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#17 「お人柄」を紐解く② ~『RAPPORT(ラポール)最強の心理術』から考えるキャリア戦略

前回(#16)は、私が言われてきた「お人柄」の正体を分析し、キャリア戦略に応用できないか考えました。

今回は、この戦略の更なる一般化にトライしてみようと思います。
参考にした書籍は、『RAPPORT(ラポール)最強の心理術 謙虚なネズミが独善的なライオンを動かす方法』(ローレンス・アリソン/エミリー・アリソン著、三笠書房)です。


より客観的に「お人柄」を紐解く

前回は私の経験・主観をベースに「お人柄」を紐解きましたが、この書籍を参考にちょっと客観性を上げてみようと思います。

この書籍を参考にする理由は、「お人柄」戦略は人間関係の調和を重視する戦略なので、コミュニケーションの取り方について、私以外の視点で、より普遍的な評価軸を導入するためです。

本書では、コミュニケーションの取り方を

  • コントロール⇔追従

  • 衝突⇔協力

の2軸でとらえ、この4つのキーワードにそれぞれ象徴的な動物を当てはめています。

  • コントロール=ライオン

  • 追従=ネズミ

  • 衝突=ティラノサウルス

  • 協力=サル

そして「さあ、あなたはどの動物になりがち?」と問うているわけですね。

それぞれの動物に良い面・悪い面があり、簡単にまとめると下表のようになります。

参照:本書220~221P

本書では、コミュニケーションのコツとして、相手がライオンならネズミで、相手がネズミならライオンの態度をとるべしと説きます。
ティラノサウルスとサルはちょっと趣が変わり、相手が悪い面が出ているティラノサウルスなら良い面のティラノサウルスで対抗、悪いサルであれば良いサルで対抗するとよい…としています。

さて、本書には読者がどの動物になりがちか確認できるチェックシートがあるので、私がそれをやってみたのがコチラ。
良い方向に出ているものが青、悪い一面が出てしまっているのが赤となっています。

本書245Pのチェックシートに回答した結果

どうやら私は、良くも悪くもネズミが強く出ているようです(赤も青もネズミが高得点)。謙虚にして弱々しい。悪いサルも強いので、威厳に欠ける態度が出ているのかも。
同時に、愛嬌のあるリーダー(ライオン/サル)になる一面や、忍耐強く言うべきことを言う(ネズミ/ティラノサウルス)ような一面も、もしかしたらあるのかもしれない(期待!)。ふむ。

「お人柄」戦略と、その対極の戦略

世の中のお人柄高評価者(?)を積み重ねてみるとどんな結果になるのか興味深いですが、事例数1ながら私を「お人柄」戦略の典型例と捉えると、サル・ネズミ寄りに幅広い山型の図形が出るパターンが「お人柄」戦略なのかもしれない、という仮説が立てられます。

反対にライオン・ティラノサウルス寄りに幅広い山型の図形ができるのが、その対極の戦略と考えられます。この人はきっと、自己の能力に他者を追従させるだけの力を持ちながら、愛嬌も傾聴力もあり、牽引力の高いリーダー気質に富む人なのでしょう。
新たに炙り出されたこの戦略を、「能あるリーダー」戦略と呼ぶことにします。

「お人柄」戦略と「能あるリーダー」戦略の構図

もちろん、これらと交わる形の、ライオン・サル寄りの人、ネズミ・ティラノサウルス寄りの人向けの戦略もあると思いますが、ここでは論をシンプルにするため、この両極端であろう戦略をベースに考えます。

どっちが有利?

さて、この2つの戦略、どちらが有利なのでしょうか?

幾つかの企業で働き、転職活動で多数の面接現場に臨んだ経験上、大手企業や外資系企業などは、「能あるリーダー」を求めているように感じられます。特に高い役職になるほどそうでしょう。
スピーディに事業を育てる牽引力のある人。そのために必要な衝突を厭わない人です。
いかにも企業に好かれそう。

しかし、世の中はそういった人ばかり求めているわけではありません

メンバーの育成や定着が課題になっている組織や、変化への柔軟な対応が求められる組織では、「お人柄」の需要があるように思います。

既に強いリーダーがいる。ある程度メンバーもいる。でも間に入ってメンバーをつなぎ、同時に専門性も発揮し、円滑に事業を育む人がいない。

いわゆる就職氷河期世代(1993~2005年ごろ就職活動をしていた世代、2024年現在40~50代)がごそっといない会社などでは、リアルに直面していそうな問題ではありませんか。

実際、大阪労働局の動画「企業が就職氷河期世代に求めるもの」によると、この世代の就業者には「人柄」を求めるというアンケート結果が出ており、まさにドンピシャのニーズと言えそうです。(下の動画の3分41秒あたりからがその解説です)

したがって、人柄ぐらいしか評価されたことがなくて、優秀な人の中で埋もれがち…という方でも、やり方次第で輝ける、という話なのですが、結論を急ぐ前に。

いや、それでも、高い専門性を持って強いリーダーシップを発揮できる人がいいに決まってるでしょ?

という方もいそうなので、次回、そのへんを紐解いてみようと思います。(続く)


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AKI_「やさしいひと」のキャリアチェンジ
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