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いい子でいいの?

このところ「いい子」について2つの記事を書きました。

改めてコトバンクで調べてみると、漢字では「好子」と書くのですね。
精選版 日本国語大辞典「好子」の意味として、上2つを引用します。

① 気立てのよい子供。また、行儀がよく大人の言うことをよく聞く子供。子供をほめていう語。
② 善良な人。また、自分だけが人によく思われるよう、うまく立ち回る人。→いい子になる。

この②の裏の想いが問題なのです。「いい子症候群」などのキーワードで引くと、ネットにも色々書かれているようですね。

2008年10月23日、私は冒頭のタイトルでブログ記事を書いています。
今回も、書籍「宗像恒次:人生をリセットしたいあなたに―「心」と「脳」に効くバーチャルサプリ(2005、三松)」を読んだ当時の私の感想をシェアしたいと思います。


自分の気持ちを抑えずに自己主張しようとすると、見捨てられ感や自己否定の怖さから率直になれないことがある。いままで育ってきたなかで、「自分が満足するように生きなさい」というメッセージを親から受け取ってこなかったことが大きく影響している。
率直に主張すると、周りから「生意気」「無神経」「あんなこと言って、いまに見ていろ」などといった反発を受けてきたことも一因だろう。このように率直になることをはばむ社会環境が、残念ながら、日本にはある

宗像恒次:人生をリセットしたいあなたに―「心」と「脳」に効くバーチャルサプリ
(2005、三松)

と宗像は言う。
なるほどと思う。

「出る杭は打たれる」文化はまさにそうだ。
昨年流行った「KY」なんて言葉も、そのニュアンスを含んでいるような気がする。

本当はもっと、自分の気持ちを主張していい。
なのにそれをすることを許さない日本人。
なんと愚かなことなのだろうか。

日本人は、相手の感情には誠実でも、自分の感情に誠実になりきれないという特徴がある。つまり自分を抑える、すぐ引く、粘り強さがない。そして、考えるがひらめかない。
これが日本人の特性といえるだろう。

これが「イイコ」の特性なのだ。

では、イイコは、本当に相手に誠実なのか?
考えて欲しい。
イイコと相対した時、あなたは気持ちいいと感じるだろうか?

私は気持ちよく感じることはない。

その理由

日本人の誠実さは、概して、他の人の感情に向いていて自分の感情には向けられていないと言ったが、本当に相手に誠実かというと、そうとは言い切れない。ときに、それは自己満足的でさえある。
実は他の人の気持ちを確認するリスニング力がないから、相手の気持ちよりも自分の一方的な気持ちで相手に誠実であろうとしがちである。
相手に誠実であるためには、相手に共感し、相手の真の気持ちを汲むことである。

なにもイイコである必要は、ないのだ。

でもね、かく言う私も、長い間イイコをやっていた一人なんです。
安心してください。

さぁ、勇気を出して、イイコのカラを、一緒に破ろう!

「リスニング」については、別に書きたいと思っています。
このスキルを身につけることで、イイコでなくとも安心できる、と私は思います。



いかがでしたか?
この記事も15年ほど前に書いたものなのですが、いまでも十分役立つでしょ?
とくに、後に書いた日本人がイイコになってしまう理由が参考になると、私は思うんです。

他の人の気持ちを確認するリスニング力がないから、相手の気持ちよりも自分の一方的な気持ちで相手に誠実であろうとしがち

どうですか?

相手の気持ちを慮ることは、決して悪いことではありません。
けれども、結局、相手と自分は異なる人間ですし、価値観も生きている環境も違います。
言葉にして確かめなければ、本当のところ、相手がなにを思っているかなんて分からないじゃないですか?
けれども日本人は、こんなこと聞いてはいけないよなとか、聞いて怒られはしないだろうかと、つい聞くことを避けてしまいます。

相手を怒らせてしまうのは、聞き方を知らないからだけなのです。
同感しないといけないと思っていたりするからおかしくなるのです。

それをうまくやれる技法がソーシャルスキルなんです。

何度も書いていますが、私がヘルスカウンセリングを学び、その実践を始めたのは50歳少し手前のことなんです。
50年も、苦しく生きてしまったんですよ。
でも人間、何歳からでも変われます。何歳からでもしあわせに生きられるんです。私自身が、それを体現しています。


あなたのこれからが、しあわせであることを願っています。

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