を覚えるにも伝えるにも、状況を整理するにも、かなり役に立っています。

ともあれ、この3点は自分の得意領域と思うし、この部分で働く自分に価値を感じるのです。冒頭のエドガー・シャインの問いと繋がった!

さて、今まで動物に向いていたこれらの「好き」が、自分のキャリア経験をきっかけに、急に人間のほうに向きました。
人生100年時代を愉しく生き抜くことに社会課題を感じた途端、もうひとつの仕事が生まれたのです(下図)。

私のキャリアピボット 「好き・関心」が軸になっている

キャリア形成に悩み、人生に凹みを感じた人の回復を助ける。
様々なカウンセリング方法を調べて実行する。
自己理解を深めるためにマインドマップを描く。
…見事に、自分の「好き」が仕事になっていると腑に落ちたわけです。(続く)



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AKI_「やさしいひと」のキャリアチェンジ
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