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Leica M2のシャッタースピードはどのくらい正確なのか調べてみた。【フィルムカメラ】

機械式カメラは、電気無しで動きます。電気がないのに、1/15秒とか1/30秒の短い間だけシャッターを開けて、フィルム面に光をあてることができます。これってかなり信じられないことと思うんです。というわけで、そんな機械式カメラのLeica M2のシャッター速度がどのくらい正確なのか調べてみました。

動画もあわせてどうぞ:


シャッタースピードテスター

以前、シャッタースピードテスターを自作しました。今回は、そのシャッタースピードテスターを使って、Leica M2のシャッター速度を測ってみたいと思います。

用意するもの

用意するものは、以下の通り:

  • Leica M2

  • シャッタースピードテスター

  • フラッシュライト

セットアップ

準備は:

  1. シャッタースピードテスターをUSB電源ケーブルにつなぐ。

  2. Leica M2の底蓋を取る。

  3. フラッシュライトをオンにして、Leica M2の後ろからレンズに向かって、光をあてる。

  4. シャッタースピードテスターをレンズの前に置いて、センサーをレンズに向ける。

こんな配置にします。

測定結果

シャッタースピードの測定方法はJIS B 7091にまとめられています。
JIS B 7091は、日本産業調査会のページで検索、閲覧できるようになっていますので、詳しくはそちらをどうぞ。


シャッタースピードごとに5回シャッターを切って計測を行い、結果は以下のようにスプレッドシートにまとめました。

test #1 からtest #5までは、計測されたシャッタースピードを記録しました。
Average msecsは、5個の計測値の平均値です。
Average sは、その平均値を、1/何秒という形式に直した値です。これが、実際に測定されたシャッタースピードの値です。

bは「露出時間の誤差」です。計測されたシャッタースピードの平均値が、理論値にどれだけずれていたかをEV(段)で表しています。例えば、カメラにセットしたシャッタースピードが1秒の場合、理論値は1秒で、平均値は945.274 msecsなので、0.081 EVだけ、ずれていたと言うことになります。(b = log2(1/t) - n = log2(1/0.945274) - 0 = 0.081)

pは「露出時間のばらつき」です。5回の測定値のうち最大値と最低値の差をEVで表したものです。(p = log2(tmax-tmin)p = log2(0.95084 - 0.93888) = 0.018)

qは「隣接した露出時間の比」です。露出が1段上と下のシャッタースピードで何EV差があるかを表したものです。理論値としては1EVなので、1EVに近ければ近いほど正確ということになります。

まとめ


シャッタースピードが、1秒から、1/30秒までは、0.1EV以内の誤差でした。このあたりだと、けっこう正確にシャッタースピードが出ているようです。
1秒から、1/250秒までは、ISO/JIS規格内の精度でした。

1/500秒と1/1000秒は、さすがにISO/JIS規格外の精度ということで、かなり遅くなっているような感じでした。1/500秒のシャッターは、実際には1/318.67秒(-0.684段のずれ)、1/1000秒のシャッターは、1/530.79秒(-0.948段のずれ)でした。巷で言われているようにけっこう遅くなるようですね。まあ、シャッタースピードが遅いということは、露出強めになるので、ハイキーな写りになります。なので、露出不足は防ぐことができるのは幸いですね。

ということで、Leica M2のシャッタースピードを計測をしてみました。低速、中速はかなりの精度だったと思います。1950年代のカメラなのにしっかり動いていておどろきでした。






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