「承認欲求おばけ」ってどうなの?
「承認欲求おばけ」「承認欲求モンスター」などの言葉を聞く機会が増えています。ある時には人を批判する意味で使われます。しかし、承認欲求自体は人間に基本的にある欲求です。
一方、SNSには承認欲求を見える化する仕組みも、承認欲求を満たすための要素が含まれています。この記事では「承認欲求おばけ」とSNSの関係などを少し掘り下げていきます。また、どうすれば「承認欲求おばけ」に振り回されずに済むかも提案したいと思います。
承認欲求おばけとは
「承認欲求おばけ」と同様に「承認欲求モンスター」という言葉も使われます。どちらも承認欲求が過剰になった状態ですが、少しニュアンスが違いので、両者の意味を解説します。
承認欲求おばけ
承認欲求おばけとは、承認欲求が強すぎて、常に他者からの評価を求めすぎてしまう人・状態をさします。特徴としては以下のようなものがあります。
SNSで過剰に自己アピールする
「いいね」やフォロー数に執着する
頻繁に日常写真を投稿する
自撮り写真が多い傾向がある
承認欲求モンスター
承認欲求モンスターは、承認欲求おばけがより深刻になり、周囲の人が迷惑と感じるレベルといってもいいでしょう。しばしば、SNS上では問題行動ととらえられることもあります。以下のような特徴があるといえます。
承認欲求が極端な行動を起こさせ、周囲に悪影響をあたえる
承認欲求のために制御不能になり、言動が炎上するケースもある
承認欲求をえるために、ときに作り話やウソの投稿する
たとえば病弱なふりをして、周囲からの注目を集める衝動にかられる
マズローの欲求5段階説
この「承認欲求」ですが、心理学でも定義されています。アメリカの心理学者マズローが提唱した理論で、「マズローの欲求5段階説」の中で説明されています。
簡単に説明すると、人間が自己実現(成長・表現)する欲求を満たすためには、「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求(所属と愛の欲求)」「承認欲求」が満たされなければならないというもので、上図のピラミッドのように安全などより低次な欲求から満たされなければならないというものです。
この4層目に位置するのが「承認欲求」で、承認欲求があること自体は健全な心のあり方といえます。
マズローの理論でいえば、この承認欲求が肥大化したものが、「承認おばけ」「承認モンスター」といえるのです。
承認欲求とSNS
SNSの台頭が承認欲求を可視化しました。たとえば、「いいね!」の数やフォロアー数、返信など相手の反応が目に見えるようになりました。また、「いいね!」や返信の即時性も承認欲求を満たすものになっています。
また、SNSでは投稿や写真投稿、動画配信のハードルが低くなり、自己表現が容易になったともいえます。
このように自己表現も他人からの評価も、SNSの特徴でありよい点でもあります。
承認欲求とどう付き合うか
このようにSNS時代に自己表現して、他者からの評価(承認)を得ることは普通なことです。そして、健全なことです。また、SNSから取り除けない要素です。
それでは「承認欲求おばけ」や「承認欲求モンスター」のように極端な承認欲求をもたないようにするには、どうすればいいのでしょうか。
ひとことでいうと「自己肯定感を高める」です。他者からの評価も大事ですが、自分自身を認めるのが大事です。簡単なようで難しいのが自己肯定感を高めることです。まず、ネガティブな自分も認めることやありのままの自分を受け入れることからはじめるといいでしょう。
他人から「承認欲求おばけ」と非難される人もいるでしょう。しかし、小児欲求自体は誰にでもあり正常なものです。ありのままの自分を受け入れて、受け流しましょう。