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日本理科教育学会の会員特典を5つ紹介します

はじめに

この記事は理科教育 Advent Calendar 2021の3日目の記事です。

理科教育に関することを書かないといけないのに,学会のことを書いてすみません。「理科教育に関するコミュニティ形成」ということで,どうかお許しください。学会に興味がない人は今すぐブラウザバックしましょう。

さて,学会員としてポジショントークしかしませんが,日本理科教育学会に入会するメリットについて書きたいと思います。なお,本記事は学会を代表するものでなく個人の見解です。予めご了承ください。


会員特典

日本理科教育学会の主な会員特典は下記の5点です。私が知らないだけで他にもあるかもしれません。

1.『理科教育学研究』の投稿資格を得ることができる
2.学会員価格で支部大会や全国大会に参加できる
3.毎月『理科の教育』が届く(正会員のみ)
4.オンラインセミナーの動画を視聴することができる
5.公式オンラインコミュニティ(Slack)に参加することができる


以下,会員特典の詳細です。


1.『理科教育学研究』の投稿資格を得ることができる

日本理科教育学会の論文誌である『理科教育学研究』の投稿資格が得られます。学会としては当たり前なので,こちらについては省略します。


2.会員価格で全国大会に参加することができる

これも当たり前なのですが,会員価格で全国大会に参加することができます。たとえば,2021年に開催された日本理科教育学会第71回全国大会(群馬大会)では,会員の参加費は非会員の会員と比べて1,000円安くなりました。


3.毎月『理科の教育』が届く(正会員のみ)

日本理科教育学会では,毎月『理科の教育』を発行しています。『理科の教育』は,理科教育界の動向をタイムリーにとらえた特集テーマを掲げて,理論と実践の両面に関わる最新情報を紹介する会誌です。たとえば,2021年4月から11月までの特集テーマは下記の通りです。

4月号 知りたい! すぐれた理科の実践―各支部の推薦から―
5月号 理科の勉強って役に立つの?
6月号 これからの時代に問われる理科教師の資質・能力
7月号 ポストコロナの理科教育
8月号 1人1台の端末を活用した理科授業―はじめにすることー
9月号 自然災害に理科教育は何ができるか
10月号 学習指導要領と授業改善―ダイヤモンドランキングから俯瞰して見る―
11月号 「個別最適な理科の学び」って何?

このように,コロナ関連やGIGAスクール構想など,最新の動向を踏まえた特集テーマになっています。このほか,教材研究や実験・観察,指導法の工夫,基礎教養としての入門科学講座なども紹介しています。

このように,『理科の教育』には様々な連載があるのですが,イチオシは「『理科教育学研究』を授業に生かす」です。この連載は,『理科教育学研究』に掲載された論文をピックアップし,その知見を授業実践に生かすというコンセプトになっています。『理科教育学研究』と現在の理科授業をつなぐ有意義な連載です。

さて,この『理科の教育』は学会員になれば特典として毎月配布されます。非会員の方でも『理科の教育』を購入することができるのですが,1冊880円(税込み)なので,1年間購読すると

880円 × 12冊(1年間)= 10,560円

かかることになります。正会員の学会費が12,000円ですので,年間で購入するくらいなら,学会員になった方が様々な特典もついてお得ということになります。12,000円 から 10560円 を引いた 1,440円 で残り4つの特典がついてくるなら,なんだかお得な気がしませんか?(しなかったらすみません)


4.オンラインセミナーの動画を視聴することができる

日本理科教育学会では2020年12月から,特定の研究方法や授業実践を研究論文にするために必要なコツなどについて解説し,参加者と議論する「オンラインセミナー」を実施してきました。これまでに行われきたセミナーのタイトルは下記の通りです。

第1回「理科教育学研究のための統計分析入門」(2020年12月19日)
第2回「理科の授業実践を論文にしてみよう」(2021年2月20日)
第3回「理科授業に関する質的研究入門」(2021年3月6日)
第4回「理科教育学研究のための統計分析入門・中級編」(2021年7月3日)
第5回「理科教育の研究をはじめよう」(2021年11月3日)

このオンラインセミナーは,会員・非会員関係なく無料で参加することができるのですが,学会員であればこのオンラインセミナーの録画をいつでも視聴することができます。オンラインセミナーの内容は,理科教育の研究をはじめてやってみる初学者にとってぴったりの内容になっていますので,「理科教育についてこれから研究してみたい!」という方は,ぜひ入会を検討してみてください。


5.公式オンラインコミュニティ(Slack)に参加することができる

2021年5月から,Slackというチャットツールを用いた公式オンラインコミュニティが立ち上がりました(私は管理グループの一人です)。これは国内の教育系の学会にはない日本理科教育学会だけの特典です(多分です。違ったらすみません)。このオンラインコミュニティでは,チャットを通して理科教育に関する様々な情報を参加者同士で交換しています。現在,理科教育に関心のある小学校,中学校,高校,大学などの先生を中心に130名(2024.9.9時点)を超える会員の皆様にご参加いただいております。

このオンラインコミュニティのコンセプトは「対話」と「共有」です。
具体的にどのようなことをやっているのかというと,

・理科授業の実践の報告やそれに対するフィードバック
・文献やイベント情報の共有
・共同研究者の募集
・理科教育をテーマにゆるく雑談する「オンライン座談会」


などをやっています。下記のスクリーンショットは「実践の報告やそれに対するフィードバック」の実際のやりとりです。

図1

このように,実践の概要や板書の写真などを投稿してもらって,実践の良かった点や改善点などについて,ゆるく議論しています。

昨今の社会情勢もあり対面による情報交換が難しい中,公式オンラインコミュニティを使えば,理科教育に関心を持っている全国の方々とゆるやかに情報交換することができます。

参加の申請方法ですが,学会員の会員専用ページにログインすると参加申込みフォームがありますので,ご興味があればぜひ登録してみてください。


入会の方法

さて,最後は入会の方法についてご案内です。学会公式Webページの入会案内は下記の通りです。
理科教育に関わるみなさま,理科教育に関心をお持ちの方の入会を心よりお待ちしております。

入会案内
http://www.sjst.jp/membership/

オンラインによる入会申請フォーム
https://e-naf.jp/SJST/member/join.php


【おまけ】理科教育について研究するそのほかの団体

さて,これまで学会の紹介をしてきましたが,理科教育について研究する団体はこのほかにもたくさんあります。たとえば,ソニー科学教育研究会(SSTA)日本初等理科研究会などがあります。

どのような団体に入ってもよいと思いますし,自分たちで自主的に作ってみてもよいと思います。Slack,Zoom,Googleの各種アプリケーションを使えば,無料の使用範囲内で,オンラインで対面と遜色なく情報交換することができます(過去にオンラインブッククラブのやり方について紹介した記事もありますので,ぜひご覧ください)。

こうした団体に参加したり,有志で研究グループを作ったりして,お互いのコミュニティを行き来し合うことが,よりよい理科教育研究の土壌を形成することにつながると考えています。そしてさらに,理科教育に限らず,様々な教科や領域の方々とつながることで,新しい理科教育の領域も生まれることでしょう。

私は理科教育に関心のある皆様とどこかでつながることができることをとても楽しみにしています(理科教育 Advent Calendar 2021 もその1つです)。

最後までお読みいただき,ありがとうございました。

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