19. なぜ目標を設定するのか? 目標設定理論 (Goal-setting theory) 3
前回は、目標設定時に気をつけることを書きました。今回は、目標を設定して、いざ実施しているタイミング(期中ですね)で行うべきことです
目標設定理論のおさらい
定期的な確認として行うこと
ここは、マネジメントの定番ですが、結構できていないかもしれません(自戒を込めて)
ここも現場目線から、大事なことが2点あります
進捗確認(トラッキング)とフィードバックです
進捗確認(トラッキング)
ここが、従業員の評判が悪くて、ストレスを感じるところ。笑
でも、位置付けとマインドセット次第と思います
進捗確認は、つるし上げの道具ではありません
進捗確認は超大事です
例えば、本格的な登山をイメージください。ちゃんとルート通り進めているか、時間内に山小屋までたどり着けるか、残りの食料は十分か、天候は大丈夫か?など、ちゃんと随時把握できないと、死にます
ビジネスも同じ
進捗確認は未達者への罰ゲームではないのです。廊下に立たせたり、校庭3周とかいう意味不明のものではないのです(昭和の時代に子どもだった世代はこういう経験が学校であるのでは?)
まず、何のための進捗確認か、ここを上司ー部下で握っておきましょう
上司は進捗に届いてない場合も、超えている場合も、どこがよくて、どこがもっとよくなるのかを、二人で、チームで話し合うことが大事です
何のため?
次のアクションを決めるため
行動に移して、成果につなげるため
そのために、進捗を見える化して、例えばデータ可視化ツールなどでKPIを、全員がアクセスできる社内のページに載せたりするのもいいでしょう
1on1やチームミーティングでレビューしている会社もあると思います
これも過去を振り返るのが目的ではなく、過去をみながら未来へ進むためのものではないですか?
ゴールに向かって次に何をするのか?を決めるためのもの
それが進捗確認
そのためには、現状把握が大事ですが、それだけに意識が向き、未来への話をしてない進捗確認が意外に多いのでは?と想像します
次のアクションに向けて、本人は深く振り返って、次に同じような場面にであったらどうするか、上司はそのサポートをするのが大事です
それが私は進捗確認の場であり、目的だと思います
キレイなグラフをつくって、偉い人へ報告するのが進捗確認ではないのです(と肝に銘じます)
過去は変えれない
未来へ向けた時間
それが、進捗確認
最後はポエムになって、また生ぬるいといわれそうですが、私はそんな思いです
フィードバックで振り返り
ここを詳しく書くと、たぶん10個ぐらい記事は書けるので、ここでは簡単に書きます
フィードバックは、会社によって、人によって意味が違います
ここでは、ご本人へ他者から、他者が気付いたこと、気になったこと、感じたことを、「私にはこう見えました」と伝えることです
主に上司からですが、誰でもいいです
一番大事なのは、タイムリーに行うこと
期末の評価のときに、「君は〇〇だね、なんで君だけできないの?」みたいのがド最悪なフィードバック(実際に、この文字通りのフィードバックは無い気がしますが)
いろいろダメポイントはありますが、まずタイミングがダメ
それ、今いうな
気付いたときに言ってあげるのがフィードバック
リアルタイムではなくとも、そんなに間を空けずに、行いましょう
なぜなら、フィードバックにより本人へ気づきを促し、未来の行動を変えるために行うのです
過去は変えれない
未来の行動を変える
それがフィードバック
フィードバックを、仮にこういうものとしたら、いつやるのがいいでしょうか?
今でしょ
期末の評価面談のときに、上司が行うフィードバックは、成績やボーナスの連絡、その理由の説明、来年への期待も伝え、期全体を上司と部下で、じっくり、しっぽり振り返りって、よりよい来期を語り合うのが期末面談で行うフィードバック
ここでいう期中のフィードバックは、タイムリーに気付いたことを、その場で行い、相手が自分の行動を振り返って気づきを得て、次の行動へ反映させることが目的です
期中と期末は、見ている時間軸の違いですかね
期末のフィードバックが不要と言いたいのではなく、期中のフィードバックも目標達成のためにはめっちゃ重要ですと申し上げたつもりです
日本全国で期末のフィードバックは行われている場合が多いですが、期中のフィードバックはどれくらい実践されているでしょうか?
皆様、ここ一番最近に行ったフィードバックは
誰にですか?
いつでしたか?
どんな内容でしたか?
相手は行動は変わりましたか?
フォローアップはしてますか?
こんなにフィードバックのことを書くと、フィードバックおじさんと揶揄されますが、そうではないのです
フィードバック自体が目的ではありません
フィードバックを通じて仕事の成果を出すこと
フィードバックがパフォーマンスを上げることは、各種の研究成果で示されています
まとめ
目標を立てるだけではダメ
パフォーマンスを上げるには、進捗確認とフィードバックが大事
進捗確認は未来の行動を決めるため
フィードバックは相手の行動を変えるため
フィードバックはタイムリーに
最後までお読みいただきありがとうございました
参考文献
Locke, Edwin A., and Gary P. Latham. "Building a practically useful theory of goal setting and task motivation: A 35-year odyssey." American psychologist 57.9 (2002): 705.