2020-6-21 日記. ベンチャー企業の研究者: 説得について思ったこと
最近、興味があったり仕事で考えることがあったので説得の科学について本を読んでいる。
説得というのは面白いもので、若い時は正しいことをいえば相手は変わってくれると思っていた。しかし、現実はもっと複雑でゆっくり相手の考えを変えるところ考えていく必要があるように経験的に思う。
この本は、人の意見の変えられなさみたいなところについて語っている。
まず、人は自分で選んだり自分ですることが喜びという話がある。
有名な話の一つに、イケア効果がある。家具のイケアのように、自分で机を作ったり棚を作ったりすると、他人が同じものを作った場合よりも価値を感じる。そういう話だ。
さらに、確証バイアスというのもある。確証バイアスは、自分が知っている事実に関連するようなものだけの情報を取ってくるし、自分が知っている事実のみを人は信じやすいということだ。
例えば、広島カープのファンなら、広島カープが有利な情報ばかり取ってくることが多くなってしまい、必ずしも客観的に広島カープが他のチームとの強さを比較することができないかもしれない。広島カープのファンの方すみません。
この2つから他人を説得する際には、他人が信じている考えにまず共感することが必要だという。その上で、自分が推したい話ができるかどうかが鍵だ。
例えば、インフルエンザワクチンに反対する人たちがいて、その人たちを説得したければ、彼らが気にしている根本の問題。つまり子供に与える悪影響というところを考慮しないといけない。結局のところ彼らが持っているのは子供を傷つけたくないという思いなのだ。
であれば、その思いにまず共感することが大事だろう。その上で、ワクチンを摂取した方が、死亡率が低いという話をした方が良いだろう。もちろん上級者レベルになると、そのデータが信じられないという話が出てくるのだから怖いのだけれど。それには応じなくても良いと思う。
結局のところ、メリットを提示して、相手に最後は委ねれば良いのだ。最初に人は自分で選んだり自分ですることが喜びという話をした。自分で選ぶと良いいう決断を委ねることで、ワクチン接種も可能かもしれない。元々ゼロだった可能性が少し上がるだけでも効果があったというものだ。
他にも、他人にアイディアを伝えている時、自分が良いと思ったアイディアを他人にとっても面白いアイディアと思ってもらうためには、自分が考えているイメージを相手に伝える努力はなんとかしないといけない。絵を使ってプレゼンするなり、時間をかけて説明するなりというやつだ。
このように説得やコミュニケーションには駆け引きがある。そうすると、相手の考えを読み込み相手はこう思っているだろうと思うメタ認知は、説得やコミュニケーションにおいて重要な基礎になっていると考えられる。
そのメタ認知を共感の力や、決断を委ねることで揺さ振ることができる。交渉や説得というのは相手のメタ認知をハッキングするような複雑な営みに思える。
このアイディアをもう少し深めていきた。
18k今日は走った。
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ベンチャー企業の研究者日記
研究について日々考えていること、ベンチャー企業で働いている中で研究とビジネスの関連性について気づいたこと、人生について考えていることについ…
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